座談会 ゆうメイト言いたい放題
   
  出席者 Aさん(神奈川県内区分局郵便内務)  
  Bさん(元神奈川県内普通局郵便内務)  
  Cさん(東京都内普通局郵便内務)  
  Dさん(東京都内普通局集配外務)  
  司会 編集部  
   
               (伝送便00/12月号より)
 
   仕事は職員以上、でも安い時給

司会 
まず、みなさんの時給はどれくらいですか。

 集配外務の僕は一〇二〇円、六年前に入った時は九二〇円で毎年二〇円ずつあがっていった。でもこれで打ち止めと言われました。

 郵便内務で新夜勤やってる僕は今年に入って八五〇円。時給は六年目であがらなくなっちゃうんですよ。百円以上はあがらない。

 ゆうメイトの時給は一〇二〇円が最高だと言われた。

 いや、僕が前いた中郵では、最初九五〇円で最高一〇五〇円まであがったよ。新東京局なんかは九人〇円スタートだ。
 局によってこんな差があるのはおかしいって副課長に言ったら、昔はもっと細分化されてた、例えば二三区内でも山手線の内側と外側とか。今は三つくらいになったという。

 それっておかしい。

 僕なんか、ゆうメイト募集センターに電話して、あの局に空きがあるから行ってくれって言われて行ったんだけど、それって全くの偶然。それで時給が違うっていうのはやっぱりおかしい。

 横浜港局の郵便内務でゆうメイトをしていた私は三回あがった。金額はよくおぼえていないけど、 一度は「これは内緒」と言われて他の人より多くあがった。

 横浜は確か七八〇円だとか。まあ、地方ごとに違うのはわかるけど、何で同じ二三区で違うのかわからない。世間の相場から見ても、五年も六年も働いて九五〇円の時給のままというのは、仕事内容から見て安すぎる。銀座のマツヤデパートなんかはスタートが千円だから。五年勤めて頭打ちというのは、きっと郵便局の方ではそんなに長くいてほしくないということかもしれない。

 ボーナスも夏に三万、冬に五万支給されるけど、何年働いても一律であがらない。

 時給が毎年あがるんだから、せめてボーナスもあげてほしい。安い給料、待遇も中途半端でみんなよく働いているなあっていうのが実感。僕らは不当に安く使われている。「みなさんのおかげで今日も無事片付きました」っていう言葉だけでなくて、実際に待遇を向上させてほしい。ゆうメイトの半分以上は、一般職員より働いている。「この人ら辞めさせて、その分彼らの時給上げてほしい」と思っているゆうメイトもかなりいる。

 うちは重い荷物を積む時なんか職員でも手伝いに来てくれる人もいますけど、この人はやるけどこの人はやらないって決まっていますね。

 この人はハンコ押しだけする職員みたいな。

 重い荷物を毎日持ち運んで、ゆうメイトのこの時給はないだろうって思いますね。当務者の方は八時間働くから一人前で、私たちは何で四時間だから、パートだから、ってこんな安い給料になっちやうのって思う。

 入る時の形、ゆうメイトであるか、短時間職員であるか、正職員であるか、それの差で給料はまるでちがう。

 でも、何か責任を取らされる時は、「あなたたちは国家公務員ですよって」(笑)。

 郵便局ではこれから職員を減らしてもっとゆうメイトを入れて、それまで職員がやっていた仕事をやるようになるけど、仕事量は増えても待遇は変わらない。せいぜい変わったのは交通費、千円が一五〇〇円になったくらい。体制はまるで変わっていない。

司会 ここ十年時給は全然あがってないでしょ。これではひとりではやっていけませんよね。

 それこそかけもちでやらないと。二つの郵便局を時間帯で分けてやっている人もいますよ。

 私なんか二十日働いて月六万ですよ。

 僕は待遇面では給料もあるけど、この前郵便局から保険料をまとめて払えってきたのが一番頭にきてる。

司会 いくらくらい?

 二〇万円超えてた。二年分さかのぼって払ってくれって、結局払った。後で気がついたんだけど、当時親の扶養を抜けていなかったんで二重に払ったことになった。それって変ですよね。

司会 当然二重払いだから、言ってどっちか返してもらわなくては。

 その時、局の方からは何も言われず、よくわからないまま、納得できないまま、払わなくてはいけないのかなと思って払っちゃった。総務課長から二〇万はまとめてではきついだろうから分割でも
いいよと言われて。

 この前、新聞で見たけどディズニーランドの何千人のバイトで同じような保険料未払いは結局、会社が全額支払った、郵便局のミスなのに払わせるのはおかしい。

 不思議だな、っていうか迷惑だなって思うのが、物を買って下さい、保険に入って下さいもそうですけど、ゆうパックね。ゆうパックを買ってるから何をしてもいい、何をしなきゃいけないみたいに言われるんです。

 ゆうパックを買え、と・・・

 きのう、ゆうメイトが集められて副課長から郵政公社のことや郵便の赤字のことが話されたあと、「累積赤字は何としても避けなければならない。そのために営業に非常に焦点を置いている。ゆうメイトのみなさんもぜひ積極的に参画していただきたい。ゆうメイト全国五万人の人たちがまわりに呼びかけて利用していただければかなりの売り上げになる」とはっぱをかけてました。

 私は「買わなきゃ解雇されるよ」って言われましたよ。周知で代理が言ったんです。「買わないと、もはやこれまでになるかもしれないよ」って。そしたら副課長がでてきて「一年間で一個も買っ
てくれないような人は協力してくれてないということで、どういう気持ちなんですかとお尋ねする紙がいって、さらにその次にはもう来なくて結構です、となりますからね」やれるもんならやってみろ、と思いましたけど。

 僕のところの副課長なんかは「営業に参加しない者、やる気のない者は自ら去れ」ってはっきり言いました。とんでもない発言ですが、管理職はかなり危機感持っている。以前は始業ミーティングでゆうメイトに施策ゆうパックの協力をお願いするなんてなかった。この二、三年で営業に関しては非常にかわってきた。

 いまゆうパックを送りますと、後で粗品がくるんです。郵便局から。朝礼のときに何々さんはゆうパックを買って下さったって。サインペンとかね。ミーティングの時に渡されるから、買った人と買わない人がひと目でわかりますよね。

 うち、棒グラフありますよ。ひとりずつ。ゆうメイト、本務者っていうふうに。

 ゆうメイトには棒グラフはないです。だってゆうメイトの分は職員の成績になるからゆうメイトのグラフはないですよ。

司会 それもまたひどい話だけどね。

 そしたら買ったときに、販売促進手当返ってきました?

 なんでしょう、それ? だってそんな説明ないから、あるなんて知りませんよ。

 それ職員がチョンボしてますよ。

 じゃあボールペンとかサインペンでごまかされていたんだ。

 集配のゆうメイトはあまり営業は言われない。グラフもありません。ミーティングでは防犯の話はよく出ますが、営業の話はないです。

 僕の所も営業にはみんな反発している、あまりやっていない。

司会 Bさんだってこういうことがなければ知らなかった訳だし、ゆうメイトの立場というかね、そういうのを知らせることからはじめないとね。

 せめてね、自分たちに有給があるとかね、忌引があるとか最初に勤務条件をはっきりさせるのが当たり前で、特にこういうものは書面として配布しなければいけないって、関東郵政局も各郵便局に指導してますって言ってました。ゆうメイト、短時間職員という名前にしていますが待遇としては局員と変わりなく扱っていますと。で、逆に「どこの局ですか」って。そのときは言わなかったんですけど、今考えれば情けをかけるんじゃなかったと。

 実態は無権利状況に

司会 
以前はそうではなかったんですが、私たちが契約時に説明するよう主張してきて、だいたい定着しているように受け取っていたんですけどね。そういうこともやってなかったんですか。

 パート労働法できまりましたよね。

司会 ちゃんと説明されてるの?

 説明なしでひとり一部ずつもってけと。夏くらいに。それがはじめてです。

司会 書面をみれば、見た人にはわかるだろうけど。

 そこに産休とか育児休暇とかでてるんですけど。三カ月更新のゆうメイトに本当にそれがとれるのかと。(正規職員の勤務条件を)書き写しただけ。

 有給休暇をとらずじまいで終わっちゃう人が大半なんですよね。うちではきっと。

 そうですよね。あるとわかってればね。

 サービス残業はみんなサービスだとわかってるけど、文句言うにも言えない。

 残業といえば、超勤をするときに、食事時間がありません。わたしの勤務は日勤で九時から一時までですから、最長九時から三時までお昼御飯ぬきで働かされます。で、副課長はなんて言ってるかって言うと「ダイエットになっただろう。良かったな」って。

司会 今後ゆうメイトが立ち上がる可能性はどうでしょうか。

 要はみんな自分が可愛いですから自分の雇用は守りたいですよね。

 特にゆうメイトで働いているのは、例えば主婦にしても学生さんにしても、それで生活をひとりで支えている人っていうのは少ないかもしれないけど、やっぱりなにがしかのものを抱えているわけ
ですから、例えばこれは間違っているだろうということでも、実際口に出すこともできないし、行動にも移せないじゃないですか。立場的にも弱いですよね。まだ職員さんのほうがね、後ろに組合がつ
いているだけ言うこともやることも、ある程度は(自己表現)できるところはあると思いますけど。
 だって「やめて下さい」と言われて、三十人のうち二十九人までは素直にやめるでしょうからね。

 そうなんですよね。だから私は郵便局だけの問題じゃないと思うんですよ。やっぱり根本的には日本の社会の在り方が変だからそういったものが現れているだけであって、例えば「やめて下さい」
と言われた時に大人であれば「私がなぜやめなければいけないのか」っていう自分を守る知恵っていうのは、当然学校教育のなかで受けてきてある程度もってて当たり前だと思うんです。それが身についてない、身につけられないような教育のしかたをしているのが現状だと思うんです。

 最近できた労働者派遣法では、派遣先で一年以上いた場合、希望すれば正社員にさせなければならないという項目がある。郵便局でもそういうようになればいいと思う。
                     
 私たちは区分機以下

 私は辞めさせられてから、初めて自分が国家公務員だったんだって知った。「予算の一七〇%であなたたちを雇っているのでこれからはどんどん辞めてもらいます」と言われ雇い止めされたけど、その後二〇人以上もゆうメイトを入れている。課長代理が実質の人事権を握っていて、気に入らないゆうメイトは首にして、仕事はしなくてもお気に入りの人は置いて、コネで新しい人を入れる。

 知り合いの主婦が初めて面接を受けるので、細かく履歴書を書いて緊張して臨んだら、ろくに履歴書も見ず、質問もしないで、はい、何日から来て下さいと言われ数分で終わってしまった。

 去年までは外国人の方も登録証も見ずに、名前と住所さえ書いてあればすぐに採用していた。ちがう住所で本名でなくても簡単に採用されてしまう。誰でもいいという事。

 私たちは区分機以下ってこと。

 辞める時も紙一枚で。私なんか課長の私印で雇い止めの紙をもらった。

司会 任命は局長のはずなのに。

 私はAさんみたいな局長名の採用通知なんかもらわなかったし、労働条件通知書なんか、見たことなかった。だから、年次有給休暇や忌引があるなんて知らなかった。父が亡くなった時、他の人から欠勤になってるけど忌引が出るはずと言われて、課長、副課長、総務にも聞いたけど、「ゆうメイトにはありません」の一点張り、関東郵政局に聞いたら「あります」と返事がありました。

 いじめの横行

 主婦の立場からすれば郵便局のバイトの時給は相場から言えばそんなに悪くはない。まあ泊まりもやってないし、あまりうるさくもない。気楽感覚がある。

 確かに、ゆうメイトの中には、しゃべりながら作業して、おこずかいもらえればラッキーっていう人があまりにも多い。まじめにやる人からは「そういう人とは時給に差をつけてほしい」という声もあがるほど。少なくとも、おしゃべりはしない、まともにやる、仕事ができるできないじゃなくて、一生懸命やっている人に対しては、その分評価していいんじゃないか。

 うちの局では、評価するべき職員が仕事中、ゴルフの話ばっかりしてますけどね(笑)。

 仕事ができるできないじゃなくて、どのようにやるかやらないかですよね。疲れてできない人に対して「〇〇さんはサボリ魔よね」なんて言う人がいる。

司会 いじめですね。

 どうしても、仕事の手が早い遅いというのはあると思うんですよね。ただ、仕事してお金をもらう以上、努力しなきゃいけない、最初は2でもいいけど、それが3になり、4になり、能力じゃなくてその人が一生懸命やっているなら誰も文句は言わないと思う。例えばうちの男の子なんか、区分は何分かかるんだろうっていうくらい遅いけど重い荷物なんかは「僕がやります」って率先してやる、
活かす能力というのはありますよね。

C うちにも一〜二割くらい、ただ時間つぶしに来ているような人もいてとてもむかつく。

 仕事やらなくても、「私は何年いるから偉いのよ」みたいに仕事しない人がいる。

 うちは「何年」じゃなくて「上に気にいられているから偉いのよ」って感じ(笑)。
 この前、同僚から電話があったんですけど、郵便局の役付きのお嫁さんのゆうメイトからいじめられて円形脱毛症になったって。

 結局、使い捨てですよね。

 その一方で、この前匿名で局に「○〇がいじめをしている」と名指しされた人がきちっと調査もしないで即日クビにされた。私から見れば彼女はむしろいじめられた人をかばう人だった。

 そういう状況のなかで、やはりゆうメイトのなかが分裂していきますよね。

司会 Bさんは今度ね、許せないということで、提訴するわけで、雇い止めになったということで、損害賠償と地位確認ということですね。京都の奥田さんなんかも負けちゃったし、状況は厳しいけれどね。でもBさんも悔しいからね、金がないから裁判おこせないっていうのも。

 そういうふうに思って諦めちゃう人がたくさんいると思うんですよね。でも私は与えられている権利をごまかしたり、イジメや告げ口で職場を暗くしている張本人に抗議した私が逆に暴行事件の加害者にされたり、異議を申し立てた郵政局の杜撰な調査と、いい加減な解雇理由、それを見て余計に訴えてやろうって思ったんですが、こういったことがいままでの四十七年間の自分の人生に照らして許せないわけなんです。

 裁判はおこすほうの費用負担ですよね、負けたら負けたほうが払うんですよね。

 だけど、こういうことがまかりとおっているんですよ、解雇になることもそうですし、いままで話したようにおかしなことがたくさんあって、明らかにしようと思っても、またもとに戻されちゃう。
 これは今働いている人にとってもこれから働く人にとっても、良くないことじゃないですか。
 いる人は、ゆうメイトは口にだせないんですよ。クビになっちゃうおそれのほうが多いわけですから。だから今、やめた時点だったら、私なら言えるんじゃないかなってことがたくさんあると思うんですよ。
 「お金が欲しいんですか」って言われた一言があるんで、本当はね、慰謝料云々は項目に入れたくなかったんですけどね。でもそれじゃあ裁判になりませんしね。

司会 Aさんも同じゆうメイトとして職場でこういう闘いを紹介していければいいですね。

 たまたま私、自分のドメインをとったので、ゆうメイトの問題を提起するホームページを作ろうとは思ってるんですけどね。ただ色んな個人のサイトを見ても愚痴に終始しているのが現状のよう
で。それを考えると、どこまでって思ってしまうんですよ。

 そこから先にすすまないからね。それは今現在その職場にいるからできないんじゃないでしょうか。私がこんな風に存分に言えるのは職場を離れたから、もっとも居た時に言ったからクビになった
んですけどね。

 でも誰かが言わなければ変わらないし、言えば変わるかもしれないし。

 だから変わってほしいなっていう期待を込めて(裁判の場で)明らかにしていきたいと思うんです。今でもひとり、ふたリではなく、意外な人から相談の電話がかかってくるんです。嫌な思いをし
たり、辛い思いをしたり、おかしいなって思って働いている人が多いってことなんですからね。

司会 今日はゆうメイトのみなさんからいろんな問題が出されました。まだ言い足りないかと思いますが時間が来ましたのでこの辺で終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
                             (伝送便一二月号より)
 
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<座談会 ’02 ゆうメイトは黙っていない

   
   出席者 西岡 達哉さん (千葉)  
  砂川 一夫さん (東京)  
  高中 洋二さん (東京)  
  飯島 和泉さん (神奈川)  
  司会 編集部  
   
                                                 02/10.10
 
 

司会 伝送便の座談会ということでゆうメイトの皆さんに集まっていただきました。今の率直な感想、問題点、不満などを出していただいて、郵政公社化を前にして、今後のゆうメイトの地位の向上、労働条件の改善についてどうしたら よいのか、ざっくばらんに出してください。
  まず、自己紹介がてら今の仕事について話してください。

高中 東京東部の大規模局に勤務しています。夜間専門の内勤ゆうメイトです。
  私の局では統廃合の問題が急遽浮上しまして一〇月一日から三局が一つになり、果たして、その段階でゆうメイト全員が新局に移行できるのかどうか疑問があります。
  当局は九月の半ばの時点でゆうメイトの勤務についてなんら発表していない。非常に職場で不安が広がっています。
  統合する一つの局では一月前の段階で全員に解雇通知が出たそうです。何と一部のゆうメイトには一〇月一日から再雇用するようだが、募集形態が業務委託という形態が含まれているといううわさがある。本当だとしたら一人一人のアルバイトが個人業者扱いされる。民間企業での外注契約しているのと同じ扱いになる。当然労働法の保護 を受けなくなる。有給休暇、交通費、労災などがなくなる。社会保険の加入もできなくなるという心配がある。このように待遇面で大きな問題があります。
  今まで通り雇用された人でも、月の雇用日数、時間について、何故当局は明言しないのか。労働条件の変更について事前に説明しないのは全くおかしいと思う。

砂川 東京西部にある集配局で泊まり勤務専門でやっています。普通課で到着、差し立てを扱っています。
  ニュー夜勤、深夜勤あわせて、ゆうメイトが二五人くらいの局です。
  二〇代から三〇代前半の人が多く、大学三・四年の人。若干年配の人もいる。実にいろいろなひとがいて、仕事に対する取り組む姿勢に差がある。職員意識の高い人。すごいやる気のない人もいる。私は普通に淡々と仕事をし ている。
  副課長も課長代理も事なかれ主義で、黙認している。作業の進行状況を気にしているだけで、個人としてゆうメイトをみていない。郵便物を片付ければいいとだけしかみていない。
  ここにいたらだめになると、一年か二年くらいで就職していく人もいます。

飯島 横浜の港郵便局でゆうメイトをしていました。解雇になってから三年以上で、皆さんと違う面があると思います。
  「当局」という言葉もやめるまで知りませんでした。ゆうメイトの待遇面、特別休暇、有給休暇など一切説明を受 けずに入りました。
  ゆうメイトの待遇の悪さというのは、私の裁判が始まってからいろいろな局の話を聞いているとダントツではないかという印象を持っています。
  雇われてから解雇になるまで自分たちの待遇について何ら説明もありませんでした。きちんとした雇用契約も昨年初めて出たと思います。かえってやめてからの方が郵便局のことがわかってきました。

  でっちあげられた顛末書

西岡 千葉、市川ブロックで集配外務をやっています。
  今年の三月に交通事故に遭ってしまった。責任は自分にも多少はあるが、まじめに仕事をしていたのに事故に遭ってしまった。
  総務課の担当者が土曜日でいなくて、集配課の上席課長が、相手の車が外国車で、「お客さま第一ですから一〇〇%局が悪いです」というようなことを言ったため、相手がどんどん要求してきて、私がケガをしたことも局側は警察に言わないし、警察も相手だけがケガをしたということでことを進めてしまった。
  その事故を起こした車というのは、整備不良で、後ろのライトがつかないとか運転手側のドアが開かないとか。総務課はそれを把握していなく、直そうともしない。当日も郵便も多くてなんとかしてくれと課長代理に言ったら我慢してくれ と言われた。

高中 一方的にあなたの責任にされた?

西岡 そうです。事故の現場では「おまえは黙っていろ」、顛末書も「おれの言うとおりに書け」と書き直させられた。

高中 局は顛末書をでっちあげて書かせ、文句を言ったら首になるかもしれないような桐喝をした。

西岡 そうです。それと、混合班といってゆうメイトだけの班があって、職員のもとで働くのでなく直接課長、課長代理のもとで使い放題というか、あれをやれ、これをやれと命令されている。職員の誤配の謝罪に行かされたりも。
  当初、私の診断書が握り潰され警察に出していなかったから、私の過失による業務上過失傷害罪ということで略式起訴だったが、それに対して異議申し立てをし、それで今は、もう一度現場検証からやり直しということに戻った。

司会 保険の関係は?

西岡 二つの局で働いてきたが、雇用保険の加入漏れがあった。前の局をやめる前に健康、厚生、雇用保険三つとも入れ忘れたからと四、五万強引に持っていかれた。今の局での交通事故に関連して、こんな職場にいられないと思って、定職に就こうとハローワークへ行って職業訓練制度を利用しようとしたら、両局とも加入漏れがわかった。

高中 つまり事故がなければいまだにわからなかった。

西岡 前の局の方は全く事実を認めない。今の局の方は天引きしていたのに加入していなかった。事実は認めているが、保証してくださいと言っても知らないと言い張る。天引きした分は私が納得していないのに勝手に通帳に振り込ん できた。局はもうこれで済んだ言い張るだけ。

  もらっていない採用通知書

飯島 あなたの場合、局に入る際採用通知書とか勤務条件が書かれた採用通知書をいただきましたか。

西岡 貰ってないですね。

飯島 ということは、全く自分の勤務条件がどういうふうになっているか、知らなかった。

西岡 はい。

飯島 それが一番重要なことでは。もしそれを貰っていて、そういうことが起こったら、自分に落ち度があるが、貰っていなくて、自分が承知していないにもかかわらず、起きたとしたら条件が全然違ってきますよね。

西岡 通っていた病院の医者が、局にケガは直ったと言ったもんだから、局側は、何月何日に出勤しろ、それもケガの前の出勤時間を一方的に変えて電話で命令してきた。仕方なく出勤して安全管理について説明を求めたら、管理者に囲まれ「業務命令です。仕事に就きなさい」と胴喝されました。

高中 時間が変わったのは二カ月毎の更新日から?

西岡 全く関係ないときに変わった。休んでいる間、更新の話なんか全くない。

砂川 治療費は局から出たの?

西岡 賃金保証もないし、治療費も出ていない。

高中 局から労災の申請をするかどうかは聞かれた?

西岡 聞かれていない。

高中 保険は?

西岡 ゆうメイト共済保険ですか。そういうのは一切ない。

砂川 怖いなと思ったのは、雇用保険が事務上のミスで入っていなかった、でも給与からは毎月引かれていたんでしょ? 私も他の人もその可能性はあるでしょ。

西岡 そうですよ。明細書の白紙の欄に金額が書いてあるだけ。

砂川 うちの局のは、項目毎に健康保険と厚生年金と分けて書いてある。

西岡 ハローワークへ行ったら、前局の一〇カ月、現局の最初の一〇カ月入っていないと言われた。調査したら、二〇〇〇年、二〇〇一年で六〇件以上の加入漏れがわかった。それでハローワークの教育訓練制度を使えない。転職のための訓練ということで三〇万円支給されるはずが。そして、現在労働局に個別紛争という制度を使って安心して働けるようにと指導してくださいと申請している。近いうちにその指導が示されると思う。

砂川 郵便局の体質の問題なのか、その担当者の怠慢なのか。ゆうメイトが物件費扱いで、事務の手続きが職員の後回しにされてしまう。毎月とったお金はどこへいったんだろう。

高中 それは横領だけど、ただ、組織が横領したのか個人なのか、とにかくひどい話だ。

  ただいま「有断欠勤」中

西岡 何が納得いかないかというと、一番の責任者である元上席が私の質問に答えずきちんと対応しなかったこと。それで私が休んでる間にどこかの局に飛ばして、結局自分たちの不祥事のもみ消ししてるんじゃないかと思える。最終 的には、私の事故は公務災害扱いとなり、診断書の出てる六一日間は「国家公務員災害保障」と郵政独自の見舞い制度ということで、賃金の六割プラス二割の計八割が出ることになった。泣き寝入りしなくてよかった。

司会 今の身分はどうなってるんですか。

西岡 局からは就労命令が出され従ってないから無断欠勤扱い。でも私は「労働局が指導助言するまでは仕事できない」と理由を言っているから「有断欠勤」です。もう二カ月近く無断欠勤状態だけど、クビにできない。

砂川 今の話聞いて、あきらめないでやってるから感心する。人にはいろいろ性格があって、イヤでも「はい、すみません」と言う人が多いじゃないですか。ハローワーク、警察、検察、厚生労働省まで行っているからすごいと思う。普通だったら事故起こしたらやばい、ってなるのに、そのエネルギーはすごい。

高中  ふつうのゆうメイトは自分がどういう勤務条件で働かされているか、あんまり興味もってないし、聞かないよね。でも聞かないとこわいというのは、今の例でもわかるよね。

飯島 聞くというのはそういう機会がなければ聞けない。私の局でもたまたま私の事があってから以後、解雇になったゆうメイトは一人しかいない。たとえ目前で暴力をふるった人が見えようが、一日五時間勤務のうち四時間半いなくてもクビにもせず、ちゃんと給料をはらっている。というのは、私が今裁判をしているから、その結論が出るまでは一切異動にに口を出すな、ということになっている。
  まあ、これは私の裁判が及ぼしたことの悪い例と言えるでしょうが、逆に裁判をやったことで雇用に関する条件は整いました。私の時は全くなかった雇用条件の書類も去年の四月から整備されました。そういう点では、誰かが声をあげたということが、他の人の役にたっている。みんながどこかで注目する機会にはなっていると思います。

砂川 裁判の効果ですよね。

飯島 ええ、課長クラスが「飯島さんの裁判が終わるまで動かせません」とはっきり言っています。
  港局ではこの一年で、ゆうメイトの中で何人もが署名を集めて直訴したり、直接局長に訴えたりということが何回かあったんですよ。暴力事件が起きたりするので。でも動かないのは不思議だとみんな言っていたら、はっきり飯島さんの裁判があるから、と言われたという。そのかわりじゃないけど、今まで明白にしてなかったあなたちの雇用条件をきちっとするようにしましたよ、みたいな形になった。まあ、そういう点は効果あったかなって思う。だから残っている人たちには良い面と悪い面、両方残してますけど。でも、声をあげるというのはすごく大事だと思います。それが、自分だけでなく、まわりの人にもいろいろいい影響を残していくんですから。

  あなたは助けますか?

高中  飯島さんの解雇は突然来たのですか。その前に例えば、始末書とか来たとか。

飯島 私、始末書なんか書いたことありません。自分で言うのも何ですが、老体のおばさんではありますけど若者に負けないよう一生懸命働いたつもりです。
  港局の場合は、言い方きついかもしれませんが、局員さんの補助をゆうメイトがするんではなくて、ゆうメイトの補助を局員さんがするような状態で、いちばん仕事の流れを把握して判断できるのはゆうメイトでした。だから言われたような「雑談が多い」「欠勤が多い」というような解雇理由を呑むわけにはいかないなと思ったんです。

高中 つまり、本務者並みかそれ以上の仕事をしているのに、本務者であれば何かあった時には始末書とか減給なんかがあってそれから解雇のはずなのに、ゆうメイトはちがう。

飯島 私の局では、私の解雇が出るまではびっくりするくらい解雇が多かった。それも、人事を担当している方が、次は誰が解雇になるってばらしました。本人より前に他の人が解雇されることを知っているです。上に気に入られない人が辞めさせられていくそんなやり方、それに仕事の流れについても、私は何度も申し入れをしました。
  私の解雇の本当の原因はこの申し入れとゆうメイトから受けた暴力事件、それに管理職の私的な問題がばれるのを恐れたことだろうと思っています。

高中 いきなり、解雇通知ですか。

飯島 いえ、私だけには一カ月前の通知でした。その前の人達、三年前にさかのぼって聞いてみたら、 一人も通知書が来た人はいなかったんです。「あなたは明日から来なくていいよ」って。

高中 即日解雇扱いも?

飯島 ええ、います。

高中 それ自体、ゆうメイトの扱いが各管理職の問で徹底されてないということの例だと思うし、もうひとつの問題としてなぜ、いきなり解雇かということがある。本務者であればいきなり解雇ということはないと思うんですよ。民間でも公務員でも、何段階もいろいろな処分があってその上に初めて解雇なりというものがくる。ところがゆうメイトには、いきなり解雇、これが同じ職場で同等の仕事をしている者に対する態度なのか、非常に問題だと思う。
  つまり局というのは、ゆうメイトに対してまともな教育も行わなくて、制裁はいきなり解雇という。通常の労働者扱いをしてないんじゃないかと。いつ解雇されるかわかんないようなひどい対応だ。こんな事が行われたら民間でも、正規の公務員でも大問題になる。
  ただ、局側がよく言うのは「雇い止め」というのは便利な制度だ、と。この「雇い止め」というのがゆうメイトが働く上の一番のガンなのでは。

飯島 私の解雇もその「雇い止め」という制度を利用したものでした。ひとつ、一見まともなような理由で「港局はゆうメイト予算一〇〇%のところ、現状一七〇%でやっているので少しずつ人員を減らしていきたい」、そのトップバッターが私だという説明があったんですけど、実際はその後辞めたのは一人で、たくさんのゆうメイトが入っている。
  今の裁判ではその事について、相手方は「そんな発言はしたことありません」と、舌の根が乾いてますけどウソばっかり言ってる(笑い)。

砂川 さっきの「明日から来なくていい」っていう話ですけど、それって、三カ月雇用で次の雇用はありませんじゃなくて、本当に明日からって口頭で言われるんですか?

飯島 そうですよ。もっと恐いのは、給料明細が来ると、みんなで電気に透かしてみるんですよ、そうすると中に細いピンクの紙が入っていたら、あなたは来月から来なくていいですよ、ってこと。

砂川 その中に、次の契約はしませんみたいな紙が入っているわけ?

飯島 私はもらいませんでしたから見てないですけど、明細もらうとみんなまず透かしてみた。次の契約っていいますけど、二カ月、三カ月ごとにかかわらず、月の途中でいなくなっちゃう。だってそうでしょ、もしあなたが「君は来月から来なくていいからね」って言われたら、次の日来ますか、ふつう来ませんよ。ちなみに、解雇通知もらって、きちっと一カ月出たのはきっと私くらいだと思いますよ。

砂川 まあ、そうだよなあ。

高中 そういう解雇のうわさが管理職から出るのでしょうけど、まわりの人間はそれを助けてあげようとかというのは出てこないんでしょうか。

飯島 あなた助けます?自分の身にふりかかってくるかなって、助けます?

砂川 ああ、やっぱりなってくらいでしょ。

飯島 そうだと思います。ただ、私は解雇されるまで郵便局は自分自身としてはいい職場だと思いました。辞めて三年経ちますけど、いまだに郵便局の学生も含めたゆうメイトのみなさんとの食事会に呼んでいただいたり、裁判にあたってみなさんのご協力をいただいている。バラバラなようでもそれなりにお付き合いはありましたし、今も付き合っています。そういう意味では決して悪い事だけがあった職場ではないんですね。助けてくださる方も助言してくださる方もいた。今もそうです。

  ゆうメイトにも営業目標

司会 今、飯島さんはじめ全国でゆうメイトの裁判が起こって、問題がひろがりつつあるわけですが、今後の方向性についてお話しください。

高中 私は民間で働いて、今の郵政の職場に来た時、この職場何なんだと思いました。ものすごい無責任体制だし、非常勤を人として労働者として扱ってないなと。これはどうにかしないと、いつ大変なことに遭遇するかわからない。
  早く言ってしまえば雇い止め・大量解雇とか労働条件がどんどん悪くなる。そういう危機感は入った当初からあった。
  まわりのゆうメイトに、自分たちがしっかりしないと何が起こるかわからないよって話した。世間でもこれだけ無権利に置かれている職種はない。無防備にしてたら大変だよって話してきた。
  それで局の統廃合の話が出てきた時も自分だけでなく仲間をどうやったら守れるだろうという意識を持ってくれた人が出てきたことはすばらしいことだと思った。仲間うちだけで話すだけでは解決しないので、組合に相談しようという動きが出てきて、実際郵政系の組合や民間の合同労組、ハローワークなどに相談に行く人間が次々に出ました。そういうのがあっちからこっちから出てきて局としてもうかつな事はできないなという危機感は持っているようです。
  だから、自分の職場を守るという意識がゆうメイトの問で出てくると局としても対応が変わってくるんだなあというのを実感しています。

砂川 人によっては、ひどい職場だ何とかしなくちゃと思う人もいますけど、こんなひどい所に居られないってさっさと辞めて就職していく人も多い。

西岡 ゆうメイトをやってると、外務職試験を受けたらと言われるけど、今の集配課を見ていると試験受けてまで入りたいとは思わないんです。「ゆうパックを買え」「誤配したら処分だ」とか言われるのを見てるからね。自分としては、受けるんなら内務職試験の方がいいかなとは思っている。郵便局の外務のアルバイトをやりたいという人がいても、私としははっきり言って薦めたくないですね。自分が紹介した人が万が一交通事故にでもあって不幸になったらいやですからね。今後私みたいなことが続く以上ね。
  それに外務の時給も同じ県でも私の所は一〇〇〇円だがもっときつい局でも八五〇円というように差があり過ぎる。
  私は課長に、「新集配システムが入ってゆうメイトにこんなことやってたら集まりませんよ」って言ってやった。やっぱり、人権のある人間としてゆうメイトを扱ってほしい。郵便局で働くゆうメイトというのは、言ってしまえば身分は馬以下、家畜以下って。でも考えたら馬だってもっとかわいがられていると思う(笑い)。

飯島 うちなんかゆうメイトのゆうパック売上個数の棒グラフが貼り出してますよ。

西岡 課長はゆうメイトに「一人三個売ってこい」と言って、売らないと首になるような雰囲気で、ゆうメイトもポケットマネーで買っている。
  配達はいいからって、カタログを持たされ、ある家で一時間も営業でねばっていたゆうメイトがいてお客さんから苦情がきたというくらい。

  ゆうメイトがいなくなる?

砂川 私の局では、営業とか「日々雇用」の問題とか直接は出ていませんが、まあ私もまだ一年で辞めるとかは考えてはいませんから、自分の働いている職場に誇りというのはあるので、もし問題は起こればしっかり闘うというか、主張することは主張していきたい。
  来年の公社化になって、職員にかわってゆうメイトが大量に入ると言われていますけど、実際今の状能を見ているとゆうメイトは増えず、辞めても後補充しない。
  仕事がきつくなっている。職員もゆうメイトも含め全体の人件費を減らす方向にむかっているようだ。

西岡 公社でゆうメイトは減らす計画もあるという。ゆうメイトの「なり手がない」という状況もある一方、再任用職員や短時間職員、それに個人契約社員など雇用の多様化は進むと思う。
  職員は組合があるから守ってくれるだろうけど、ゆうメイトには組合がないからしわ寄せはどんどんかかってくる。

飯島 最後に、母親の立場として。
  一昔まえ、親にとって子供のアルバイト先として郵便局は一番安心な所だったと思いますが、今は自分自身そうではないなと思います。
  これから、郵便局でアルバイトしたいのよって言われたら、「いいんじゃないの、いってらっしゃい」って言えるような職場をつくれればと思います。

司会 きょうはどうもありがとうございます。

                                  (伝送便’02.10月号より)

 
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