【千葉】  「法の谷間」に置かれた11万ゆうメイト    (02/10.10)
 
 

  七月に行われた日本労働弁護団主催の「有期雇用公務員の解雇等事件に関する研究交流集会」に出席する機会があった。郵政からの報告も多く、ゆうメイトの解雇問題に関心が集まった。
  その後の懇親会の中で、横浜青葉台ゆうメイト裁判を担当している弁護士から
  「ゆうメイトのおかれている現状がこれほどひどいものとは思わなかった。このような状況を放置しておくのは弁護士として恥だと思う」としみじみ語っておられた。
  まったく頭の下がる思いであった。ちなみにこの青葉台ゆうメイト裁判は、九八年二月三〇日に勤続一〇年近くのゆうメイト三〇数名を一方的に雇止解雇したことによるものである。
  一二月一日のボーナス支給基準日の前日の解雇であり、局側はその直後にほぼ同数のゆうメイトを採用するとい
う、あくどいやり口である。
  すでに結審し横浜地裁の判決を待つばかりである。

  船橋東局今村さんの提訴

  事業庁によると、青葉台以外に札幌西局、岡山中央局、徳島西局大阪小包局、横浜港局でゆうメイトの雇止解雇をめぐる裁判が行われているということであり、この八月に提訴した船橋東局、今村さんを含めて実に七つのゆうメイト裁判が同時進行しているという異常事態になっている(京都城陽局と旭川中央局裁判でも数年前不当判決が出されている)。
  これは公社化を目前にひかえた事業庁にとって、のどもとに突き刺さった大きなとげである。

  ゆうメイトは「法の谷間」に置かれた存在であると言われる。
  「任期一日、日々更新、一一カ月の予定雇用期間が終了したら当然にして退職、任命権者が特段の意思表示をした場合のみ二カ月間の雇用延長、その場合でも会計年度終了の三月末で全員退職、そして同じく特段の意思表示をした場合のみ再雇用」という「任用制度」をさしての事である。

  裁判における郵政の主張は、
  「ゆうメイトの任用は一方的な行政処分(行為)であり、二カ月の予定雇用期間の満了によって当然退職するゆうメイトに再任用を要求する権利などなく、任命権者の自由裁量である」
  というものである。
  ゆうメイトはいつでも自由に解雇しても構わないということになる。そして実際にこの制度を悪用した安易な解雇が全国の郵便局で多発している。
  権利を主張したり、ゆうパックを買わない者、茶髪・ピアス、些細なミスでの解雇等々。

  郵政には郵便事業を中心に一一万人のゆうメイトが存在するが、彼らはこのような不安定雇用制度のもと、日々雇用不安にさらされているのであり、「ゆうメイト裁判」とはこのような理不尽な制度に対する異議申し立てである。

  郵政の脱法、拡大解釈

  郵政によるとゆうメイトは一般職の現業国家公務員に属し、人事院規則、任用規定上では期限の定めのない非常勤職員という任用類型は存在しないから、期限付の非常勤職員であると主張している。

  自分勝手な解釈である。そもそも国家公務員法六〇条では六カ月を超えない任期での臨時的な任用が定められている。期限付の非常勤職員の存在はあり得ないはずである。ところがここから脱法的に拡大解釈が始まる。同法附則やら人事院規則を持ち出して、期限付任用も一般的には禁止されていないなどとして、従来定員法などの制約もあり十分な労働力が確保できない中での、限定された存在であった非常勤職員を一一万人も雇用しているしまつである。

  言っている事とやっている事がでたらめなのである。
  郵政の本音は低賃金でいつでも解雇出来る大量のゆうメイトを導入して、本務者を減員するということである。
  今やゆうメイトをはじめとした公務員非常勤職員の雇止問題は、均等待遇問題と合わせて社会問題になりつつある。
  労働弁護団、有期雇用ネットワーク、パート労働者の均等待遇をめざす議員連盟など立法化に向けた動きもある。公社化を日前にした今は大きなチャンスでもある。七つのゆうメイト裁判の交流も始まっている。冒頭紹介した弁護士の思いは、本来私たち労働組合への痛烈なメッセージである。ゆうメイト裁判を闘い抜く中から、正規・非正規を貫く大きな連帯のうねりを作り上げよう。

  (今村さんの不当解雇を撤回する会土屋)
 
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    【岡山】 非常勤実態アンケート調査から
     ゆうメイトは奴隷じゃない       
(02/10.10)
 
 


  全逓岡山支部第三集配分会では、全逓中国統一要求の一環として職員、非常勤職員を対象に九月初旬、実能テンケートをおこなった。
  設問は、労働条件などの一般的なものだが「局・職員への不満や意見」という非常勤職員への質問ではいくつかの特徴的な意見が寄せられたので紹介する。

  責任は公務員並、待遇はパイト

  「一部の職員は、ゆうメイトは雇ってやっているのだから、なにを言われようが文句を言うなと考えている。管理職は義務と責任はうるさく言うが、感謝やねぎらいの言葉はない。ゆうメイトは奴隷ではない」
  「ゆうメイトも生活のために仕事をしている。責任は公務員、しかし待遇はパートというのは納得できない。待遇改善を!」
  「職員同士の人間関係が悪く、しばしばトラブルが起きるが管理者は見て見ぬふり」
  「勤務時間前、休憩・休息時間に仕事をしている職員が多い」
  「区分台に私物を置くなと言うが、ロッカーのないゆうメイトはどうすればいいのか」
  「客に安心感を与えるため制服を着ろと言うが、シャツ一枚の支給では、毎日は着れない」
  「代金引換郵便の釣り銭を局が用意しないのはおかしい」

  一体感が持てる運動を

  配布、回収状況は、組合員(本務者)三四名に対し二七名の回収。
  非常勤職員一八名に対し、一二名の回収となっている。
  設問への記入以上に積極的に意見を記入する人は少ない。本務者は組合へのあきらめと、非常勤職員は本務者である分会役員への警戒から、なかなか本心を声にしないのが原因と思われる。非常勤職員からの回収率の低さからもうかがえる。要求内容は本務者の要求が優先される結果となってしまった。

  しかし、分会としては、今までの活動スタイル、例えば、職場集会等への参加がなくなった現状の中で、ごく一部の活動家の思いで要求がつくられ、多くの組合員のものになっていないという反省から今回のアンケートに取り組んだ。その点では一歩前進と考えている。
  やがて、要求は回答となって返ってくる。その時に、多くの労働者が「この要求は譲れない」という一体感が持てる運動に出来るように努力していきたい。
  この要求運動は短時間職員、非常勤職員の要求へと引き続いていく。

  尚、同じ岡山中央局非常勤職員池田幸司さんの裁判の判決は、当初の九月二四日の判決から一〇月一五日に延期された。
                                               (野口徹)

 
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 【東京貯金】 使い捨てられるゆうメイト
         部長表彰されても「来月から来なくていい」     
(02/10.10
)
 
    パート労働者が全労働者の二割を越えたという厚生労働省の調査結果が最近の新聞に出ていた。実際はそれ以上だろう。わが東京貯金事務センターではとっくに三割を超えた。常時四百人近いゆうメイトというパート労働者が存在し、彼女たち(統計どおりその殆どが中高年の女性である)なしでは目々の業務が回っていかない、ゆうメイトが
たよりの毎日なのだ。
 
 

  貯金事務センター再編(全国に二八ある貯金事務センターが十一に統廃合される)及び為替貯金総合機械化による大幅な減員計画の進行により、現在、東京貯金事務センターの定員は九百名を大幅に割っている。その減員数は十六年度までに約三三〇名、そしてその前倒しとしてこの二年間で一二六名が減員された。

  しかし、新端末機の導入開始は来年一月からである。仕事が減るどころか、これまで長年積み重なっている要員不足、新規業務増加、受入数増加、そして現場の情況や受入数を無視して事業庁が一方的に押し付けてきた標準処理日程(これによってこれまで現場の職員が全体の仕事の流れに合わせて築き上げてきた最良の業務運行は
大幅に乱れ、午前中は仕事がなく、しかし超勤をしなければ処理日程が完了しないという情況まで生じた。)による事務繁忙は一年中解消されることがない。

  フルタイムのパート労働者あらわる

  そこでその前倒し減員の解消として、八時間ゆうメイトが登場した。フルタイムのパート労働者である。
  これまで、繁忙の解消として補助的な部分に配置されてきたパート労働者が、退職あるいは転勤した職員の穴埋めとして配置され職員が担当していた仕事を引き継ぐ。だから減員の前倒しによる一二六名の八時間ゆうメイトは勤
務時間も仕事内容も職員と変わらない。しかし低賃金でいつでも解雇される可能性のある不安定な労働条件におかれているという大きな違いがある。
  しかも減員が完了する十六年度には必要なくなるのだから、当局はそれまでに徐々に彼女たちを切り捨てていくという事になる。
  まさしく雇う側にとって都合のいい「身分としてのパート」労働者なのだ。

  その他に七時間ゆうメイトと五時間ゆうメイトが約二七〇名、その数は常に流動的だが三パターンの勤務時間のゆうメイトが常時存在している。それぞれに雇用予定期間は違っていても日々雇用で時給七六〇円前後という最低に近い賃金でいつでも使い捨てにされる状況にある事に変わりはない。

  無意味な「部長推賞」

  その不安定さの例として、五時間ゆうメイトには一ヶ月契約と十五日契約があり契約が切れる四・五日前(ひどい時は二日前)に次の契約について知らされる。突然に、来月はこなくていいと一方的に通告されるのだ。そしてまた突
然に「来月からきて下さい」と電話がかかってくる。その電話に出なければ次の契約はない。

  東京貯金事務センターには「部長推賞」というくだらない賞で時々職員を表彰しているのだが、今年一人のゆうメイトが表彰された。その人は当局から「来月はこなくていい」通告をされてショックを受けていたにもかかわらず、部長に「よくやってくれている」と表彰されて数日後には解雇された。
  表彰するくらいなら継続すればいいのに、「部長推賞」が何の価値もない事を職員だけでなくゆうメイトの問にまで証明しただけとなった。

  来月はどうなるのか分からないまま働いていて、実際多くのゆうメイトたちは「来月の予定が立てられない」とこぼしている。まして生活がかかっていればなおさら不安は大きい。更に、一ヶ月間同じ仕事をするとは限らないので仕事が変わるたびに荷物を持って事務センター内を転々とすることになる。
  すべてにおいて不安定なのである。

  パート労働者の使い捨てを許すな

  そして、事業庁は効率化を進めるためにもっと都合よくゆうメイトを使い捨てにしようと考えている。
  来年の一月から、今まで長野貯金事務センターが所管していた東京の定額貯金がいわゆるたすきがけ解消として東京に戻ってくる。当然その分増員となるはずが、それをまたゆうメイトで補充するというのだ。だが、ゆうメイトで対応すると言いながらその人数も明らかにはせず、それどころか突然当局は来年の三月まで雇用予定の七時間・八時間ゆうメイトたちに「十五年一月より新システム導入に伴い部・課の統廃合を行い要員の見直し減員を予定している。
その為、 一二月以後退職していただく事になるかもしれない」という通知をしてきた。全く詳しい事情がわからないまま一方的に通告されて殆どの人が動揺している。

  かつて、女性労働者の多くは「自分の都合のよい時間」(実は、家事・育児・介護という家族の都合なのだが)にあわせてパート労働を選択してきた。しかし現在は、雇用者側のいつでも解雇できる都合のよい労働力としてパート労働者が存在している。我が職場でもそれにもれることなく、しかも腹立たしいことに、平然とパート労働者を効率化に利用し使い捨てにしている雇用主は、国なのである。

  そして悲しいことに労働組合も我々も自分たちの雇用を守る事だけに必死で、彼女たちの不安を分かち合う場さえ持っていない。情けないことに共に働きながら彼女たちのおかれている情況に何もできないでいる。
  しかし、この問題に一刻も早く取り組まなければますます労働者は分断され闘う力を失ってしまうだろう。
                                             (山口けい)
 
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