全逓第57回大会特集 1/5
 
(03/06.19)
 
   
 
 
 

−郵政全協機関紙『奔流』No.96より−

全逓大会に参加されたみなさん!
労働組合の未来を取り返そう!

  首都東京で一六年ぶりに開催される今大会は、郵政公社発足後はじめての議決機関というだけでなく、全逓が名実ともに終焉を迎えるかどうかの瀬戸際に立たされた全国大会として内外から注目を浴びている。
  おりしも今日から同日程で全郵政も第三九回全国大会を開催する。公社発展のためには一つの労働組合として、先輩たちが築きあげてきた全逓の歴史に終止符を打ち、全郵政の軍門に下るしかないのか。
  三日間の討論に全逓の未来がかかっている。


  合併への地ならし ― アクションプラン

  大会の一カ月前、郵政公社は「アクションプラン」を発表した。 中期経営目標(四年間)の減員予定を六千人も上積みする、二年間で一万七千人削減を骨子とした大リストラ計画である。
  生田総裁は計画発表の前々日、全逓と全郵政労組の代表を招き(両労組同席の初の『プレ労使懇話会』)この趣旨説明と協力を要請するとともに、「公社で二つの組合に同じ説明をするのは大きなムダである」と公社発展のためにも合併がぜひ必要と懇願したという。
  全逓は過去の効率化施策に最大限協力したことを強調しながら、「聖域なき改革が不徹底であり痛みのシェアができてない。現時点では新たな効率化施策は容認できない」と表明、アクションプラン総体に対しての判断は本全国大会で行うとした。
  しかし、今後各地方、郵便局段階での労使懇話会と職員周知を行うことは了承、すでに地方段階でもこの三者(公社・全逓・全郵政)同席による労使懇話会が開催されている。
  生田総裁はこの懇話会について、「先週は全逓、全郵政組合の代表の方々と話し合い、公式の返答ではないが、みんなで痛みを分かち合うという格好であれば前向きに考えたいという気持ちを伝えていただいた」と感想を述べている(五月二四日全特総会でのあいさつ)。
  いくら幹部たちが否定しようとも、労組統合への地ならしは着々と進んでいるのだ。アクションプランに掲げられている「公社の基盤となる労使関係の確立」「良い公社を創造するとの共通理念の下に健全な労使関係の推進」はまさにそのことを指している。
  「時は今」の掛け声のもと、「贅肉を落とした」「より生産性の高いスリムな体制への移行」をすると宣言した郵政公社に全面協力する一大御用労組の完成である。

  全郵政議案書から消えた、「全逓を凌駕」

  昨年、大会直前に「統合を協議」と新聞報道され、あわてて「全逓との統合はありえない」と全面否定した全郵政だが、今年の大会議案書には毎年躍っていた「全逓を凌駕」という文字が消え、「全逓」という言葉さえ見当たらなくなった。
  全郵政は今年度初めて組織人数が前年度割れ(約一二〇〇人の純減)し、悲願であった「一〇万人組織」達成も遠のき、今大会では「組織率を中心に運動を組みたて当面四〇%達成(三月現在三五・5%)」をめざすと苦肉の方向転換を余儀なくされた。 
  その拡大行動の対象は「二万人余の未加入者対策を最重点に」取り組むとしている。その理由として「公社の健全運営とそれに基づく雇用確保のための受益者負担をしていない阻害要因を排除する」ためと述べている。
  裏を返せば、全逓は「受益者負担」をし「公社の健全運営と雇用確保」に努力しているというわけだ。アクションプランでも強調され全郵政が錦の御旗のように唱えていた「生産性向上」についても、かつて大闘争を組んで反対した全逓は基本的に受け入れており、もう理念的には何の障害もないといえる。
  そうは言っても、「忌まわしい過去」を水に流し、未来志向に転換するのはそう容易なことではない。ポスト(天下りも含めて)、財政(会館、闘争資金等)、組織(地方本部、支部組織)、共済(互助会・弘済会・郵政共済・組合共済統合)、等高いハードルはいくつもある。しかし、そこは公社の非常時、「大局的見地に立ち」(全郵政議案書・組織拡大対策)踏み出すしかないのである。
 
  会館問題の反省忘れ「財政一元化」「本部権限強化」

  一方の全逓はといえば、「ニューユニオン構想」をお蔵入りさせ、「公社時代のパワーアップ(組織拡大)」行動展開に向け、「組織・財政の改革」を行い「総合的なセーフティーネットの構築」を行うとしているが、中身はまるでなく、結論は中央集権・官僚化をより進めるということに尽きる。
  曰く、「本部の権限強化」「財政の一元化」「組織の一体性と運動の統一性」と、かつて本部が会館問題の再演防止のために行った財政・組織の地方への分権化を逆戻りさせようとするのだ。
  全郵政との統合をにらんで、組織・財政面から地方の権限を奪い、中央への忠誠を誓わせるのである。

  全逓の築いてきた時短闘争に泥を塗る「勤務時間延長」合意

  後戻りするのは、組織・財政だけではない。先輩たちが長い闘いのすえ一歩ずつかちとってきた権利さえも捨て去ろうとしているのだ。
  本部は今年一月提示の「勤務時間見直し三施策」(本務者への深夜勤指定・新夜勤回数制限の廃止・特例休息の廃止)という夜間労働拡大と労働時間延長の大合理化施策を認める基本スタンスを明らかにした。
  本部は、「公社は郵便事業の財政事情下で、『カット時短』『特例休息』は対外的に説明できない、との強硬な姿勢を崩していません」と言い訳して、結局「カット時短・特例休息を整理した内容に基づき、それに見合った手当の改善を検討します」と、権利を金で売り渡すという先輩たちが築きあげてきた時短闘争の輝かしい歴史に泥を塗る魂胆である。
  郵便内務労働者の命と健康をいくばくかの手当と引き換えにする労働組合。権利は獲得するのは長い年月を要するが、無くすのはいたって簡単。また回復するというのは極めて困難である。全郵政でさえ「年間の総労働時間一八〇〇時間達成」を議案書に掲げているのに、全逓の議案書には「時短」の文字さえ無くなっているのだ。

  「総労働力管理」移行の罠

  こうした流れの延長上に「総労働力管理」移行がある。
  これは「公社」となり「定員」の概念が無くなったとして、従来の「本務者」「非常勤」「超勤」等の厳格な個別的労働力管理から、これらを「総労働力」として効率的に管理・運用するというもの。郵便局ごとに年間総人件費を定め、局長の裁量で本務者削減、非常勤採用、超勤発令等を行おうというもので、従来効率化施策ごとに上局から各局に提示される数名単位の減員というやり方を改め、あらかじめ決められた総労働力費用の枠内で自律的に効率化を行う。いわばプロフィット構想の終着点、トヨタ生産方式を模倣した「JP方式」の基礎となる究極のコスト削減策といえる。
  予想される事態は、「コスト高」の中高齢者への肩たたき、ゆうメイトの雇い止め、サービス残業の強要だ。これが「働く喜びのある公社」の未来予想図である。

  すべて失敗−総合担務、新集配システム

  全逓が「失敗は許されない施策」と豪語して試行が始まった「新集配システム」だが、早くも現場管理者からも「失敗だ」という声が出ている。
  受箱配達専門となるゆうメイトが各局で次々と退職し、誤配や不着の苦情が殺到、対面配達(書留・速達等)もままならず、本来ならアップするはずの営業成績も上がらないのだ。これでは、高額の「非効率化」機械を導入し赤字を増やした新郵便処理システムの二の舞いである。
  「真っ向サービス」とはうらはらに机上の計算でコスト削減だけを考えて導入するシステムは、郵便の品質低下を加速するばかりだ。「一軒の家に外務員が三度も来るのは非効率」と三事業一体で始めた特定局(小規模普通局)の総合担務方式も破綻している。
  「全逓の提案を受け入れた」とする各施策がことごとく失敗しても、何の総括もせず組合幹部は誰も責任を取らないのだ。

  本工主義まるだしの非常勤方針

  全逓は一九六〇年代に「非常勤本務化闘争」を行い、一万人以上の非常勤の定員化に成功した歴史がある。ところが今はどうであろうか。人件費削減という至上命令の下、非常勤の大量導入と正規職員の大幅な削減を容認しているのだ。
  日々雇用で賃金は五分の一程度という差別雇用に手をつけず、多発する解雇問題にも全く取り組まない。「積極的な組織化を推進する」と述べながら、具体的には「組織化の形態や権利・義務の在り方」を確立してから、「本格的な取り組みは第五八回(二〇〇四年)以降」と事実上先延ばししている。
  また形態としては「独立したパートユニオン(仮称)の結成」をめざすという。義務(組合費)が低い分、権利(役員立候補等)も制限しようという本工主義まるだしの差別扱いを労働組合も行おうとしているのだ。

  聖域だらけの郵政改革、 まず全逓幹部の天下り中止を

  アクションプランは「構造的な赤字体質の改革」と言いながら、その端的な例である特定局制度や天下りについては全く触れない、「聖域ある改革」となっている。
  なぜ公社社員の中で特定局長だけが「不転勤・選考任用・局舎提供」(特定局制度の三本柱)という特権を維持できるのか。なぜ同じ社員でありながら幹部には天下りのポストが自動的に用意されているのか。
  旧弊打破といくら口で言っても、政権党と密接に結び付いた郵政族―そのおこぼれに群がる「野党」・労組幹部―郵政ファミリー企業群の癒着を断ち切らない限り、結局「改革」の痛みは、弱い現場組合員と郵便局利用者だけに押し付けられる運命が待っているのだ。
  まず、隗より始めよ。全逓のプロ専従が堂々と行っている郵政ファミリー企業(日逓・郵政弘済会・郵政互助会等)への天下りをただちに中止すべきである。同時に公社となった以上、離籍専従制度も廃止すべきだ。雇用不安もない高給取りのサラリーマン専従はいらない。
  本部は成果が上がらない組織拡大運動の現実について、「各機関役員の率直な反省と自らの意識と行動を深く掘り下げる必要があります」と述べ、下部役員にその責任をなすりつけるという厚顔無恥ぶりをみせている。組合への求心力が無くなった原因を個人の「意識と行動」に矮小化し、公社なみの決意主義を求めようとしている。
  組合離れの真の原因は、四・二八免職者切り捨てに象徴される、労働組合として「やってはならないこと」を行い、今回の「時短放棄」に見られるように「守るべきものを守らない」という労働組合の原則を忘れた本部の姿勢にほかならない。
  現場で汗して働く組合員のためではなく、公社の忠犬として組合員の命と健康、雇用を売り渡す御用幹部の本質を組合員は見抜いているのだ。

  大会参加のみなさん。全郵政との合併=翼賛労組の完成を阻止し、郵政公社の大リストラと断固闘う方針を本全逓大会で打ち立てよう!

「連帯」と「団結」の原点を取り戻そう
労働組合を組合員の手に!

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