新生か自滅か
  空前の大合理化郵便新生ビジョン出る   (01/5.12)
 
 郵政事業庁の足立盛二郎長官は四月一〇日、公社化に向けて今後の郵便事業のあり方や将来展望についての新たな考え方を「郵便事業新生ビジョン(案)」として発表した。これは昨年末から郵政事業庁、総務省郵政企画管理局と全逓、全郵政、全特の幹部たち(新生懇)の間で協議されていたもので、郵便事業赤字構造からの脱却をめざす「聖域のない改革」という名の大合理化案である。
 正式発表前の三月末に各労組に提示された新生ビジョンの関係資料はA4版1〇〇ページを超える膨大なもので内容は多岐に及ぶ。今回はその概略を紹介し、いくつかの問題点を取り上げる。 
                                         (編集部)
 
 


 おりしも政治の舞台では、郵政民営化の旗手小泉純一郎氏が自民党総裁選で地滑り的勝利をもぎとるという激動の風が吹く中、郵便事業の「改革」を前面に押し出した今回の新生ビジョンがはたして実効性のあるものとなるのか、あるいは膨大な作文に終わるのか不確定要素は多い。
 だが、「新生懇」の中で四者は、「郵便事業の抜本改革は先送りできない課題であり労使共同作業で推進する」という基本合意のもとで、「全てのタブーを排して、全体が痛みを分かち合う」ことを固く誓い合っている。

 全逓は新生ビジョンについて、「これまでにない踏み込んだ企画管理局・事業庁の姿勢」を高く評価し、具体的施策では「従来発想からの脱却」「コストを重視した経営管理」「集配ネットワークを最大の財産と再確認」するなど全逓の主張を受け入れたものと判断して、基本合意した。
 全逓本部は三月二九日に「新生ビジョン」を支部段階に周知したが、「ビジョンに添付されている『具体的施策案』のみがひとり歩きし誤解を生じかねないので」と、その反響の大きさに四月二日あらためて「見解」を追加周知した。
 日く「新生ビジョンは郵便事業の将来を切り開いていくための端緒であり、今後とも共同作業は継続され、より完成度を高めていく」「具体的施策案は平成一三年度から一七年度までの五ヵ年で実施を予定している」「平成十三年度実施計画については三月末提示で示されたものの、平成一四年度以降の計画は、今後とも労使協議を重ねる中で具体化していくものである」として、要員政策については本部内に「労働力構成のあり方検討委員会(仮称)」を設置して検討を急ぐとした。
 だが、すでに支部,単局段階で労使懇話会が始められ、当局サイドでも四月下旬から職員周知(「事業庁長官メッセージ」「簡略版ビジョン」配布と業務研究会)が行われて、「聖域のない改革」への意識づくりが急ピッチで進められようとしており、その第一弾としての「三月末提示」合理化も実施されようとしている。

 足立盛二郎長官は「郵政事業の明日を担う皆さんへ」と題したビジョンへのメッセージの中で「自らの意識改革が必要です」と述べた後、「これらの施策の中には、大変厳しいものもあると思います。しかし、先送りはできません」と決意表明し「今苦しくても、我慢して乗り切れば、明るい将来展望が必ずひらけると確信しています」と述べる。そして最後に「今回のビジョンはこれで完成というものではありません」「皆さんの知恵を広く集めてこのビジョンをさらに完成させていきたいと念じています。その意味で表紙のタイトルは(案)を残したままにしておきます」と結んでいる。

  新生ビジョンの構成

 長大な「ビジョン案」は、まず「郵便事業を取り巻く環境」について現状認識を展開、次に「郵便事業が進むべき方向」を述べ、最後に「戦略上の重点について具体的に展開するという構成になっている。
 全体のボリュームでは、やはり最後の戦略に重点が置かれ四分の三を占めている。つまり、これまでの取り組みの反省、総括はおろか、現状認識についても真の赤字原因に迫る掘り下げもなく、「郵便事業の強み」を楽観的に強調する表面的な内容なのである。
 すなわち、民間宅配事業者との競争、IT革命などをあげ「郵便事業はもはや安定した需要の上に成り立つ事業とは言えなくなっ」たと現状を認識するものの、世界の物流業界が飛躍している例を出し、結論としては「環境変化を単に危機の到来ととらえるのではなく、ビジネスチャンスへと転化させていくことが必要」と理念を述べるのである。

 また、厳しい財政状況を披露するが、その赤字原因としては、直接的には「景気の低迷」「競争激化」「消費税の料金不転嫁」をあげ、構造的要因としては「顧客が求める多様なニーズに対応したサービス改善をスピーディーに行うことができず」「全国一律的な事業運営の下で経営資源の再配分が十分に進まず非効率な部分が残っている」としか分析していない。長年の郵便事業に寄生し食いものにしてきた天下り法人・企業との癒着については一切触れようとしないのだ。
 そして、「郵便事業の強み」として、「一三〇年の伝統に支えられているだけでなく、高いサービス品質を保っており、国民・利用者からも高い信頼を得ています」と自画自賛しているのである。

  確信が持てなければ施策中止も

 次に「郵便事業が進むべき方向」として、「独立採算の下、国営事業として国民生活のインフラである郵便ネットワークを維持しユニバーサルサービスの提供という使命を果た」すために、組織、経営、人事などの全般を見直し、「競争と不確実性を前提としたスピードある事業経営への転換」を図るとした。

 ビジョンではその基本的な考え方として、 @顧客志向の経営への転換  A現場志向の柔軟な組織  B予算主義から決算主義へ  C黒字体質への転換  D総合的戦略に基づく経営、の五点について強調している。
 @の顧客志向とは、市場が求める価格で商品・サービスを提供できるように、コストを切り詰め、仕事の仕方を見直すというもの。
 Aの現場志向とは、組織運営を従来のような上意下達のピラミッド形ではなく現場が判断材料と権限をもち結果に対して責任をもつ組織に変えていくというもの。
 Bの決算主義とは、より少ない費用で大きな成果をあげるため、施策実施の段階で費用対効果を判断し、その確信が持てなければ施策を中止する姿勢が必要と述べる。
 Cの黒字体質への転換では、効率化・合理化の早期推進により財務体力を回復し、値下げや先行投資を行い利用の拡大をはかるというもの。
 Dの総合的戦略とは、個別の施策を必要に迫られて対症療法的に打ち出すのではなく、様々なパートナーと連携しながら、体系立った戦略経営を行うというものである。
 
 以上の考え方に基づいて、「戦略上の重点」として、 @事業所差し出しの拡大  A個人差し出しの拡大  B価格競争力の向上  C国際郵便の向上  DIT活用の郵便サービス展開をあげ、それぞれの分野における現状分析と対策を述べている。                            クリックで拡大
 つづいての戦略として、「輸送ネットワークのグレードアップ」「トータルマンパワーの高揚」「財務体質の改革」「品質管理の徹底」「経営管理の高度化」が展開されている。
 ここまでは一般職員周知の中身であるが、「管理者止まり・支部役員止まり」と記載された「具体的施策案」には、以上の戦略に基づいたさらに具体的な施策概要が書かれている。
 その施策内容は多岐にわたり項目数は九七に達する。誌面の関係があるのでここでは特に重要と思われるいくつかの施策を紹介する。

  具体的施策の中身

・選択的料金制
  大口利用者に郵便局の業務を肩代わりしてもらう度合いに応じて料金を割り引く
・直行便輸送
  大口事業者施設から配達局・区分局への直行便輸送
・郵便トータルサービス
  倉庫業者、発送代行業者との提携により、倉庫契約、在庫管理、データ管理、梱包作業、配送業務等の物流業務を引き受ける
・セールスドライバーの試行
  大都市で、営業・配達,集荷を行うセールスドライバーを配置
・大型郵便物の機械処理の促進
  大型郵便物用区分機の全国配備(現在二局で試行)によりコストダウン
・国際郵便の効率化
  国際郵便交換局における非常勤活用、航空輸送への競争契約導入
・地域区分局の整理統合
  設置場所をインターチェンジ付近等の自動車アクセスの良い所へ立地、統合・再編を行う
・集配処理エリアの設定
  差立集中、道順組立集中を行う集中処理エリア(原則半径一〇キロ圏)を設定、要員の効率化
・運送便の全国的見直し
  速達輸送、首都圏小包便、航空搭載基準、全国的運送便の見直し
・ビジネス地域での午前中配達
  短時間職員等を活用してビジネス地域における通常郵便物の午前中配達を行う
・機械による道順組立率の向上
  区分機の道順組立率を高め、指定区分口なしの割合を一・六%以下に抑える
・外務職員の情報装備
  引受・配達情報入力の迅速化のため携帯端末機を外務員に装備
・郵便区調整の推進
  都市周辺以外の地域についても郵便区調整を行う
・夜間再配達の見直し
  初回配達で不在通知書を差し入れ、午後四時頃までに当日の再配達依頼があったものについて再配達とする
・郵便ネットワークのオープン化
  様々なパートナーとの連携による共同配送の実施、配達ネットワークのオープン化
・能力・実績に見合った給与体系 構築
  年功要素のウェイトを抑えた給与・手当体系を構築
・多面評価制度の導入
  上司、部下、同僚等の様々な視点で評価するシステムの導入
・集配局内務事務への非常勤活用
  集配局内務作業のうち区分、搬送・窓口事務を中心に非常勤を活用
・無集配特定局の要員配置の見直し
  郵便事業定員を一・0人以上配置している無集配特定局での長期非常勤、短時間職員の活用
・郵便外務の局内作業方法の見直し
  米国方式を参考にした効率的な道順組立方法を導入
・要員算出標準の見直し
  本務者・非常勤等の就業形態に応じた職務分担を明確にし、要員配置の見直しを行う
・業務専門局の部外委託
  東京小包局、大阪小包局、羽田局に関し、小包や輸送容器の継越業務の部外委託
・第五次管理定員減員計画
  本省・郵政局等の管理定員について、共通部門一五%、事業部門一〇%、研修所、医療関係一五%を削減
・共通定員の削減
  平成一二・一三年度で二〇四人削減、一四年度以降は共通定員の非常勤化を検討
・普通局副局長の削減
  平成一三年度一八人減、配置基準を見直す
・共通事務センターの課長の削減
  一一センター二三課長を削減
・本省、郵政局の係の削減
  公社化までに相当数を削減
・給与・手当の見直し
  郵内外加算額、重労務手当、機動車運転手当の廃止、年繁手当の見直し、郵便セールスリーダー手当の創設
・勤務時間の見直し
  始終業時刻六時〜二二時を五時〜二三時に、本務者への深夜勤の指定、新夜勤回数制限の撤廃、特例休息等の縮小・廃止
・特定局借料の見直し
  地価下落に対応した特定局借料の抑制
・専自・航空運送等の競争契約化
  随意契約となっていた専自・航空運送委託契約を競争契約とする
・ITサービスの提供基盤となる設備、システムの拡充
  現在のPOSTONSセンターに変わる新たなセンター検討

  初めに減員ありき

 これらの具体的施策は、あくまでも「案」であるとしているが、内容はこれまでの郵政省時代の郵便合理化計画と比べて、その規模、質ともに一線を画すものとなっている。
 足立事業庁長官が、郵便事業は「第三の創業期」ともいうべき大変革期にさしかかっていると新生ビジョン冒頭に述べていることに見られるように、郵政事業庁としては重大な決意でこの施策を打ち出したことは間違いない。付属資料に「郵便事業中期財政見通し」というグラフを示して、「財政構造改革なし」の場合には二〇〇三年度に郵便収支の累積は赤字に転落し七二七億円の赤字、二〇〇四年度はさらに一四九五億円、二〇〇五年度には二三六五億円の累積赤字に達すると試算している。
 一方「財政構造改革実施」では、郵便への民間参入が実施される二〇〇三年度は単年度欠損で五三〇億円を計上するものの、二〇〇四年度には黒字基調となり二〇〇五年度には累積里等が二七三億円になるというバラ色の試算を行っている。数字的根拠もない、危機感を煽るだけの机上の試算である。

 長官が「案」というだけあって、このビジョンはコスト削減に向けた総花的項目を羅列した感は否めない。確かに、「費用対効果」を強調しコスト意識を持たせようということは理解できるが、遅きに失したというそしりは免れないだろう。
 一方、「通区率の向上は外務員が自信を持って働く上での財産であるとともに、郵便局にとっても最大の財産であり、人事異動等においても、これを損なうことがないよう配慮していくことが必要です」と人事交流施策の中止を示唆していることは注目される。
 また、郵便商品やサービスの見直し、廃止にまで言及していることは従来の「一旦実施した施策はやめない」という官僚意識の変化と見ることもできよう。

 しかしながら、ポスタルサービスセンター等の郵便事業の赤字を増殖する天下り法人の存在には手をつけず、権益を温存したままの改革で郵便事業の黒字体質への転換が図れるか疑問である。また、上意下達の組織から現場重視、権限委譲を掲げるが、はたして旧来の管理者の意識改革が一気に進むとはとても思われない。

 具体的施策は多岐にわたるが、セールスドライバー導入や運送便見直し、郵便ネットワーク共有化などは提携協議が進む日通グループとの全面的な相互乗り入れを想定したものである。郵便全分野に及ぶ大胆な改革案が硬直した旧体制の下で実行できるか、その実現性を危ぶむ声も聞こえてくる。

 「聖域のない改革」を謳う新生ビジョンであるが、結局のところ「お客様第一」とは裏腹にサービス切り下げ、「現場志向」より現場切り捨てという内容となっている。「初めに減員ありき」「郵便事業縮小再生産」というコスト削減第一の郵便自滅案と言える。

 
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 [九州] 「パワーアップ期待職員」指定 
            −調書備考欄には組合役職名も−    
(01/6.15)
   九州郵政局は四月から「パワーアップ期待職員」なる新たな労務対策を始めた。
 すでに管内職員に対し局長名による「指定通知書」の交付が行われ、「実績向上、意識改革」をめざした管理者による「計画的な個別対話・指導」が一年間行われる。
 公社化を前に、意識改革を前面に押し出した露骨な職員分断攻撃が九州郵政局から開始されたのである。以下、郵政局人事部管理課発出の文書の抜粋を掲載する。
 
 

一 件名
 「パワーアップ期待職員」について

二 趣旨
 各局において、営業活動の推進や正常な業務運行の確保及びお客さまへの高品質なサービスの提供等について、意識・能力の向上を図る必要のある職員(以下、「パワーアップ期待職員」という)を個別に把握するとともに、郵便局と郵政局が一体となって、該当の「パワーアップ期待職員」に対して実績向上、意識改革といった個別指導等の職員管理を行い、事業の経営基盤の強化・改善を図ることとする。

三 対象者
 (1)所属長が、次の項目のいずれかに該当する職          クリックで拡大
員を「『パワーアップ期待職員』候補者」としてリストアップする。
  ア. 営業成績が著しく不振な職員  イ. 作業能率が著しく低い職員、あるいは事故やお客さまとのトラブルを多発している職員  ウ. 省の施策に非協力な具体的能様等がある職員  エ. 上記ア〜ウに類似するような改善向上を必要とする具体的理由が明確な職員 (保険の不適正な販売態様がある職員を含む)
 注 : リストアップに際し、上記ア及びイの項目につい
   ては、新規採用職員、他局からの配置換え、あ
   るいは担務変更(単独局に限る)後、一年未満
   程度の職員は対象外とする。

四 具体的取組
 (1)  「パワーアップ期待職員」の指定
  ア 郵便局からの「『パワーアップ期待職員』候補者」の報告に基づき、郵政局と郵便局が協議の上、指定する。
  イ 年度指定とし、対象期間は平成十三年四月一日から一年間とする。
  ウ 指定した職員に対しては、「パワーアップ期待職員」に指定されたことを文書で通知するとともに、具体的な改善・向上到達目標を示す予定。
 (2) 個別対話・指導の推進と進行管理の徹底
   「パワーアップ期待職員」に対しては、上記(1)、ウの具体的な改善・向上到達目標により、当該局の管理者による計画的な個別対話・指導を推進し、改善・向上状況の進行管理を徹底する。
 (3) 適正な人事評価・処遇の徹底
   新昇格制度や特別昇給制度において、業績や勤務態度等が適正に評価・反映されているか、あるいは定期昇給の欠格基準六の(1)の項に該当しないかをチェックする等し、適正な人事評価・処遇を行うように徹底する。また、どうしても改善が図られない職員については、分限処分を検討する。
 (4) 効果的な人事交流等の実施
   「パワーアップ期待職員」の改善・向上に寄与すると思われる場合は、人事交流による他局への配置換えや他事業への配置換えも検討する。

五 報告(定例報告)                 
 (1)報告用紙
   別紙2の1「『パワーアップ期待職員』候補者調書」
  なお、記載にあたっては別紙2の2の記入例を参考にし、基準に該当する具体的理由については、自局作成の資料を添付すれば記入不要とする。   (以下略)

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 破滅への道

 官僚の言うことに間違いはない。ただ黙って従えばいい。職員は批判とか、自主的判断とか、社会的常識等、一切持ち合わせてはいけない。行政の奴隷たれ!・・・上の文書はそう宣言している。
 官僚の昔からの願望を、こうまで露骨に文章化し施策化したものもあまりない。最後の手段というわけであろうが、まさに、事業を最終的に破壊した、究極の労務管理として郵便局の歴史に残るかもしれない。

 組織的な抵抗勢力はとうの昔に手なずけたはずなのに、あとからあとから湧いてでてくる『不良職員』はいったいどうしたものか・・・。官僚は不思議でならないらしい。もちろん私たちはその訳を良く知っている。
 官僚の施策は上から下におりてくるものだけだ。一応下からの報告を基に作られたものと官僚は言い訳をするのだろうが、報告は官僚の意図した枠をはみ出すものは上がらないことになっている。どんなに郵便物が滞留しようと、電話のベルが休まることがないほど苦情が殺到していようと、報告には毎日何事もなく完配し、一日の苦情の件数などは一々報告する書式などあるべくもない。
 官僚が計画し職場に下ろした施策は日常何事もなくうまく回っているのである。・・・報告上は。
 にもかかわらずなぜ突然とんでもない、考えられないような『事件』が頻発するのだ? 誤配?遅配?欠配?破損?そんなものは昔からあったろう。
 しかし、・・・他県の郵便物を誤配?それも何回も?・・・去年の郵便物を配達?それも何回も?・・・ファイバーに積み重ねたまま放置した?何ヶ月も?・・・原形をとどめない?毎日そんな郵便物が何通も?
 しかも、集荷をやらせれば伝票をごまかす。ダイレクトメールの営業をやらせれば業者と癒着して小遣いを稼ぐ。
 これじゃまるで官僚のやることを真似しているようなものじゃないか。

 官僚の施策は、職場に、嘘と事なかれ主義と功利主義を年々積み重ねてきた。実体を全く反映していない報告書を基に作成した施策を下ろし、誰がみても無理と分かる施策を基に現場でスケジュールを組む。それも現場管理者はなにも分からない(三年に一度異動するような者に現場を理解せよと言うのが無理な話だ)から結局職員にスケジュールを立てさせる。職員はいわば自らの墓穴を掘らされてきたのだ。
 無理と分かっていてもできますと嘘をつかなければ、不良職員の烙印を押される。官僚は上がってきた報告を基にした『可能な施策』を下ろしているのだから、それが回らないのは、一部の不良職員のせいだという以外に理由が見つからない。
 かくて、職場には、具体的な問題解決のための討議など一切封じられ、やれるはずだという精神主義が吹き荒れる。やれないのは全て不良職員のせい。
 どんなに良識ある職員も、かくて官僚の前ではすべからく、やれるはずだ、と言う精神主義をたたき込むべき不良職員なのだ。毎年毎年、不良職員を官僚自ら続々と大量生産してきたのである。

 事業を一直線に破壊させるべく、官僚の施策は悪循環を積み重ねている。
 ただ、とことんまで事業を破壊させながら、彼らは責任を取らされることがない。それどころかやりっ放しで逃げ出して、あろう事か破綻の責任を全て現場に押しつけようとするだろう。
 
 不良職員に留まることはない。官僚には反逆者として対峙しよう。いくら羊のように振る舞おうとも、もう明日には全ての責任を押しつけられてしまうことは目に見えているのだ。イの一番に尻に帆かけて逃げていくのは労使両官僚であることは、これまでの歴史を見ても明らかだろう。
                                       01/06.15(多田野 Dave)

 
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