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ペリカン便統合& 間接部門集約 で人減らし     (01.13)

連日のように大企業のリストラが報道される今年末、対照的にわが郵政職場では「人手が足りない」と悲鳴に似た声があがっている。「モノを作る生産現場じゃないから」と生産調整や派遣切りなど別世界の話と思っていたらとんでもない、大リストラはすでに急ピッチで進行しているのだ。

民営化以降、新規採用を大幅に抑え非正規化を推し進めている郵政グループ各社は、退職する非正規社員の後補充をせず実質的な人員削減をどんどん行っているのである。
  「派遣切り」のような一気のリストラはないものの、じわじわと足元で進行する人減らし、正確な人数は把握できないが今年だけで数千、数万人に及ぶのではないかと思われる。
  人員不足による影響は、連日ので人減らし残業や休日出勤となって現れ、「12月現在で未消化の計画年休が19日も残っている」(福島県の郵便事業支店)というような末期的な現場まで現出しているほどだ。
  JPSという名の人員削減策により全国の郵政職場は慢性的な欠員状況に陥り、綱渡り的な業務運行の下、当然のように各種事故が多発し、顧客サービスは低下する。

「中期経営計画」年内発表なし

いったい、郵政グループの要員政策はどうなっているのか、いやそれ以前に経営戦略はあるのか。
  日本一の民間企業グループと言われながらその経営方針は全く見えてこない。
  国際物流戦略が破綻し、国内中小口物流をペリカン便との統合会社に丸投げする郵便事業会社、未曾有の金融危機の下、来年度中の株式上場に迫られるゆう貯・かんぽの金融二社、危険な不動産事業に乗り出そうとする郵便局会社。
  民営化二年目に突入した郵政グループ各社の将来は五里霧中と言わざるをえない。

そんな中、まだかまだかと内外から待たれていた日本郵政グループの中長期的な経営方針「中期経営計画」の発表が、ついに来年に持ち越されることとなった。
  当初「19年度中に策定を終えるべきもの」(西川社長)としていた中期経営計画だが、その後表明した9月中の策定もさらに延期され、とうとう年内公表も消えてしまったのだ。

西川社長は、表向きは「日本通運との宅配便事業統合をはじめ詰めの作業が続いている」と延期理由を語ってはいるが、混乱する世界経済に加え、政権交代が囁かれる日本の政治状況などあまりにも不確定要素が多い国内外情勢を背景に、グループ各社間のあつれき、旧全特・旧郵政官僚との対立激化が計画策定を足踏みさせていることは間違いないだろう。
  もはや西川社長は「裸の王様」のようだ。

ペリカン統合で区分事務要員・集配要員削減

経営戦略が定まらない以上、できることと言えば安易な人件費削減となる。
  今回のペリカン便統合にともない、郵便事業会社では数千人の正規・非正規労働者の削減を計画している。

来年4月のブランド統合(ゆうパック・ペリカンに代わる新商品)以降、両組織の統合が進められ、各地のターミナルの再編(地域区分事務)、集配拠点の再編(集配メッシュの設定)が行われる。
  この区分事務要員、集配要員の再編にともない大量削減が予想されるのだ。

例えば東京では、同じ江東区にあるペリカン便の東京中央ターミナルと日本郵便の新東京支店が東京23区の区分事務を地域分け(都区内10~13地域は日本郵便、14~17地域は日通が差立・到着事務を担当)することになる。

こうした再編は全国で行われ、当然区分事務要員の削減が両社で行われる(人数は明らかにされていない)。

一方、JPEX直営地域(荷量が多い都市部)では、現行のペリカン便の集配店と郵便支店との地域分け(集配メッシュ設定)を行うこととなる。
  東京大田区を例にとれば、現行では郵便4支店と日通3センターが集荷を行っているが、これを町ごとの想定配達個数を基本にした集配メッシュ(区)設定に基づき分割する。例えば大田区では新メッシュ数は111区で、郵便が74区、日通が37区を受け持つこととなる。
  当然、現行の両社の配達要員は余剰となるため、ゆうパック・ペリカン便配達受託者の契約打ち切りが予想されるのだ。

間接部門集約、電話受付集約で大量削減

一方、これとは別に日本郵便は「電話受付窓口の集約」「間接部門の集約」と言う名の効率化を始めている。

現在の総務・郵便計画・集配計画を集約、新たに「業務企画室」を設置するとともに、従来各部署で対応していたお客様からの電話受付窓口を集約、支店内に新たに電話対応専門のコールセンターを設置するというもの。
  この集約により間接人員の大幅削減が年度内中に実施される(東京では730名の削減が提示)。

このような大量人減らしの真っ先の犠牲になるのが配達受託者や期間雇用労働者たちである。
  航路が定まらないまま荒海の中をつき進む民営郵政、難破しそうだと乗務員を次々と切り捨て、はたして沈没しない保証はあるのか。
  船頭を代えるか、あるいは戻って出直すか、その決断時期が民営二年目にして早くも訪れているようである。(編集部)