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JPEX完全統合二度目の延期     (02.03)
  ──問題は新会社での労働条件だ

1月23日、日本郵政、日本郵便、日本通運、及びJPEX四社による共同報道発表がなされた。
  その文書はすでに「宅配事業の統合に関するお知らせ」として日本郵便のホームページに上がっている。
  当初去年10月にも統合会社JPEXとして出発する予定だったのが本年4月に延期となり、さらに今回の発表によると完全統合はさらに10月に先延ばしされている。マスコミ報道によるとシステム統合の遅れが原因とされているが具体的な内容は分からない。

すでにJPEX会社自体は昨年6月2日には資本金3億円で正式に設立され、会長に日本郵政から、社長には日本通運からの役員が就任している。しかし従業員わずか18名、現在まで具体的な事業は行っていないのでいわばペーパーカンパニーのような状態が続いてきた。
  今回の発表ではとりあえず4月から事業体としての体裁を整え株式も33万4千株を発行するとしている。

具体的には9月末までは現在のペリカン便が先行してJPEX傘下に入り、一部日本通運、日本郵便にそれぞれに業務委託。
  ゆうパックはこれまで通り9月末日までの形態で営業。料金に関してはゆうパックは変わらず、JPEX傘下のペリカン便だけは新料金を適用するという。
  事業所についてもこれまでの両社のそれを維持。5月末にもJPEXとしての新ブランド名を決めたいとしているが、それまでは両ブランド名はそのまま残ることになる。

そして10月までには完全統合となるわけだが、現場の職員にとって一番気にかかるのは新会社での労働条件であろう。
  会社側からは未だ具体的な提案がなされていないが、新会社に移管する職員の規模、及びその具体的な労働条件の提示は早急になされるべきである。

 宅配業者の労働条件

JPEXでの労働条件がどのようになるか、それは同業他社の労働条件を勘案すればある程度推測できるかも知れない。
  JPEXの完全統合後の宅配業界でのシェアはヤマト、佐川に次いで3位になるとされる。そのヤマト、佐川の労働条件の劣悪さはすでに有名である。長時間労働に休日出勤、盆正月がないのは同じだが加えて祝日もないという。以下ネットから拾ったいくつかを紹介したい。 

「退職金がほぼゼロに近い。時間のわりに給与が安い」「給料はほとんど歩合制です」「私の場合は残業50~100時間で25~30万程度でした」「時間も1日15時間前後の労働です」「労働時間もかなり長く、当然土日休みではないので、休日は一人です」 また佐川には「佐川ダッシュ」という言葉があるらしい。歩いて仕事をするなという意味らしい。

ネットを見るとこれでもかというほど劣悪な労働条件が垣間見えてくる。新会社が今後この二社に対して熾烈なシェア争いを仕掛けていくのは確実だろう。上記二社より優遇された労働条件が新会社に適用されるという希望的な観測は厳に戒めた方がいい。
  また期間雇用社員はどういう扱いになるか。民営化時、一度契約を切り再雇用という形を取っただけに、新会社でも同様になかば強制的な再雇用→その日から新会社の労働条件適用となるだろう。

ここまでは伝送便2月号に掲載した分だが、その後2チャンネルでの書き込み、またJP労組組第3回中央委員会の報告によって、JPEXでの具体的な労働条件がかなり見えてきた。
  2チャンネルの書き込みがどの程度信頼できるかは置くとしても、その内容がJP労組中央委での報告に重なるところを見ると、かなり信頼度は高いと思われる。
  以下、いくつか箇条書きに記してみたい。

1.労働時間・休日関係
  【年間所定労働時間】1,968時間→2,080時間
  【年間総労働時間】 2,208時間→2,320~2,680時間
  【年間休日】    119日(4週8休+祝日)→105日(4週8休)
             *祝日が休みという概念はなくなるらしい
  【年 休】    20日→10~20日(有効期限3年→2年)
  【病気休暇】  有給 → 無給
  そのほか正月休みや冬期休暇もなしに

2.給与関係
  ・歩合制度の導入 ─ 歩合40%・固定60%
  ・定期昇給制度の廃止
  ボーナス及び退職金については具体的には不明

3.出向について
  ・2年をワンクルー 更新あり 最高4年か
  出向者については「年次有給休暇、特別休暇等、給与・賞与については、郵便事業会社の就業規則を適用」するという。また共済組合については継続加入。

4.非正規労働者について
  JPEXではその呼称も変わるようだが、その労働条件は、主力の非正規労働者は完全歩合制に、そのほか時給制社員もと上記正社員以上に厳しいものになりそうだ。

以上、現在分かりうる範囲での情報。すでに各組合にはもう少し具体的な提案がすでに下りているのかも知れないが、詳細が明らかになるのはもう少し時間がかかりそうだ。

上記を見る限り、その労働条件はおそらく現状のペリカン便のそれと同様のものではないかと思われる。
  この4月から先行してその傘下に入るペリカン便の労働者にとっては会社の名前が変更になるだけでこれまで通りあまり変わらない働き方になるのかも知れない。

問題は事業会社の方だが、出向条件を見ると、果たしてこれで現場がうまく回るのかと思わざるを得ない。
  ようするに、現場では、郵政事業会社の社員よりはるかに劣悪な労働条件の正規・非正規労働者と、現在の事業会社の労働条件を適用された「恵まれた」労働者が、同じ職場で同じ仕事をすることになるのではないか?

とりあえずここは以上の指摘にとどめるに収める。
  詳細が明らかになり次第、また報告したい。

(多田野 Dave)