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「ひげ」を理由にパワーアップ研修     (04.01)
人権・人格、不利益の回復求め神戸地裁に提訴

私が郵便事業会社・灘支店(当時は灘郵便局)の郵便課に配転(2005年8月31日)されて3年半が経過しました。
  それまでは神戸貯金事務センターという郵便貯金の事務処理専門機関で「貯金の相続」や「年金・恩給の振替預入」などの業務に携わってきました。しかし、35年余を務めた神戸貯金事務センターも大阪貯金事務センターに統合され、要員協議によって灘郵便局の郵便課への配転(本人希望に反して)となりました。

 不当な人事評価

配転が決まって以降は、事務センターの管理者から「ひげを生やしておれば、郵便局が受け入れない」として連日にわたって「ひげを剃れ」「長髪をやめよ」と迫られましたが拒否しつづけました。
郵便職場に働く者の扱われ様の問題だ  そして、郵便課への配転直後から「身だしなみ基準」を守るよう迫られ、一方的に「私の改善計画書」なるものの提出を求められたり、すべての窓口関連業務から外されてきました。
  人事評価も70点以上(200点満点)になることはなく、毎年の業務精通手当の評価も「対象外」とされてきました。
  当時の堂湯郵便課長からは「今のままでは70以上を取ることはできない」と『宣言』され、2年連続「70点以下」ということで「パワーアップ研修」への参加も強要されました。

  しかし、「ひげ(20年以上も前から)」や「髪型(阪神大震災から)」は人間としての個性・人格そのものであり、これを一方的に否定し、会社の考え方を強要することはできないはずです。
  灘郵便局に配転されるまでは何の問題も生じておらず、当局側からの指摘や改善要請がされること一切ありませんでした。
  会社のいう「身だしなみ基準」では「ひげ」「髪型」「髪色」「装身具」「化粧」「靴下」「靴」などこと細かく決定されていますが、これは経営側の価値観をそこで働く者に一方的に押し付けるものに他なりません。そして、そのことによって働く者の人格・人権を否定し、差別的・恣意的なマイナス評価をすることは決して許されることではありません。

  こうした実態の改善を求めてJP労組・神戸東支部へ要請(2008年10月)し交渉しましたが、支店側の回答(同12月)はまったく誠意のあるものではなく、上部機関(近畿地方本部)での対応も前進のないままとなりました。

 人権回復のために提訴

このため、私の置かれている状況を明らかにして、人権・人格、不利益の回復を求め、神戸地方裁判所に提訴し、単に私個人の問題にとどまらず郵政職場に働くものが会社側からどのような不当な扱われ方をしているのか、評価制度のあり方などを問いただしたいと考え神戸地方裁判所に提訴しました。

会社は経済的・精神的損害賠償を行え  訴状の内容は、「2007年11月からカットされた職能調整額・月5400円の損害回復と精神的苦痛に対して150万円を支払うよう」求めるものです。代理人をお願いしたのは、大阪の森博行弁護士。森弁護士は大阪労働弁護団に所属され、これまでも郵政職場でのゆうメイト解雇事件や組合役員の強制配転事件などに携わってこられました。

  第一回目の期日は2月19日、午前10時から地裁204号法廷で行われました。
  当日は職場や地域から駆けつけた多くの仲間が傍聴席から見守る中で、原告訴状に対する会社側の答弁書の提出の経過を踏まえ、「会社側が減給および評価の根拠を示すこと」「原告側から精神的損害の根拠を示すこと」が確認され、次回の第二回期日を4月20日(月)午前10時から102号法廷(双方の日程が合わず、傍聴席は八席ほど)で開廷されることになりました。
森博行弁護士と当該の芝英機さん  裁判終了後は小倉さん(郵政ユニオン・灘支店)の司会で報告集会。森弁護士から「損害賠償額からして普通は裁判官一人だが、この裁判は三人に。裁判所も社会的問題と受け止めたと思う」との解説がされました。
  このあと中村さん(JP労組・大阪生野支店、「ひげ」による不利益に対して大阪人権擁護委員会が郵便事業会社に是正勧告した)、酒井さん(JP労組・大阪西支店、郵政職場の不当労働行為を正す会)、多留さん(JP労組・灘支店)、松枝さん(新社会党)から激励を受けました。

 「有志の会」結成へ

私の裁判闘争に対して、多くのみなさんから激励をいただいています。支援してくれる仲間、自分のことのように考えてくれる仲間がいることに心より感謝するとともに大きな勇気を与えられました。
公判日程  そして、「芝英機さんの裁判闘争を支援する有志の会」の結成に向けた準備が始まりました。職場や地域、組織を超えた多くのみなさんからの力を受けて、郵政職場の人権・人格問題とともにそこに働く者の扱われ様を問い質したいと思います。
  全国の郵政職場に働く仲間のみなさんにこの闘いを少しでも知っていただき、郵政職場の実態を問い直すことにつながればとこの原稿を書きました。みなさんのご支援をよろしくお願いいたします。

JP労組神戸東支部・灘分会 芝英機(郵便事業会社・灘支店・郵便課)