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偽りの看板「JPS」     (09.01)
2ネットついに廃止へ

郵政公社時代に始まった「2ネット方式」は「集配ネットワークの高度化」の名の下「1ネット方式」と「配達デポ方式」とともに試行が続けられてきた。
  「1ネット方式」は当初東京の荻窪局と芝局で行われたが、荻窪は早期に中止、芝局も当初の10時間勤務体制を大幅に縮小し、事実上の撤退となった。
  残る「2ネット方式」は当初配達を書留や速達など付加価値商品を扱う「対面配達」と通常郵便を扱う「受箱配達」に分け営業力を高めようというのがたて前だった。しかし、現実は営業成績は上がらず、当初の目的は机上の計算に終わっていた。
  今回JPEX・実施による「1ネット方式」廃止にともない「2ネット方式」も廃止に向かうのは時間の問題と見られてきた。
  そして関東支社は全国にさきがけ9月から廃止することとなった。

 2ネット廃止-集配区再編

無駄の上塗りJPSこの程、私の勤務する支店では現在行われている2ネットを廃止し、9月中旬から通常配達による書留並配を再開し、増区も含めて集配区の再編を実施するとしている。
  表向きは超勤予算の削減と「ムリ・ムラ・ムダ」を省き、効率的な配達のために作業量を均一化するというのが、実施の理由である。
  実際には「配達記録」廃止以降の書留物数の減少だけでなく、通常郵便物数の減少、さらにはJPEX発足に伴う小包減少や過員解消の問題などもあり、この集配区再編という効率化によって解決しようとしているのだ。

 まだあったのかJPS

このところ聞かなくなって久しい「JPS」だが、当初の「トヨタ方式」が拡大導入されたのは、作業ペースを示す進捗掲示板と立ち作業くらいだった。越谷支店のような実験的施策については拡大されることなく、机と椅子を撤去して、立ち作業を置き去りしたまま姿を消したかと思われた。それでも一部には、立ち作業すら導入されなかった支店もある。
  ところが「JPS」、名はそのままに効率化の合言葉としてゾンビの如く蘇っていた。
  そのゾンビは統括支店の「JPS推進室改善支援チーム」に集結し、「JPS要員」として、各支店に派遣されることになった。

  JPS要員は、最初の作業として全集配区の洗い出しから始めた。
  配達物数と要配件数、支店から集配区までの回送距離、および配達にかかる時間と距離である。
  さらに大区分と道順組立の時間の計測を行う。
  それに基づいた区分口一覧をエクセルで作表して、新たな集配区として実施するところまで来ている。
  作表を終えたJPS要員は次の支店に移動して、その支店の集配区再編の作業を着手しているところである。

 実際の再編作業

JPS要員はまず、集配課全員を集め再編の説明を始めた。次に現行の集配区の問題点を洗い出して、どの区が超勤が多いとか、距離や箇所数といったアンバランスを是正すると言っていた。
  しかし、JPS要員の中に再編となる集配区を実際に作業していた担当者は一人いたが、残り三人のJPS要員は集配区現地を回って見たわけでもなく、配達時間については現在の通区者が「少しは」意見できたものの、ほとんどは地図上で機械的に決めていった。

  私の勤務する支店は土地の起伏が多く、傾斜地(崖地)に住宅が密集しているような箇所もあり、一件配達することに階段を上がり降りしなければならない所が数多く存在する。そういった箇所への配慮はほとんど見られなかった。
  また、支店と配達地の移動(回送)距離が燃料と時間のムダと言うが、全ての配達区において回送をなくすことは不可能であり、配達区の調整において新たに遠隔地を引き受ける区では、現在より配達と移動距離が伸びると言う矛盾も起きている。

 急いで組み立てろ!

掲示してあるJPSニュースによると、道順組立に要する時間は一通あたり4.9秒であるとしている。朝のミーティングでも組立の「効率を上げるよう」にという。
  組立期間社員の勤務時間削減のために「生産性向上、急いで組み立てろ」というのだ。
  人間は往々にして「間違える」動物であるが、こんなことを押し進めるなら、見落としが増えて当然に誤配の山になるだろう。しかし、誤配したら個人の責任として追及や処分を受けるのだからたまったものではない。
  急いで作業することがヒューマンエラーを誘発する原因であることを理解するべきなのだ。

 施策の成否は

2ネット廃止についてJPS要員に聞いたところ、その担当者は「(2ネットは)意味ないですから」と反省もなくあっさり答えた。
  その「無意味」な仕事を私らは2年以上もやらされてきたのだ。にもかかわらず、施策失敗の責任も取らずに、あまりに呑気な言い方をしたので、私は思わず「謝れ!」と怒鳴りつけた。そのくらい不快に感じたのである。

この集配区再編に失敗しても、支社や作成したJPS要員は責任を取ることはないだろう。シワ寄せと施策の失敗は現場労働者が負わされるだけでなく、「現場が悪いから施策が進まない」などと言い出すのは明らかだ。

当初は鳴り物入りで導入されたJPSは単なる合理化の手段でしかなかった。「JPS」の看板はもはや偽りにまみれている。

 (報告:茨城通信員 横田)