トップへ

ゼロ者会議に出る     (11.02)
年賀状営業ノルマにもの申す

先日、わが支店で行われた「年賀はがき予約ゼロ者会議」に出席した。
  昨年は11月下旬に提出された「年賀販売ゼロ者」の看板が今年は9月中旬から「予約者ゼロ者」として登場した。集配課事務室の廊下付近に正・非社員で色分けされた氏名プレート(約15㎝×4㎝)が貼り出された。
 その頃から局舎内には「年賀はがき予約受付中」「目標必達」、「全員一丸、頑張ろう」のスローガンの横幕、ボスター、のぼりが昨年をはるかに上回る密度で登場する(すべてに掲出者氏名は記されていない)。
  壁という壁、エレベータ、一服の休息所であるトイレでも見上げれば「年賀」の文字が。これでマインドコントロールする気か、とあきれてしまう。

10月に入ると、「一日声かけ○○件!」というスローガンが掲出され、各自に「宣言書」が配布され、目標(正社員は7000枚)と決意表明を書いて提出するよう求められる。
  さらに毎日各自が何件声かけして、実績は何枚あったかを報告する「行動記録表」を提出するよう求めた。
  その頃から「ゼロ者」は徐々に減り続け、私も含め10数名となったころ、明日「ゼロ者会議があるようだ」と言われる(課長からではなく班員から)。

いよいよ来たかと当日を迎える。
  昼のミーティングで課長が「1時半から会議室でゼロ者会議をやります」と周知。私は仕事をきりあげて5分遅れで会議室のドアをたたく。
  中には支店長以下、各課課長、課長代理など幹部が居並び、その中に非正規社員が数名、結局正社員で出席したのは私一人となった。
  課長のあいさつのあと、「ゼロ者」から各自の現在までの取り組み状況と今後の取り組みについて発言を求められる。
  「お客さんからは、もう年賀状?、と言われなかなか予約は取れない」という率直な現状が吐露される。支店長からは、でも頑張ってほしいとありきたりなコメント。
  最後に私。

まずは、日本郵便の経営戦略(JPEX問題も出しながら)、年賀状頼みの営業方針の問題(少子高齢化の中、漸減傾向避けられない独占商品の年賀状に頼る営業戦略の転換)など大上段の話をしたあと、具体的な「戦術」の問題点を指摘。
  最初に、「声かけ営業は訪問販売法に抵触する」と発言する。
  一瞬、支店長の表情がこわばったのを私は見のがさなかった。
  訪問目的を偽ってドアを開けさせ、営業する今の「声かけ営業」については、すでにお客さんから「また年賀状?」と敬遠され、顧客離れを招くことになりかねないと指摘、「コンプライアンスの観点からも違法性の高い声かけ営業はできません」と言う。
  次に、所狭しと貼られている年賀スローガンについて、掲示板以外の場所に掲出者氏名もない掲示物を貼って競争をあおるやり方は社員のモチベーションを下げると指摘、最後にこのような形(ゼロ者会議)でしか、現場フロントの意見が出せない組織体制について発言して終えた。

しばしの沈黙のあと、支店長からしめくくりの「講評」。
  私の意見にはまともに答えることなく「厳しい現状はあるが、攻めて、攻めてでいくしかない」とお決まりのハッパ。
  司会者から閉会が宣言されたが、私は「先ほど問題について意見具申されるのですか」「局舎管理上でも問題のある掲示物については」とダメを押す。支店長は困ったような顔をして「何らかの形で反映するように・・・」と小さな声で大臣答弁。
  予定時間をだいぶ過ぎたようでみんな後に控えた仕事でそわそわ模様、これが潮時と私は不承不承会議室を後にすることに。

その翌日、日本郵政の西川社長の辞意表明があり、新社長内定も発表されたが、事務室内にはゼロ者掲示板はじめ、違法掲示物が居座り、ミーティングで「予約声かけ」が連呼される日常に変化は見られない。
  政権交代があろうが、経営トップがすげ変わろうが、経営形態が変わろうが、この現場模様は不変なのか。
  ただ中間管理者を筆頭に社員の士気は間違いなく減退し続けており、求心力の低下は目を覆うばかりである。
  閉塞感つよまる現場ではあるが、チェンジの声はあげ続けなければならない。 (東京A)