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市民のための市民による手作りの市民公聴会       (02.02)
松戸市民公聴会開催―議論伯仲

松戸市民公聴会

すでに「官製」公聴会としては「サービスについて意見を伺う会」として各地で4回ほど開催されていますが、今回は元松戸市議の吉野信次さんが主催する「市民自治をめざす1000人の会」のご協力を得て独自の市民公聴会を開きました。
共催は「郵政民営化を監視する市民ネットワーク」と郵政労働者ユニオン
1月31日(日)、会場となった松戸の「1000人の会」の事務所には27人が参集、和気あいあいと、かつ厳しく突っ込んだ意見交換をしてきました。

稲垣さんまず、民営化監視ネット代表の稲垣豊さんから、ネットが去年8月に提案した「郵政民営化の見直しと公共サービスの社会的確立を」というパンフを元に、市民のための民営化見直しのためにはという報告がされました。
  郵政事業は儲けを目的とする事業ではなく、公共サービスとして位置づけし直すべきだということ。郵便・貯金・保険事業はそれらを一体として提供することで効率的な公共サービスを提供することができる。
  経営形態は過渡的には政府全株持ち株の株式会社としつつも、将来は「市民公社」といった公共機関にしていくという展望をはっきりと打ち出すべきであると。
  郵政民営化の目的は貯・保資金を民間に流すということが目的とされたけれど、投機的なマネーゲームが破綻した今となってはそういう路線は間違いだとはっきり言うべき。
  庶民から集めた貯・保資金は庶民の為に活用することが大事で、特に疲弊する地方経済を活性化させる方向で資金活用すべきだろう。
  また事業をになう労働者も、きちんとした仕事ができるように正規・非正規間の格差をなくして生活できる労働条件を整えるべき。均等待遇こそが必要。

リーフレット次に郵政ユニオンの中村知明さんから、最近発行したばかりのリーフレットを元にユニオンとしての見直し論が紹介されました。
  民営化されてやっぱり地域に対するサービスはどんどん悪くなっていった。小泉政権の時には郵政問題が最大の政治課題として取り上げられたけど、本来みんなはあまり関心がなかったはず。ところが民営化路線に象徴される市場にすべてを任せればいいんだというような政治がはっきりと破綻して今回の政権交代に繋がったのだと思う。
  私たちは今政権が打ち出した「郵政改革の基本方針」にある、郵便局を格差を是正するための拠点とするという方針にそった、実のある民営化見直しを目指すべきだと思っています。そのためには経営形態に関係なくすべての事業にユニバーサルサービスを義務づけ、3事業一体としての公共サービスの確立を目指すべきだと。

意見交換が始まります。
  実は、いつも近くの郵便局を利用しているのだけど、正直言って民営化した後もあまり不便を感じたことはない。貯金も保険もいっしょに取り扱っているし。でも地方はそうでもないのでしょうか。
  都市部ではあまり実感できないことも、具体的に簡易郵便局の封鎖の問題や復活した局でも貯・保サービスは行っていないことなどを紹介し、やっぱり地方ではかなり不便を感じていることを紹介します。
  さらに事業が分割された弊害は各事業間の取引まで消費税などがかかり公社時代よりもコスト高になり効率的でなくなっていることなどが紹介されます。

今回初めて「1000人の会」を訪れたという方は、小泉選挙の際には郵政民営化に賛成する票を投じたのだけど確かにいいことは一つも聞かない。でもせめて一つでも民営化になって何かいいことはなかったのですか、という質問。
市民公聴会  う~ん、とうなった後にユニオンの仲間が応えます。ストライキができるようになったことかな(笑)。

市民公社とは他に具体例はあるのかとの質問。
  監視ネットの仲間からは、特に法律でそのような定めがあるものではありません。今のところ理念を提案しているだけに止まります。経営に関する情報をすべて公開にしてガラス張りにすることで、市民が直接経営に参画できるようなシステムができないものかと。官僚の利権を許さず、一部の民間資本への利益誘導も許さない、市民による市民のための公共サービス経営といった理念です。
  でも、ではどのような市民団体がその経営に参画できるのか、その選抜のしかたとかの課題は残るよねと。
  また、ワンストップサービスといって郵便局で各種の行政サービスが受けられるのはいいけど、今でさえ人手が圧倒的に足りないということなのに、それは現実的なのか。そもそもそれは行政サービスのリストラに手を貸すことにならないのか。
  貯・保資金の運用についても、国債を買わないとこの国は破産するし、地方に回すといってもその具体的な方法は?
  民間宅配便との競争の中で独立採算制としての郵便事業の財政的保障はきちんとできるのだろうか・・・。

議論は尽きず、みんなで頭を抱えこむことが多かったのですが、ここでは会としてのはっきりとした結論を出すことはせず、今後もこれを機会に市民のための公共サービスのあり方について議論していきましょうということに。

長時間にわたる意見交換会でしたが、郵政問題を通じてこの国の社会のあり方、地域のあり方までをもみんなであれもこれもと次々に語り合うことができ、楽しくも刺激的な時間を過ごすことができました。

ユニオンの仲間が語っていた次のような言葉が印象に残ります。
  「民主主義というのは時間がかかります。郵政民営化の見直し問題もこれからまだまだ紆余曲折があるでしょう。事態の進展に一喜一憂することなくじっくりと私たちの民主主義を育てていきましょう」。

監視ネットや郵政ユニオンはこのような市民公聴会を今後もいくつかの各地方に呼びかけています。
  私たちの民主主義を育てるために。

(多田野 Dave)