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労働情報誌3月16日号受話器から伝わる悲鳴を郵政本社に叩きつける (03.15)
本社前行動 郵政非正規労働者
   ―全国一斉電話労働相談を開催

(労働情報誌No.787 3月15日号より転載)

「働き始めてもう6年近くになります。郵便業務はもちろん、貯金も保険も扱います。窓口の業務はすべてこなしてきました。CS(カスタマーサービス)マスターも持っていますし様々なノルマもそつなくこなしてきたつもりです。
  つい最近は証券取り扱い資格試験の受験を勧められ準備を進めていました。先日はスキル評価結果と共に来月からの給与額が示された書類も頂き、いつものように契約更新だと思っていました。
  それが2月26日に突然雇い止め通知書を渡され、明日から3月いっぱい年休消化で休んでいいと。」
  なぜ私が雇い止めに、と受話器の向こうで声を詰まらせる。

労働相談ビラ憂鬱な季節だ。
  4月に契約更新を迎える郵政非正規社員にとって一月前の雇い止め通告期限が2月末に当たる。それらの相談に応じるためにこの2月末から4日間全国一斉電話労働相談日を設けた。主催はNPO法人郵政非正規センター「ゆい」と郵政ユニオン。
  相談件数は延べ47件。労働相談の紹介記事が朝日新聞に掲載されたのがようやく3日目ということもあって、件数としてはそれほどの数ではなかったが、相談の中身は深刻なものばかり。雇い止め事案以外にも様々な相談が寄せられた。

「4時間雇用で働いていました。それだけでは生活できないのでもう一つ仕事を掛け持ちしていました。
  JPEX(ゆうパック事業とペリカン便との統合会社)が設立されて、そちらに移れば8時間雇用になるし正社員になる道も開かれると課長から伝えられました。勧められるままに掛け持ちの仕事を辞めJPEXに移りました。
  健康保険証も頂けるというので楽しみにしていましたところ、一月ほどして突然退職願を出せと。JPEXは精算になるからと。再度郵仕事を保障しろ便局で雇用してもらえるはずだということでしたが、また4時間雇用では生活できません。
  不安を抱えたまま退職願を書いた翌日にJPEXの健康保険証が届きました。その日の内に返納命令がおりました。
  郵便局では戻るなら4時間雇用だと。みんなが働いているフロアーで課長からそれを伝えられたとき、私は大きな声で叫びました。涙声にみんなが聞き耳を立てていたと思います。子供もいるのにどう生活していけばいいのか分からないと。
  結果的には何とか8時間雇用にしてもらいましたが、出勤時間は毎日のように変わり仕事の内容も場当たり的な応援業務ばかり。
  しかも、また保険証が届かないのです。保険料の天引きだけはされているのに肝心の証書が届かないのです。事務作業が遅れているからの一点張りで・・・」。

 非正規社員は人件費調整の為だけの存在か

47件の相談の内雇い止め相談19件。評価制度に関する苦情6件、勤務時間削減・ノルマの強要等労働条件関係の相談8件、正社員登用制度への疑問・不満6件、パワハラ・いじめに関するもの2件、職場への不満4件、その他2件。
均等待遇を  やはり雇い止めの相談が突出して多い。理由書の提示もなく、「郵便事業の経営が厳しい」「人件費の節減が必要」などと口頭ですましている例がほとんど。雇い止めに関しては早急な対応が求められ、できうる限り労働組合への加入を勧め、その日の内から具体的な対応の算段を各地に要請する。

評価制度を含めて正社員登用制度への深刻な苦情も多かった。
  郵政の正社員登用制度は2段階に分かれる。時給制契約社員として2年以上の勤務実績とその時点で最高の評価を得ているものが月給制社員への受験資格を得られる。さらに月給制社員として優秀な成績を2年以上修めてようやく正社員への道が開かれる。
  今回の相談の中に、月給制社員から逆に時給制社員への契約替えが強行されたというものがあった。岡山二人広島一人、共に中国支社管内。当然正社員登用を目指していた契約社員だ。この制度が施行されて以来初めての事案。予想だにしなかった相談の一つだ。

人事評価結果がダウンしたという相談は日常的にも寄せられる。恣意的な評価というよりも、その支店の経営状況によって人件費を調整する手段として契約社員の人事評価が活用されている。時給制契約社員にとって評価がワンランク下がると月数万円もの賃金ダウンに繋がる。

 均等待遇と正社員化―スト権を背景に今年こそ

本社前共同行動労働相談最終日の翌3月4日、郵政非正規21万人の均等待遇と正社員化を求める10春闘共同行動が取り組まれた。郵政ユニオン、郵産労、郵政倉敷労組、JP労組有志、それに「非正規センターゆい」との共同による郵政本社前行動。
  郵政本社前には全国から駆けつけた非正規社員含めて200名近くが参集。非正規社員自ら宣伝カーに上り現場の切羽詰まった状況を訴える。4日間の労働相談内容の速報ビラも大量にまかれ、雇い止め糾弾のシュプレヒコールを上げる。

署名を手渡すこの日までに取り組んでいた均等待遇全国署名は2万5千235筆(去年は約1万6千筆強)を集約した。午後からは議員を含めての院内集会が予定され、そこで直接郵政本社の代表に手渡す算段。
  院内集会約50名ほどの部屋には、入りきれないほど多くの非正規社員が詰めかけた。非正規社員自らの手で郵政本社に署名の束を手渡す。
  署名にご協力頂いた全国の仲間の皆さんにはこの場を借りて心より御礼申し上げたい。

亀井静香郵政改革担当相、希望者は原則正社員に。2月3日は記者会見の場で、5日には衆院予算委員会で、そして9日と27日には、都内日本郵便赤坂支店と広島の中国支社で非正規社員を目の前にしてぶち上げる。
  よろしい。ならば私たちも側面援護をしよう。
  今春闘、郵政ユニオンと郵産労は共にスト権を確立し18日にも共同の戦術行使を予定している。非正規春闘、今年こそ正念場である。

多田野 Dave

(この記事は労働情報誌No787号に掲載されたものを編集部の好意により転載させて頂きました)

 均等待遇を