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ついにiPad、iPhoneも登場    (09.01)
配達原簿電子化を試行

急速に進むITT化の波は、労働集約型と言われた集配現場にも次々と押し寄せている。 いかに労働力を減らしてコストを削減するか、人力に依存するところが大きい集配作業においては、郵便事業会社は局内作業の効率化にずっと腐心してきた。
  そんななか、究極とも言える効率化施策を郵便会社は打ち出してきた。
  9月1日から試行される「配達原簿電子化」がそれである。試行実施支店は東京練馬区の光が丘支店、全国でただ一つの試行支店として選定された(実施期間は9月1日から10月30日までの60日間)。

内容は、従来使用していた配達原簿ファイルを無くし、A4サイズの端末機器(iPadを使用)に集約するというもの。
iPad  配達区域の住民、家族、同居人名と配達順路などを記録する配達原簿は、以前は手書きで原簿を作成していたが、1970年代後半から小型プラスチックに短冊と手書きの紙を差し込んだファイル形式に変更された。さらに郵政民営化後の2008年10月頃より配達総合情報システムによる印刷方式が採用され、短冊型から印刷された原簿へと変更された。
  転出・転入等の届け出データが当該集配支店センターに到着次第、原則即日更新理され、配達原簿の現行化につながっているというものの、その都度一枚の原簿をプリントアウトする手間と紙の無駄という指摘がされていた。

そこで打ち出されたのが今回のペーパーレス化を一番に掲げる原簿電子化である。
  従来の道順組立作業では、担当者は配達区の区分口に入っているA5サイズのファイル数枚を立てかけ、居住者の確認をしながら郵便物の並びたて作業を行って行っていたが、今回の電子化により、ファイルは一掃され、担当者はA4サイズのiPadを立てかけ、区分口、配達原簿番号を指でタッチし、次々とそこに写し出される各家、事業所名(一度に15件を表示)を確認しながら道順組立作業を行うというもの。

さらに脅威なのは、画面に出てくる居住者箇所には当日区分機処理された(2パス処理)配達予定箇所が自動的に表示され、転居者や不明者など原簿と相違する郵便物は色違いで表示されるのである。
  そして転居郵便物はその画面をタッチするだけで瞬時に転居シールが印字されるというもの。
  当面は定型外郵便物等の手区分郵便物は除外されるが、現在試行されている定型外郵便自動区分機が普及すればその情報も表示されるようになるだろう。

これにより担当者は、機械処理された郵便物の中から転居・不明郵便物をチェックして抜き出し、手区分郵便物と合わせ持ち出せばいいことになり、局内作業時間の大幅な短縮につながるという狙い。
  さらに今回の試行は局内だけにとどまらない。「支店外端末」として外務員に配達原簿情報を出力できるiPhoneのような小型端末器を携行させ、配達先での居住確認を可能にする。
  外務員は、端末器の地図画面をタッチし、さらに絞り込みそこに写し出される配達原簿情報で居住者を確認する。これにより従来行っている書留など記録郵便物の出発前の居住確認は不必要となるという。

今回の試行で問題視されるのは、やはり個人情報の流出であろう。
  手のひらサイズの端末で配達区のリアルな居住情報が瞬時にわかるというおそろしさ。さらに支店内作業、支店外作業の大幅な効率化による人員削減が当然予想される。

走り出したら止まらないのが郵政施策、今回の試行結果の検証などそこそこに今後この配達原簿電子化は一挙に全国に拡大することは間違いないだろう。

(編集部)