トップへ
Headline10

合格率40%は社会に対する挑戦か    (09.22)
「郵政改革の基本方針」のもと希望者全員を正社員にせよ

「郵便局ネットワークを、地域や生活弱者の権利を保障し格差を是正するための拠点として位置付ける」
  格差を是正するための拠点、これは去年10月に亀井郵政改革大臣の下発出された「郵政改革の基本方針」の中に書かれていた文章である。
基本方針  その後亀井大臣が例の10万人正社員化をぶち上げたのが今年の3月。流れはそこから始まった。21万人の非正規社員を抱えるこの国最大の格差の拠点、郵政グループ。その事業の経営方針を180度転換させようとする「実験」が始まった。いや、始まったかに見えたといった方がもはや正確か。

合格率40%そこそこ

正社員「登用」第一次審査試験、当初組合情報によるとその結果は15日中に各支店宛発送され16日以降受験者個人に直接言い渡されるとのことだった。
  ところが15日の午後にはすでに首都圏のいくつかの支店で結果の言い渡しが行われ始めた。ネット上でもすぐに合否の報告があふれ出していた。
  支店によっては直接本社から結果をもらってきたという所もあるようだが、あるいは14日の夕刻にはすでに一部文書が発出されていたのかもしれない。

当初17日金曜日になっても会社からの情報提供はなく、労働組合の情報網やネット上の情報を勘案して結果分析をするしかなかった。
  私の感触では、合格率40%を切るかも知れないという予想だった。思った以上に悪い数字ばかりが全国から寄せられていた。
  連休明けの22日、ようやく労働組合に情報提供があった。
  グループ合計総受験者数33,279人、内合格者13,464人、合格率40.46%。

予想はほぼ当たっていた。
  流れは確実にせき止められようとしていることが分かる。やはり官僚どもは政治状況の流れを勘案したに違いない。「ねじれ国会」を受けて、マスコミ各社は今郵政改革法案の修正は必至との報道を流しはじめている。「郵政改革の基本方針」まで反故にされかねない状況だ。
  郵政経営陣は、格差の拠点を固持し続けるという決意を表明したということに等しい。

流れを押し返そう

何度でも繰り返し指摘しよう。
  5月7日付会社発出文書「期間雇用社員の正社員への登用について」には、『資格審査で不合格となった者のうち、希望者に対し、再度の資格審査に向けて業務知識・技能等の向上を図るための研修を行う。』とある。
  民営化後封鎖されていた郵政大学もこの春には再生されているはずだ。ネット上では「郵政大学で会おう」との書き込みもある。不合格通知をもらっての自虐的な書き込みなのだが、私はこれを真剣に現実化するべきだと思っている
  組合との窓口で会社が言っていることは、「研修については最終結果が出た後で具体的に考える」と。
  「考える」余裕を与えている数字ではない。不合格者の痛みをこれっぽっちも顧みようとしない官僚に先の文言を叩きつけなければならない。文書として残っているのだ。郵政大学の門を今から磨いて待っていろ、と。

二次の全員合格を求める

一次の合格者には面接が控えている。支店によっては直々に面接対応の研修を行っているところもある。郵政ユニオンも独自に模擬面接を各地で行っている。
  もう一人の不合格者も出したくない。

これはまだ不確実な情報だが、面接も業者丸投げという話がある。
  第一次の試験も業者丸投げだった。「会場には明らかに郵政の社員じゃないと思われる人達がキビキビ動き回っていました。郵政の社員じゃ、あぁはいかないよね」そんな感想も聞かれた。
  ということは事前に面接のマニュアルも作成してあり、業者はそれに沿って淡々と数字を書き込んでいくだけか。その数字を元にまたさらに合格者を絞り込むつもりか。

面接の日程は9月25日から5日間。面接の形式は分からないがたぶん集団面接と個人面接を合わせたものになるか。
  最終結果発表は「10月末から11月上旬頃」。また気を揉ませる予定の設定だ。
  しかし少なくとも最終結果が確定するまで後一月は残っている。
  この一ヶ月、どれだけ運動によって会社に圧力をかけさせることができるか、それが勝負となってくる。
  10月1日から臨時国会が始まる。郵政改革法案も遡上に登るだろう。そのときもチャンスだ。再々度冒頭の「生活弱者の権利を保障し格差を是正するための拠点」として郵政事業を位置づけるという文言を、直接会社に確認させなければならない。
  郵政非正規社員の問題が、この国を根底から変えていく端緒として位置づけられているのだということを。

(多田野 Dave)