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Headline 2011

雇い止め理由を述べよ!    (02.09)
期間雇用社員に対する一方的な整理解雇は許されない

2月8日付の記事(期間雇用社員のリストラ、全容が明らかに)で期間雇用社員整理解雇に向けた会社のワークフローを紹介した。早ければ来週中にも個々人に対する「対話」が始まるはずだ。具体的に、勤務時間や勤務日数の減を示し、あるいは配置転換なども示しながら、それでも働く意志があるかどうかと恫喝がかけられてくるものと思われる。

期間雇用社員就業規則第17条、「解雇」の項には以下のようにある。

第17条 会社は、社員が次の各号のいずれかに該当する場合は、30以上前に予告するか、即時解雇する場合は労働基準法第12条に規定する平均賃金30日分の解雇予告手当を支給して解雇する。ただし、試用期間中の者で入社後14日を経ていない者又は労働基準監督署長から解雇予告除外認定を受けた者、日々雇い入れられる者(1か月を超えて引き続き雇用される者を除く。)又は2か月以内の雇用契約期間を定めて雇用される者(その雇用契約期間を超えて引き続き雇用される者を除く。))については、解雇の予告又は解雇予告手当の支給をしないで即時解雇する。
(1) 勤務実績が不良で就業に適しない場合
(2) 心身の故障のため業務の遂行に支障があるか又はこれに堪えない場合
(3) 行方不明、失綜等による場合
(4) 業務の廃止文は縮小等やむを得ない都合による場合
(5) その他会社の社員として職務に必要な適格性を欠く場合

雇い止めが発令された場合、会社は請求があればその理由を提示しなければならない。これまで会社は上記就業規則の5項目の内どれかに○をしてその理由として提示してきた。多くは(5)に○がつく。
  それ自体会社側の主観が挟まりやすい表現でこれまでもいくつも争議になってきた。
  おそらく今回もそれに○がつき、重ねて(4)にも○がつくのではないかと想像する。

ユニオン呉支部の機関紙にもあったが、整理解雇4要件について、あらためて「労務安全情報センター」の見解を記しておきたい。

1.人員整理の必要性
  余剰人員の整理解雇を行うには、相当の経営上の必要性が認められなければならない。
  一般的に、企業の維持存続が危うい程度に差し迫った必要性が認められる場合は、もちろんであるが、そのような状態に至らないまでも、企業が客観的に高度の経営危機下にある場合、人員整理の必要性は認められる傾向にある。
  人員整理は基本的に、労働者に特段の責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的になされるものであることから、必要性の判断には慎重を期すべきであるとするものが多いが、判例によっては、企業の合理的運営上やむを得ない必要性があれば足りるとして、経営裁量を広く認めるものもある。

2.解雇回避努力義務の履行
  期間の定めのない雇用契約においては、解雇は最後の選択手段であることを要求される。
  役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等によって、整理解雇を回避するための相当の経営努力がなされ、整理解雇に着手することがやむを得ないと判断される必要がある。
  この場合の経営努力をどの程度まで求めるかで、若干、判例の傾向は分かれる。

3.被解雇者選定の合理性
  まず人選基準が合理的であり、あわせて、具体的人選も合理的かつ公平でなければならない。

4.手続の妥当性
  整理解雇に当たって、手続の妥当性が非常に重視されている。
  説明・協議、納得を得るための手順を踏んでいない整理解雇は、他の要件を満たす場合であっても無効とされるケースも多い。

上記4要件の内一つでも満たしていない場合は解雇は無効になる。
  もちろん会社は重々承知の上で、慎重に上記に沿ったワークフローを作成したと思われる。
1.経営危機、2.勤務日数減等解雇回避に向けた努力、3.「対話」を元に事情の説明、4.希望退職勧奨等、雇い止めに向けた約一月に渡るワークフローの作成。
  会社は慎重に4要件を満たすべく手続きを踏もうとしている。

この内私たちはどこに会社側の不当性を問うか。
  すべてだ。

1から見ていこう。ここが1番の肝心なところだ。
  1月7日の日本郵政齋藤次郎社長会見。その場で事業会社は今期1050億の営業赤字を見込むと発表した。内420億は7月の小包統合に絡むものと。
  小包統合に絡む営業赤字はまったく会社経営陣の責任に帰すべきもの。今さら繰り返すまでもない。その他の営業赤字についてはどうか。
  ここに郵政ユニオンが記した一枚の資料がある。資料に付された解説も共に紹介しよう。

肥大化した管理部門の削減を
資料

民営化しても官僚組織を引きずっている日本郵政。管理部門(本社・支社や支店の総務部門、等)は縮小されたとはいえ民間企業では考えられないほどに肥大化しています。経費全体に占める管理部門の経費(一般管理費)はヤマトの5倍、日通の2.5倍にも上っています。一般管理費の総額は約950億円、それを他の企業並みに削減しただけで赤字は解消します。
  会社の実態を隠したままで「赤字宣伝」を繰り広げ、経営者の特権を維持したままで社員に「赤字」を押しつけるのは絶対に許せません! 会社の「赤字攻撃」に屈せず、断固闘いましょう!
  郵政ユニオンは正規・非正規社員の雇用切り捨て、労働条件の切り下げには最後まで闘います。共に闘いましょう!

その通りだと思う。
  さらに郵産労などは事業会社のいわゆる「内部留保」資金などを問題としてあげる。名目は退職給付引当金とあるが、実質これは内部留保金と言えるだろうと。その額3兆6000億円。ならばこの内わずか3%を取り崩すだけで赤字は解消し、なおかつおつりが出る。郵産労はこの内1.4%を取り崩し正規・非正規の賃上げに充てろと主張している。合わせても内部留保の5%にも過ぎない。

上記二点を持ってして事業会社は「企業の維持存続が危うい程度に差し迫った必要性」という整理解雇4要件の内第1点目の主張はその根拠がない。

2.解雇回避努力義務の履行
  前回示した会社側ワークフロー。これを見ても分かるように、はじめから解雇ありきの工程を示したものだ。アリバイ的に周知だの対話だのといった工程を示しているが、2月末までの解雇予告まで持って行くための「努力」を示すもので、努力の結果解雇もやむなしという決定が後から判断されているものではない。最初から解雇ありき、という工程で、「解雇回避努力義務の履行」にはほど遠い。

3.被解雇者選定の合理性
  ワークフローによると、会社側が提示した労働条件変更に応じるか応じられないかを基準として人選をせよとある。労働者個々人の事情などまったく考慮する余地さえ与えていない。一方的な会社都合による人選など、どこに合理性があるというのか。

4.手続の妥当性
  ワークフローそのものが最初から解雇ありきの工程表だが、そもそも支店によってはこのワークフローさえまったく守られていない支店の方が圧倒的多数だ。当然そのような支店では整理解雇など問題外だ。

以上、今回の会社による期間雇用社員に対する整理解雇、一方的労働条件の不利益変更は合理的な理由のない理不尽な暴挙と断じざるを得ない。

 職場・現場から反撃を!

(多田野 Dave)