トップへ
Headline 2011

安楽死に向かう郵貯・簡保    (02..09)
郵政ユニオン呉支部機関紙2月1日号より転載

1月7日の斉藤社長の記者会見より、今回は郵貯・簡保関係を紹介する。以下はその要旨。
  郵政民営化法案と株式売却法案の両方が残存している結果、両手両足を縛られている情況にある。郵政改革法案が成立していないので、身動きが出来ない。その結果、次のような状態にある。
  郵貯=貸し付け業務が出来ない状態にある。残高の減少が止まらない。10年で3割減。民間は100兆円増加し、郵貯は85兆円の減少。一人負けの状態。原因は一千万の限度額にあり、限度額を超えると民間に移っている。
  簡保=主力商品である貯蓄型の養老保険は、ニーズが減っているし、収益も悪い。限度額が1300万円のため、壮年層の死亡保障ニーズに対応した商品が提供出来ない。
  医療保険ニーズに対応するため、ガン保険等の第3分野のサービスも準備はしているが、参入を認められない。ガン保険はアフラック等の米国系外資が8割のシェアを占めている。米国通商代表部は、簡保が参入することを恐れている。
  こうした結果、保有件数・保険料収入・総資産の面で、簡保の一人負けが起きている。

郵政民営化の結末

小泉政権が強行した郵政民営化は、郵貯簡保の資産を民間資本にシフトする、株式市場に誘導することに最大の目的があった訳だが、事態はその通りに進んでいる。
  当初の予定通り、株式売却が行なわれ、両社が郵政グループから離脱すれば、更に縮小しただろう。それは、事業会社・局会社の経営危機を促進し、貯保の局会社を通してのユニバーサルサービスも出来なくなっていた。

郵政改革法案は民主党政権の混乱で、未だに成立していない。その結果、貯保の資産の減少に歯止めが掛からない。
cut  郵政民営化の圧力を掛けてきたアメリカ政府だが、一方で第3分野の簡保の参入には抵抗している。
  普天間問題や最近の中国・北朝鮮の軍事的脅威論を背景に、日本の政府と世論は「日米同盟」強化に傾斜しているが、その事が郵政問題にも投影している。
  菅政権は4月成立を目指しているが、国会の混乱は周知の通り。民営化による分社化で、郵便窓口が2つあるという事に象徴される、非効率状態が未だに続いている。

改革法案の成立を!

そうした結果、現場での簡保の営業は苦戦している。
  簡保は、その名の示すように簡便な手続きで保険に加入出来る点に特徴があった。しかし、民営化で金融庁の検査対象になった結果、民間生保並みの手続きが求められた。簡保の顧客離れの原因でもある。
  こうした構造的な問題があるにも拘わらず、局会社は以前と同じように目標達成を求める。その結果、コンプライアンス違反をしてまで募集するようになる。違反が発覚すると、募集停止などの厳しい処罰を科している。
  局会社の渉外部員は、訪問する顧客のあてがないので、足取りは重い。それでも管理者は、営業成績を上げろと叱責をする。社員の表情はますます暗くなる、という悪循環に入っている。

問題の本質は民営化のあり、解決は改革法の成立しかない。
  社長会見も、その事を認めて指摘している。それでも現場では、社員の尻を叩き続けているのだが、もう止めた方がよい。

事業会社の改善策

1月28日、事業会社は総務省に経営改善策を提出した。そのポイントは次の通り。
 ・成果主義を反映した給与体系の導入。給与・ボーナスカットの検討。
 ・郵便と荷物を同じトラックで運ぶ事での運送効率・宅配時に増えたゆうメイトを減らす。
 ・荷物委託契約単価の引き下げ
 ・顧客との取引条件の見直し

朝日新聞は「郵便事業に成果主義」と見出しを付けている。世間では、公務員時代の「年功賃金」が続いていると思われているが、公社時代の人事給与制度改革で、これは既に崩れている。
  また、成果主義が効果を上げるとの幻想があるが、全くばかげている。
  先の「改革」で、役職者の賃金を厚くしたにも拘わらず、管理者・役職への昇進を希望しない人は増え続けている。対象者の内の昇進希望者は2割にすぎず、制度は既に崩壊している。
  「配達の個数に応じた歩合制の導入」をするとしているが、職場の実態にそぐわない空論である。

給与カットの具体的な削減額は盛り込まれなかったのは、給与は労働協約事項なので、労働組合との交渉をしていない段階では当然のこと。
  未だに、ゆうパックと旧ペリカンの料金の二本立て。また、ペリカンは顧客で料金が違うという摩訶不思議さ。もちろん、ゆうパックのダンピング料金も見直すべき。
cut  宅配統合とその失敗に伴う4百億円赤字の責任については、言及していない。そこを明確にせずに、経営の改善はあり得ない。

給与カットについては、今後労働組合に提案するものと思われる。従って、各労組がどの様な態度をとるかに掛かってくる。
  荷物委託契約条件・単価に引き下げは、契約事項で、受託者の了解が必要。一方的に引き下げを表明するのは、契約の信義則に違反する。現状でも、契約条件は厳しい。

ある期間雇用社員の実情

 匿名でのネットへの書き込みがされておりましたので、参考までに紹介させていただきます。

東京から地方へUターンして日本郵便の期間雇用社員に採用され、働いています。事情がありUターンして就職を探すこととなったのですが、毎日の単純労働がきついです。謙遜なしで書くと、学歴も東京のそこそこの有名大学を卒業しております。
  職歴もいろいろあり、長いことIT 関係で働いておりました。ところが事情がありUターンして仕事を探し始めたのですが仕事を探して3か月…まったく面接のチャンスさえあたえられず、ハローワークの職員にも(地方名)ではアルバイトでも大変なんですといわれて仕方なく、アルバイトをさがしはじめました。
  それでも全く採用されず、ハローワークの人も子供がいたりすると給与水準が東京より圧倒的に低いので採用されにくいこともあるというので、仕方ないので結婚、子供がいることを隠してアルバイトを探したのですが、そうすると100%合格になりました・・・。
  妻が働いていることで扶養の必要もないし、子供も妻の保険に入れるので隠していても問題はなさそうなのです。生きるためなので仕方ないですから。
  しかし、その中でも社会保険などしっかりしているので、日本郵政にしたのですが、時間が不規則なうえに勤務もきつく、負わされる責任も重く、その上給料が安いです・・・。
  収入は一か月10万円にならないかなるかというくらいです。希望金額は前職の収入の35万円くらいです。
  日本郵便では将来は社員になれる、と嫌なくらいにいうのですが、人事考査の仕組みをみるとかなり難しいと思いますし、なっても学歴など考慮される職種ではなさそうです。つまり低賃金で一生仕事することになる仕組みです。

…中略…

毎日、肉体労働で生きている心地がしません。かといってここでは仕事はありません・・・。現実としてこの仕事でも感謝して働くしかないのかもしれません・・・。
  でも、蟹工船にのっているようで、苦しくて苦しくて・・・強制労働に近いです。
  ちなみに職員採用試験は年齢で受験不可です。

郵政ユニオン呉支部機関紙2月1日号より転載