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Headline 2011

不当なスキル認定に徹底抗戦    (04.27)
恣意的な人事評価には労働組合の力で対抗しよう

09年10月、西条支店集配課のYさん(6H・週5日雇用)は、班替えを言われた。集配区画変更が理由で、8Hゆうメイトとのトレードだった。その際に、班を変わることがスキルに影響するとの説明は一切無かった。

班を変わった後、Yさんは新しい班で2区を覚えた。前班で2区を担当していたこともあって、10年春のスキル認定では、「3区通区」で自己評価を提出した。ところが、フィードバックされた認定は「B有」だった。
  納得の出来ないYさんは、課長に理由を問い質した。返答は、「前班の通区数はカウントされない」というものだった。Yさんは更に食い下がった。何故なら、同時にトレードされたXさんは、以前所属班の通区数もカウントされていたと聞いたからだ。この点についての課長の返事は、「人は人」との、まさに人を食ったようなものだった。
  Yさんは、郵政ユニオン呉支部の共同調整会議に苦情処理を申請した。

 紛糾した苦情処理会議

申請の論点は、以前組属していた班の通区数をカウントするか否か、に絞られた。これまで、この点についての会社の明確な説明はなく、個々のケースで認定が違っていたからだ。
  そして会議では、Xさんとの均衡性が問題となった。そこで議長が調査員を派遣することになった。調査に対して、認定に関わった3人の内、一人は「同時期に変わった人がいたかどうかは、覚えていない」と証言し、他の2名は「集配課の中で班を変わったゆうメイトは、少なくともこの1年はいない」との証言をした。
  この調査報告をうけての会議で、呉支部は具体的氏名を出して事実を指摘、その結果再度の調査員の派遣となった。

再調査の結果、同時期に班を変わったXさんがいたこと、そしてXさんは以前の班の通区数も加算して認定されていたことが判明した。
  当然ながら、会議は紛糾した。苦情処理制度は、議長が調査員を派遣する制度がある。それは、評価者が事実をありのままに証言していることを前提としている。
  この間の経過を見れば、西条支店が、Xさんの評価に対してYさんの評価を意図的にスキルを下げることを目的に行なったこと。そして、それがバレそうになったので、調査員に虚偽の証言を行なったことが明らかである。

そもそも苦情処理制度が想定をしていない事態に直面して、会議は立ち往生した。議長は中国支社に相談して、解決策を探る他はなくなったのだが、支社は明確な指示は出来なかった。
  3月30日、人事異動を前に第5回会議が開かれた。議長である呉支店長と委員の業企室長の転任が確実になり、以下の確認を行なった。

● 会議は苦情処理申請から1年を経過するという異例の事態に、何とか10年度内に結論を出す事に尽力したが、そもそも制度が想定をしていない事態に、結論を出す事ができなかった。
● こうした中で、会社の人事異動により、この間議論してきた議長と会社側委員が交代せざるを得ない事態となった。本日の第5回会議は、新しく指名される委員の下で、以上の審理経過をふまえて議論が継続される事、及び苦情申請から相当の時間を経過している事情をふまえて、第6回会議を早期に開催する事を確認した。

後任呉支店長の前任は西条支店長。つまり、Yさんの不当な評価を行なった最終評価者が、苦情処理の議長に就任した。前議長は呉支店長という立場から、他支店の評価を覆すのは難しいとの苦渋を滲ませていた。
  新議長は、自らが下した評価を審理するという事になった。しかも、元部下が嘘の証言をした経緯を踏まえての審理である。
  苦情を受け入れるか居直るか、何れにしてもいい加減な評価の尻ぬぐいを、自ら行なう立場となった。

 意図的なスキル下げ

スキル評価その後、Yさんは3区目を通区して今春のスキル認定を迎えた。当然ながら「A有」で提出した。しかし、帰ってきた結果は「A無」だった。
  他の項は○だったが、「3区通区」は△評価だった。
  対話の中で課長が指摘したのは、昨年秋の「誤配」だった。Yさんは、配達区内のレンタルショップに料金後納郵便を配達することになった。後納郵便についての説明は無かった。年末に配達をしたところ、誤配を指摘された。10日程前の配達10数通の中に、同社他支店のものが一通混入していて、そのまま配達をしたのが誤配なのだという。
  そもそも混入させたのは、郵便課のミス。それに気づかずに交付した集配課代理のミス。にもかかわらずYさんの責任にされた。

仮にYさんに責任があったにせよ、誤配はスキル認定の項目にない。会社は呉支部苦情会議でも、その点を認めている。YさんをAランクと評価したくないがために、「誤配」を持ち出したのは明白である。Yさんは通算3度目の苦情処理を申請した。

こうした不当な評価は、呉支店でも行なわれた。今回の認定にあたり支店長自らが、対話を行なった。ゆうメイトに温情的な評価をする課長には任せておけない、というのが理由であろう。
  その結果、スキルが下げられた人、本来上がるべきところが上がらなかった人が相次いだ。その際に利用されたのが、「他の社員に指示指導が出来る」「苦情対応が出来る」「指示無しで他社員の応援が出来る」という項目である。
  通区数の認定では誤魔化しが出来にくいので、こうした抽象的な項目に目を着けたのであろう。また対話の中で、課長が一方的に指摘して、ゆうメイトに喋らせなかったのも特徴である。対話形式だと、ゆうメイトの主張を聞かざるをえないからだ。

 苦情処理へ!

こうした認定の背景には、経費削減のためにスキル評価を厳しくするように、との本社の指示がある。
  会社は労働者の賃金決定権を掌握して、それを武器に分断支配してきた。一方で、スキル認定は公正・公平を謳っている。此処に最大の矛盾がある。
  苦情処理制度は、可否同数の場合は議長である支店長の採決に委ねる、という大きな欠陥がある。しかし議論の過程で、認定の不透明な点を追求することが出来る。
  会社が不透明な認定基準を利用して、スキルの上げ下げを行なっている点を明らかにし、こうした意図的な操作は許さないという職場の世論を作ることが出来る。

(呉通信員 米今達也)