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Headline 2011

日本郵政の貧困ビジネス    (05.02)
民間の通信講座カタログを天下り機関に作成させただけ

去年の秋、鳴り物入りで行われた期間雇用社員の正社員登用審査。結果合格率はわずか25%。郵政グループ全期間雇用社員の比率からすれば、正社員になれたのは、ほんの4%にすぎない。
  会社はこの結果を関係議員に説明するときに、それでも下駄を履かせたのだと説明したという。
  亀井元郵政担当大臣は少なくとも10万人の正社員化をと要請していたはずだ。

会社はこの結果を受けて、続けて正社員登用審査を今年も前年度並みに行うと発表した。各労組にもそのように約束し、重ねて、前回の不合格者には「研修」を行うと文書でも約束していた。
  そして今年春、その研修として「通信講座」の内容が披露された。

カタログリスト左の一覧表がその内容、通信講座リストだ。
  25個もの講座名が並んでいる。
  それぞれの講座には受講料も明記されている。各8千円ぐらいから2万円近いものまで。
  なんのことはない。並べられた通信講座の中身は、すべて民間企業のできあいのものばかりだ。PHPだの産業能率学校だの日本能率協会マネジメントセンターだの、それぞれの民間の通信講座のカタログを並べ立てたものだけなのだ。
  しかもこれを請け負ったのが日本郵政スタッフという人材派遣会社。もちろん天下り会社でもある。
  この会社に、民間の通信教育カタログをまとめさせるという仕事を、日本郵政は発注したわけだ。

例えば日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の「記憶力パワーアップ」という通信講座。JMAMのホームページによると価格¥18,900 (税込)とある。日本郵政スタッフのカタログによる価格は¥16,800。確かに若干割引価格とはなっている。会社はこの半額を補助するという。¥8,400 。
  講座はいくつでも受講申し込みできるという。ただし、半額の補助が出るのは、一つだけ。若干割引価格とはいえ、二つ目からの講座からはこのリストに明示されている価格全額を負担せよと言う。数万円はかかる。

カタログいったいこれが「研修」だと?
  日本郵政が、不合格者に対するフォローアップとしての、これがその「研修」の中身というわけだ。
  「研修」資料をまとめる作業を天下り会社に丸投げした上に、出てきたカタログは民間のそれを並べただけ。しかも数万円もかかる受講料を年収200万そこそこの期間雇用社員に負担させようというのだ。

現場の期間雇用社員さんからは不安だと相談が入る。これを受講したからといって次回の審査に有利になるという保障はない。それは分かっている。しかしだからといって一つも受講しなかったら管理者の心証が悪くなるのではないか?次回審査に不利になるのではないか?少なくともこの内最低一つぐらいは受講するにこしたことはないのではないか。今の仕事にはなんの役に立ちそうもないけれど、そこそこ安めのものを一つだけでも、と。

日本郵政による貧困ビジネスそのもだ。ほとんどたかりと言っても過言ではない。
  ブラック企業という言葉が最近流行っているが、この言葉は我が会社にこそ最も当てはまる言葉だと言えるだろう。

(多田野 Dave)