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Headline 2011

特定商取引法(旧訪問販売法)にも違反する営業強要    (06.14)
呉支店長が営業に関してパワーハラスメント

支店長訓辞
  6月6日、1集の役職ミーティングで支店長は、「販売出来なかったらもう一度(営業に)出て貰う」「販売出来るまで帰ってくるな」と訓辞した。
  役職者のコメント
 
あまりの衝撃的な話しに、1集6班の営業レポートに、班長は声掛けが1件しかできなかった理由を、備考欄に次のように記入した。
  「班長ミーティングにおいて、支店長より恫喝があり、精神的ダメージを受け、加えて物増と炎天下の作業で体調を崩し、昼食もいつもは完食するところを半分近く食べ残し、昼からも体がフラフラの中、作業に集中したため」
  支店長コメント
 
これに対する支店長は次の内容のコメントを書いた。
  「あれを班長が恫喝と捉えるようでは話にならんね。あくまで課長とよく話しをして下さい」
  また、声掛け件数が1件と記入した2名への支店長コメント
  「5件以上声かけは業務上の命令です。課長は指導すること(指導票を提出すること)」

三重のパワハラ

かもめ~るの販売開始以来、呉支店長は全社員に1日5件以上の声掛けを指示、5件未満のものに対しては、理由を営業日誌に書くことを命じている。一口に5件と言うが、配達をしながらの声掛けは簡単ではない。
  こうした情況を考慮することなく、「販売出来るまで帰ってくるな」というのは、支店長権限を悪用して不当な圧力をかける暴言である。販売出来ない場合は自爆しろ、とのニュアンスも感じられる。
  班長が恫喝と感じたのは当然だ。それを率直に日誌に書いた。ところが、それに対して反省するどころか、「話にならんね」を一蹴したのは、二重のパワハラである。

会社発行のパンフレット「人権感覚を仕事に生かそう!」では、「上司などが職務権限を背景に、部下に対して、適正な範囲を超えて、有形無形の圧力を与え続け、その結果、受け取る側が理不尽な精神的負担を感じ、心身のこう弱・雇用(職場)環境の悪化や不安が生じる」とパワハラを定義している。
  支店長の行為は、まさにこの通りのパワハラである。更に課長に指導を命じることで
  反論を封殺しようと言うのは、三重のパワハラである。
  前任の西条支店で、役職者の降格が相次いだのも頷ける。

支店長のための営業

営業の目的が郵便収入の増にあると会社は言う。
  年度方針で鍋倉社長は「個数を追いかける営業から損益改善に寄与する営業に、営業の考え方を根本的に変えます」と表明した。
cut  ところが呉支店長は、管内順位一本槍。カモメに関するコメントは次のとおり。
  1日目=42位スタート気合いを入れないと厳しい
  2日目=さあ、2つあげて40位だ。ここで頑張らねばわが支店の未来はない。
  3日目=また順位を4つあげたぞ

つまり順位が全てで、1位になるまで満足しないという事。「販売がゼロはおかしい」「5件でダメなら10件の声掛けを」等とエスカレートするのは明白。「自爆でも何でも結果を出せ」と言っているに等しい。

西条時代には、「支社に誉められて鼻が高い。次は全国制覇」と自慢していたという。
  支店長の給与は、支店のランクで決まるので、大きい支店に栄転すれば給与も上がる。
  つまり、呉支店の営業は、収益ではなく支店長のために行なわれている。
  ちなみに支店長がかわって、穏やかな職場になった西条は55位スタート。如何に前支店長の圧力で、社員が無理を強いられていたかが伺える。

パワハラを告発しよう

営業には際限がない。支店長の言動は更にエスカレートするだろう。そして、パワハラが発生、陰湿かつ暴力的になる。
  特に役職者に対しては、自分の営業だけでなく、「部下」を指導することまで求めるので、悪質になる。
  班日誌に何が書かれているかチェックしよう。支店長の発言を記録しよう。
  そして、パワハラ言動をまとめて告発しよう。営業の名を借りたパワハラが許されるのか、社会に問う。必要ならば法的手段に訴える。

明確な違法営業

郵便窓口で行う店舗営業はともかく、外務員(内務も)が戸別訪問して行っている郵便営業は明らかな訪問販売である。
  周知の通り一昨年末に改正施行された特定商取引法により郵便商品もその規制対象となり、消費者保護の立場からその訪問販売方法に関して細かい規定や禁止条項がもりこまれた。
  主な改正内容は、「氏名等の明示」「拒否者に対する勧誘の禁止」「書面の交付」「不当行為の禁止」「過量販売契約の申込みの撤回」等である。

郵便事業会社本社は法律施行数日前に各支社に「特定商取引に関する法律改正に伴う営業取組方法」と記された文書を送付し、社員への周知を行うよう指示を出した。
  しかしその指示文書の中身は、「営業する際には、郵便商品(申込・購入)確認書を携行し、お客様へ、支店名、社員名を伝え利用勧奨を行います」と述べ、注意点として、訪問販売・電話勧誘販売時には金額に関係なく、郵便商品(申込・購入)確認書を交付する(3,000円以上がクーリング・オフの対象となる)としたのみである。
  今回の改正法の目玉の一つである「拒否者への再訪問禁止」「過量販売の禁止」等は一切触れずじまいであった。

日ごろ口酸っぱく唱える「法律遵守」から大きく逸脱した「新営業取組方法」ではあるが、それさえも支社ごと、支店ごとでその対応がばらばらだった。
  支社判断で各支店には送付せずもみ消しをはかった支社がある一方、各支店に対し全社員にミーティングで内容を徹底するよう求めた支社。
  しかし、支社からの指示があったにもかかわらず、文書配布のみで済ませた支店、文書も配布せず周知も行わない支店もあり、対応は支店長裁量というのが実態のようである。
  改正法施行から一年半経過した今季かもめ~る販売に際しても、その取組方法に関して注意等は一切なく旧来通りの「声かけ営業」「携行販売」「お預かり営業」という訪問販売を繰り返しているのが現実だ。コンプライアンス違反を堂々と全国展開しているのである。

郵便の原点に立ち返れ

「奪還営業」と称して、トップセールスや法人営業に力を入れる郵便会社だが、現実は2003年度書状送達市場全体に占める他社メール便シェアが5%だったのに比し、2008年度には約2倍の10%に上昇しているのが現実だ。
  奪還どころか足元から浸食されているのである。
  その間、郵政側のTNTとの連携破綻、日本通運ペリカン便との合弁破綻を尻目に宅配便市場では、ヤマト運輸と佐川急便の二強寡占化が進行し、03年度64.5%から08年度には72.1%とシェアを上げているのだ。
  「アジア市場でのナンバーワンプレイヤーを目指す」どころか国内二強に大きく水をあけられた新ゆうパックはもはや青息吐息のスタートとなる。

この間の政局に右往左往した経営トップの下でかつての郵政官僚たちは自己保身に走り、事業のビジョンについて真剣な検討作業を放棄し続けてきた。その結果が目先の業務収入増に走る歪んだ郵便営業施策を助長してきたといえる。
  本社、支社、支店の幹部たちは、自らの栄転のために権限をフル活用して現場社員を営業へとかりたてる。その報償ときたら海外旅行からカップ麺、バナナまで千差万別である。
  雇用を前に数日分の自給を自爆に振り向けざるをえない期間雇用社員、何万枚もの年賀を購入し金券ショップに持ち込む正社員、自社商品購入が常態化した異常な大企業と言わざるを得ない。
  事業会社と局会社の縄張り争いに始まり、支社ごと、支店ごと、課ごと、班ごとの競争が人間関係を歪めていく。

このような違法かつ歪んだ郵便営業はただちに止めるべきである。
  郵便法で掲げる「なるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的とする」郵便事業の原点に立ち返り、安心、確実、丁寧な郵便サービスを徹底することから始めなければならない。

(郵政ユニオン呉支部機関紙6月14日号より転載)