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Headline 2011

定期点検中原発の再起動を阻止しよう    (06.27)
原発のない社会は可能だ

6月24日、首都圏は三日続けて真夏日を記録。この日東電の「でんき予報」では総供給可能電力量の内最高91%の使用量を示した。東京電力及び各ポータルサイトなどが独自に表示するようになったこの「でんき予報」は、原発事故による電力供給の逼迫を示すものとして需要者への節電を呼びかける。

もちろんこれは一種のブラフ(脅し)であろう。今震災で被災した2基の火力発電所はすでに検査を終え稼働中。原発建設に伴う運転休止中の火力発電所も次々と再稼働させ、現在では総供給能力約4800万KWまで回復している。4月15日の会見ではガスタービン発電機の増設により夏までには5200万KWの供給量を見込むとしている。

これまでの消費電力の最大値は01年夏の6430万KWとされているが、実は6000万KWを越えたのはこのときだけである。大口需要企業に対する電気料金を値下げして無理矢理需要を開拓した結果であると指摘されている。「電力は余ってる」、この頃キョーシローも歌っていたではないか。
  03年4月には福島第一原発他での不祥事隠し発覚により当時の東京電力管内原子炉17基すべてが停止。その夏も節電キャンペーンが行われたが、「計画停電」の話などは一切出なかった。
  飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)氏の提言を待つまでもなく、電力需要の7割を占める大口需要企業への電気料金割引率をほんの少し変えるだけで十分余裕のある電力供給量を確保できるのだ。今すぐすべての原発を止めても、である。東京電力に限らず、この国の10電力会社すべてにそれは当てはまるだろう。

現在この国には17機の原発に54基の原子炉があるが、そのうち35基が定期検査などで停止中。稼働中の原子炉は19基。定期検査は13ヶ月毎に行わなければならない。
  定期検査が終わり本来ならすぐにも再稼働可能な原発の内、3.11以降再起動延期に追い込まれている原発は以下の通り。
  中電―浜岡(静岡)1基
  陸電―志賀(石川)1基
  関電―美浜(福井)1基 高浜(福井)1基
  九電―玄海(佐賀)2基
  この6基を含む定検中原発の再起動をこのまま阻止し続け、さらに現在稼働中の19基がこれから続々と定期検査に入れば、来年の春頃にはすべての原発が停止することになる。
  当面焦点となるのは老朽化による原子炉の劣化が指摘されている玄海原発か。古川康佐賀県知事は当初の慎重姿勢から一転、再起動に向けた前向きの発言を繰り返している。すでに市民団体などが抗議に県庁を訪れているが、職員が門前に堅いピケットを張りこれを阻止したとのこと。

チェルノブイリ。あれほどの悲惨な事故を起こし25年経った今でも障害を持った子供たちが小児病棟を埋めるというウクライナでさえ、未だ15基の原発が稼働し、さらにロシア製原発2基を増設する予定だという。そのロシアは今後古い原発数基の稼働を停止させる予定というが、未だ32基もの原発が稼働中だ。
  全世界を見渡すと今後建設予定の原発まで含めると約540基もの原発がひしめくことになる。
  仮に今回の福島の事故が1万年に1回の確率の事故だというなら、世界のどこかでほぼ20年に1回以上はこの大惨事が繰り返されることになる、と指摘するのは、IT技術ライターの安田幸広氏。

状況は厳しい。ドイツ、スイス、イタリアは脱原発に舵を切ったが、世界ではまだまだ少数派だ。
  日本でも「地下原発推進議連」などという、ここに至ってもまだ原発を推進する議員の結集が報道されている。懲りない面々には、鳩山由紀夫、羽田孜、森喜朗、安倍晋三、谷垣禎一、亀井静香などの名前が並ぶ。
  6月11日、「脱原発100万人アクション」が全国約140カ所で開催された。
  そして「へっぴり腰で虎の尾を踏んだ菅首相を、自民党、民主党、その他の保守党とマスコミが一体化して、猛然と引きずり降ろしにかかったのをみれば、日本の政治を支配している、原発と軍需産業と核武装論者たちの集団の意志を感じさせられる。」(労働情報誌818号、鎌田慧氏の「時評自評」から)
  原子力村と私たちの側との綱引きはさらに万余の応援団を必要としている。街頭でことを決することもあるのだということを、今後私たち自身が自信を持って為政者に見せつけてやろう。

(多田野 Dave)