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Headline 2011

被災地復興と公共サービス (5)   (09.29)
東北大震災復旧・復興の現場を問う8.21市民集会報告
「郵政民営化を監視する市民ネットワーク」と郵政ユニオン共催による集会。
  3.11以降すでに6ヶ月近くになろうとしているにもかかわらず、復旧・復興の足取りは遅々として進んでいない。各公共サービスは現場でどのような苦闘を強いられているのか。今回の集会は様々な現場の具体的な状況を出し合って復旧・復興の状況を一度俯瞰的に総括してみようという試みである。
8.21市民集会

報告の最後は、各報告者を交えたパネルディスカッションの模様と会場参加者からの質疑応答などを紹介します

いざというときに力を発揮するのが
公共サービス

司会:震災・支援活動の中で見えた公共サービスの在り方について伺いたいと思います。「復興に民間の活力を」といわれており、特区構想なども出されている。規制緩和などが中心だが、それがなければ復興ができないのでしょうか。公共サービスとしての役割があるのではないでしょうか。

佐藤さん:公共サービスでよかったと思えるのは、利用者の方の期待がある。いつ使えるようになるのか、修理をした後で感謝される。労働条件厳しい中で、また震災、津波があるかもしれない地域に入っていった。へんなプライドがあるのかもしれないが、あまねく電話をつなぐ、というプライド。公共サービスのなので、災害復旧の場合に、優先してガソリンが供給されたということもあった。

横山さん:われわれの仕事は、ふだんはのんびりしていると言えるかもしれない。被災地でもたぶん、普段はのびのびと仕事をしていたと思う。「役場の仕事、いいよね」と普段は思われていた。
横山さん  しかしいざ震災のとき、不眠不休で働くのが公共サービス。自分の区役所で経験した。
  計画停電のとき、住民の方が東電に連絡してもぜんぜんつながらないので役所に電話がかかってくる。「東電じゃありませんので」というふうには断ることはできない。予想外だったが、いざというときには役所に聞く、というのがあった。それにたいしてしっかりと情報を提供すること、それが役所の仕事。
  練馬区の特徴かもしれないが、小学校に避難拠点をつくっている。区内に住んでいる職員が多いので、何かあれば駆けつける。今回も帰宅困難者への対応で避難拠点を開けた。
  普段でも台風の時には帰らずに大工仕事をするというのが習慣づいている。いざというときに被災者のみならず、住民のために動くというのが役所の仕事。足立区で自宅で人工呼吸器を使っている方がいた。ケースワーカーさんとか、介護の職員の方が職務命令されたわけでもなく、人工呼吸器が止まらないようにバッテリー対応をしていた。

岡さん:特別交付税を申請するときに大きな問題があった。申請のための資料や手引書を全国138単組に送った。そのうちの半数のうちの職員から、どうしていいかわからない、と言ってきた。直接総務省に聞け、といったが、小さな自治体の場合、直接の担当者がいない。それぞれの会計ごとに職員を配置していればいいが、そうでない場合はほとんど何もわからないまま、自治体財政が圧迫されている状態のまま。
岡さん  失業者が多数出ている。震災特例があり、自治体とその会社の経営得者が申請すれば、従業員が3か月は暮らせるくらいの給付が出るようになっている。仕組みは国が阪神淡路の時につくっていた。それを知らない、という現状がある。これを伝えていくのが自治体職員の役割の一つ。
  水道の場合、図面がなくなっても経験則でこのへんから掘っていこう、というのができるが、職員が削減されて委託がふえるとこれがなくなってしまう。公共でなければできなかったこともある。自治体の職員は決定権を持っている。判断が可能。民間でそれぞれ分割されると、ひとつやってもつぎがすすまない、ということがある。あとは情報ですね。役所にはかならず情報が入ってくる。

下見さん:郵便屋さんは地域をよくわかっている。しかしいま地域を回っている郵便屋さんの64%は非正規社員。郵便事業会社は、本務正社員が9万4000人、非正規社員が16万人。
  東京の場合は地震が起きたときに最初に支店に出勤してきたのは非正規社員が多かった。というのも非正規社員は地域の人が雇用されていることが多い。被災地でも同様の状況だったのではないかと思う。
  なので実は何かあった時に一番最初に駆けつけてくれるのは非正規社員。しかも毎日地域を配達していて地域を一番わかっているのも非正規社員だったりする。「この家いないの?」とかいう地域の情報を正社員が非正規社員に尋ねながら仕事をするようになっている。
  このように重要な役割を担っている非正規社員の皆さんに対して、当局はあろうことか、4月1日からの雇用契約において、被災地では働くところがないので2ヶ月雇用にする、つまり郵便局が流された所については、2ヶ月間は自宅待機ということだが、2ヵ月後には再雇用するかどうかわからない、と発表した。このような使い捨てのやり方に憤りを持っている。
  被災地だからこそ雇用継続をせよ、というキャンペーンは行ってきた。そのせいかどうかはわからないが、いまのところ2ヶ月を過ぎて雇い止めになった、という話は聞いていない。一部かんぽの宿などで建物自体が流されてしまって営業再開ができないところは解雇があったようだが。

被災・復旧支援と労働条件

司会:災害の傷跡はまだまだ生々しいが、傷口に塩を塗るような形で被災者の労働条件や公共サービスを引き下げようとする動きもあると聞いています。

佐藤さん佐藤さん:震災の影響で、津波被災地の場合は会社丸ごとなくなるなど、やむをえない事情はある。しかし震災を口実に人減らしのために解雇するケースもある。
  宮城合同労組が労働相談をやっているが悪質なケースが後を絶たない。国も働く場所を提供するような方針を出す必要がある。NTTのなかでも3月31日までに派遣労働者を雇い止めをする、という話があったが、震災で業務が一挙に拡大し、人が足りない状態で、逆に雇用を増やしている。雇用形態についてはわからないが。しかしやるべき仕事はたくさんある。復旧復興のなかで雇用を調整する役割を国や自治体がやっていく必要があるだろう。

横山さん:現地に支援で入ったが、自治体職員の方々と交流するような余裕はなかった。福島に支援にいったので、震災津波とともに原発の問題が重くのしかかっている。
  9月30日に東京都本部のメンバーとそれぞれの現地の単組の人々をお呼びして集まりをやろう、という話もある。中央本部の大会が24日から開かれるのでそこでもいろいろと声が聞けるだろう。
  国家公務員の三ヶ年の賃金削減というのがあった。人事院の勧告によらず、自立的な労使間の構築ということで交渉で決着がついた。公務員の賃金を削減するという民主党の公約があったが、いま復興財源確保という話が出ている中で、地方公務員の賃金が今年どうなるかが危惧されるところ。名取市の職員に対して「超過勤務手などけしからん」という声もあったが、最終的に労基署の指導もあってきちっと支払われたが、被災された方の感情を利用した形での公務員バッシングが懸念される。
  交付税をもらっていない東京23区では、公務員の賃金を削減しても、それが東京オリンピックの財源というくだらないことに使われるだけ。このようなカラクリを具体的に都民の皆さんに伝えていかなければならない。「こういうご時世だから賃下げも仕方ない」という考えとのたたかいが秋の課題。被災地の自治体労働者、非正規労働者のみなさんの処遇にも大きく関係する。

岡さん:石巻の企業団の事業管理者の方とも話をさせてもらった。復興財源がないと言っていたので、市に掛け合えば特別交付税でますよ、と教えてあげたところ、水道事業者は弱い立場なので市長にモノ申すと言うことはできない、と。その後、厚生労働省から指示を出すように働きかけ、その結果、お金がまわるようになったというケースがあった。
会場  被災地の首長さんたちは、水道の職員には頭が下がる思い、こんな素晴らしい職員を持って感謝感動している、といった端から、人員削減しなければならないとか、いわき市では時間外勤務手当を払えないとか半分にするとか、来年度以降は財政が厳しくなるので、人員削減どころか給与の10%くらいはカットしなければならないとかいう声も聞こえてくる。
  首長さんたちはあとのことあとのことを考えているんでしょうが、そんな考えだけではだめですよ、ということは言っていかなければならない。地方では何をするのか、国にちゃんと措置をさせるようにするしかないのかなと思う。
  神戸の時は震災直後から二ヶ月給料がもらえなかった。電算システムがダメになって、給料を計算するシステムが動かないので、1月、2月はもらえず、3月になってまとめてもらった。しかし時間外手当は半分。そういう経験があるので、繰り返させないようしなければならない。
  そういう懸念がありながらも職員は使命感で働いていると思う。今回の津波では、学校の教職員の方が、正規非正規に関係なく、まず児童を避難させてから、校長や担任が全員の避難が終わるのを見守ってから避難を始めたので犠牲になったというケースがあった。公共サービスは「命を守る」という仕事。その職員を減らしてはならないと思う。

下見さん:郵便屋さんも同じ。郵便事業は、去年の7月のペリカン便との統合が尾を引いており、1000億円以上の赤字を出した。資本金に迫るような赤字額で普通の会社なら潰れててもおかしくはない。
下見さん  今年に入ってから大がかりなリストラが提案されていて、4月、5月に非正規社員がかなり雇い止めに遭っている。3月11日の震災以降も、こんな時期にリストラをするのかと問題提起をしたのだが、1000億の赤字が効いており、非正規社員の首は切りますよ、ペリカン便由来の事業所を閉鎖しますよ、正社員はボーナスを14%カットしてくださいよ、ということでかなりリストラがやられた。
  いま郵便屋さんの一番の頭痛の種は営業。リストラで首を切りながら、復興支援と称して「復興支援切手」を700万シート、1シート10枚なので、7000万枚発行した。これは80円切手にプラス20円した100円の切手を売り、その20円分を被災地に送るというもの。
  ヤマトは小包一個につき10円をヤマト自身が自腹を切って義捐金として拠出するとしており、平均的な売り上げから100億から130億円くらいの額になる。この額は大和の年間売上の4割近くに当たると言われている。一方、自腹を痛めない郵政の義捐金は、20円×7000万枚の14億円。ヤマトの10分の1ほどしかない。しかもまだ3億円分ほどしか売れていないという。8月26日までが販売期限だが、まったく売れてないということで現場に営業締め付けがきている。郵便屋さんもこんな便乗ビジネスまがいの切手を売りたくはない。仕方ないので自分で買うしかない、というのがいま現場に蔓延している悩みの種。

司会の稲垣さん原発事故について

司会:今日の集会に福島郡山教組の書記の方が、「子どもと教科書全国ネット21」のニュースに寄せた原発事故に関する文章を送ってくれました。原発事故や福島県の厳しい現状がつづられています。資料としてつけています。公共サービスの各現場でも放射能の問題は大きな関心になっていると思われます。

*資料
  福島郡山教組作成 フクシマからの報告(子どもと教科書全国ネット21NEWS原稿)

下見さん:郵便屋さんは、槍が降ろうが何が降ろうが、放射線が降ろうが配達することが使命。とはいえ、この間、若年、女性の配達員も増えているので、本来は放射線の影響については関心を持たなければならない。しかし取り組みは遅れている。会社に対してどのような対策を取っているのか、被爆線量のデータを明らかにするように、など迫っていかなければならない。

岡さん:川の水を水道水にするときに、いったん水を沈殿地にため、泥を沈殿させて、きれいな水だけを水道処理に回す仕組みがある。上水施設に入れば、活性炭処理をはじめ放射線物質を捕捉するいろんな方法がある。しかし最初の沈殿池にたまっている泥にはかなりの放射線物質が含まれており、それをどのように処理するのか、という問題がある。
  水道水については食品と同じように基準値が決めれられており、東京の金町浄水場で検出された放射能は基準値を下回っている。しかし処理後の汚泥の問題がある。厚生労働省がいま対策に頭を悩ませている。
  下水道の問題もある。国交省の管轄だが、いろんなところから入ってくる使用後の水なのでより放射線物質がたまりやすい。その汚泥をどうするのか。
  水道の場合は、汚泥やろ過後の砂は、スラッジという、たとえば観賞用植物の園芸用の土などに使う。そのスラッジに放射能が入っている。これをどう処理するのか。
パネルディスカッション  自衛隊、消防、警察は縦組織なので、上から一括で命令が来るが、自治体労働者は、横系統のつながり。自治体そのものは縦の指令系統があるが、自治体間にはない。たとえば、福島原発から数十キロのところで自治体労働者が作業をしていて、原発で何かあって、自衛隊は帰っていくが、自治体労働者は撤収の連絡がないので帰れないというケースもでてくる。これをどうするのかという話も総務省にはしている。

横山さん:東京の金町浄水場の件が報道されて、自分も住民に水を配った。牛肉でもそうだったが、知らされていないだけで、東京にもたくさん放射線物質の入った食材や水などが入ってくるのではないか、と思う。すでに地域の方々も、福島のお子さんたちを夏休みの間だけキャンプで避難させているということもやっている。
  今年の秋の米が心配だという声も聞こえる。すでに古米の買い占めが始まっている。放射能測定もやり始めている。場所によっては高い値が検出されるところもある。当然、住民の方からの問い合わせもいろいろあるし、今後も出てくる。
  南相馬市にも行った。津波や震災で家が破壊されたわけでもないのに、なぜ?という当然の疑問が渦巻いている。避難所にもたくさんの不満がたまっている。お子さんを抱えるみなさんの心配も大変なものだ。福島の人たちをみんなで支えていく努力を、いろいろなレベルで考えていかなければならない。

佐藤さん:NTTでは、作業をする人がどれだけ被爆したのか、ということをチェックするシステムは作っている。被ばく限度量を超えた場合は作業をストップさせる。しかし住民から修理の要望があったりした場合、やらざるを得ないこともある。
  また年間20ミリシーベルトという基準が本当にいいのか、ということも問わなければならない。労働組合としても基準緩和に対して厳しい立場で臨まなければならない。避難所になっていた学校に仮設公衆電話を設置した際に聞いた話ですが、みなさん学校に避難してくるのですが、そこで対応に当たるのが学校の教職員の方々。自治体職員もいるのですが人数が限られていた。学校の教職員が不眠不休で対応していた。避難所にたくさん人が集まった時にどのように運営されるべきかを考えておく必要がある。高齢者の方への対応も課題だろう。

■ 会場参加者から

参加者Aさん:学校の事務職員らでつくる組合にいる。今日は、公共サービスを担う労働組合の気概が聞けた。
  学校の避難所のはなしだが、今回は子どもが学校にいる時間帯での災害だった。子どもの安全、そして避難してくる方への対応など、学校の職員は大変だったと思う。
  避難所になっている学校で、担当者といえば、教頭や現業の職員を中心に地域住民とのネットワークを作っている。しかしいま現業職は民営化されている状況がある。自分の市の小学校の半分くらいで現業職が民営化されている。リーダーシップをとって動ける人がいなくなっている。
  かつては学校の修繕などは現業職員がやっていたが、いまではすぐに業者に頼むことになっている。自治労の蓄積やノウハウを生かすことが重要だが、民営化などで学校のなかに自治労の組合員がいないという状況もある。民営化の悪い側面があるだろう。

福島にも仲間の組合があり話を聞いた。この夏休みまでに、1万4千人の子どもたちが県外に避難している。来年の3月までもさらにたくさんの子どもたちが避難する可能性がある。
  学校の教員数は、子どもの数で決まる。多くの子どもたちが県外に避難した結果、いま定数よりも教員数が多くなっている。
  来年は福島県は教職員の採用を控えるという話が出ている。学校現場でも非正規、非常勤講師などがたくさんいるが、まずこの人たちの首切りが始まる。
  もちろんいま放射線の高い所に子どもたちはいない方がいいとは思うが、とはいえ全員が避難できるわけではない。人員が「過剰」になっているのであればこそ、そこに残っている子どもたちに対する手厚い対応ができるのではないかと思う。
  もちろん県は、子どもたちの「自主避難」に任せるのではなく、避難できる体制を責任を持って作る必要がある。しかし県は、「20ミリシーベルトで問題ない」といってはばからない。「放射線の専門家」といわれる山下氏を県のアドバイザーに任命し、屋外での体育やクラブ活動を容認し、子どもたちを被ばくさせている。少しでも子どもたちの被ばくを減らそうとしてマスク着用を勧めた教員に対して、当局からは「不安をあおるな」という圧力がかかっている。
  学校現場の労働者一人一人が対応するだけでは限界がある。だから労働組合の役割があるのではないか。

郡山教組の取り組みは手本になる。声を上げている市民の人たちの動きを支援することも労働組合の役割の一つではないかと思う。

もうひとつ、橋下・大阪府知事が「日の丸、君が代」強制を条例で決めた。9月の議会には3回職務命令に違反するという条例案をだそうとしている。
  しかし対象は教職員だけではない。教育基本条例とともに職員基本条例を制定しようとしている。「民の声を公に反映する」と謳っているが、「民」は民衆ではなく「民営化」のこと。府立高校の校長や副校長を5年間の任命制にするとか定員割れの学校は統廃合する、地下鉄を民営化して余剰人員が出た場合は免職ができる、職員の賃金は民間の賃金と同一にするなど、ひどい内容です。震災復興の陰で強権的な条例を可決しようとしている。

参加者Bさん:2001年にチェルノブイリの近くに行った。汚染地域に人が戻ってきている。1万人くらいの町が形成されて学校、病院もある。いま福島原発の周辺は避難区域だが、今後住民が戻ってきた場合、そこで公共サービスに従事する労働者についても考えなければならないのではないか。

司会:最後にみなさんから一言。

下見さん:山の頂上でも人が住んでいれば配達するのが郵便屋。すでにたくさんの放射線を浴びているだろうという半分あきらめの気持ちもあるが、それではいけないだろう。当局に対してきちっと対策を取らせるようなことも考えなければならない。

岡さん:水は24時間供給されるのが当たり前。だから公平・公正・安定的に供給されるよう今後も努力していきたい。
  水道の民営化の動きは世界的にあるが、今年6月イタリアで、原発とともに水道の民営化に関する国民投票があり、58%の投票率で98%の人、つまり有権者の過半数が民営化反対を支持した。ローマという水道の歴史を有する国の人々が「水は命」だと考えている。ドイツでも水道民営化は反対、フランスのパリでも民営化された水道が公営に戻った。公営原則のままで安全・安定供給を続けていきたい。そして、そういった理念を抱えながら政権に就いた民主党政権はいまボロボロだが、それを支えてきたのは連合系を中心とする労働組合であるというのも事実。公共サービスの理念を実現させるために政治を利用していくことも重要だ。

横山さん:新自由主義について考えてきた。もともと新自由主義や規制緩和、市場万能主義は、海外からネタを仕入れてきて、官僚や財界レベルやシンクタンクなどが実験をしているんだとおもう。労働者の側としては、国際的にも新自由主義ではだめだよ、という動きが出ていることに注目して、自分たちの力をつけていく必要がある。
  労働者の政治勢力も芳しい状況にはない。極少数派となった状況をどうするのかを考える必要がある。災害と軍隊について、被災地で自衛隊員と一緒に働いて考えた。反戦平和、反基地、反核、反自衛隊というのが一体でなくなってきている。自衛隊でいいじゃないか、という考えもあるようだが、どう考えるのか、今回の大震災での大きな宿題だとおもう。

佐藤さん:いまだ復興復旧の過程。今後も一層の努力が必要になっている。マスメディアの報道もだんだん薄れてきているようだが、現地の状況はいまだ悲惨な状況が続いている。このような状況を全国に発信し続けながら、公共サービス、私の場合は通信を維持していくことが課題。みんなと一緒になって考えていきたい。被災地・東松島では、牡蠣の養殖をしている漁師が全国の支援者からの一口出資金で産業と地域を立て直そうと努力している。被災地域の人々といっしょになって復旧復興に取り組んでもらいたい。

郵政改革法案について

棣棠浄さん(郵政労働者ユニオン)

かつて電電公社、国鉄行革が中曽根行革の中で民営化が強制された。われわれは小泉改革の中で、いったんは参議院で否決するほどの拮抗関係があったが、民営化が押し切られた。その後、政権交代がなされ民主、国民、社民の三党連立で見直しが進むかに見えたが、郵政法案はいまだに「政争の具」となっている状態だ。
棣棠さん  郵政事業は公共サービスだということを国会議員や世論に訴えてきた。2年前、三党連立、とりわけ国民新党ががんばって郵政民営化凍結法案が出された。そして出された郵政改革の基本方針は、われわれも驚くほどすばらしい内容だった。
  三事業一体のユニバーサルサービス、地域の拠点としての郵便局、非正規職員の待遇改善などが語られていた。

しかしその後、当初の理念は色あせていった。それでも我々は郵政改革法案を成立させ、そこから公共サービスとしての郵政事業を確立する手がかりを切り開こうと考えてきた。
  ねじれ国会という状況の中で、郵政特別委員会が4月12日になってやっと設置されたが、自民党が委員の名簿提出を拒否し続けてきた。しかしようやく8月11日になって、つまり菅政権の末期になって法案が付託され、動き出す兆しを見せた。
  今国会では審議はできず、継続となるだろう。郵政ユニオンとしては、いろいろと問題点がある法案だが、今日の議論でもあるように公共サービスとしての郵政事業を確実なものとするためにも、法案を通して、さらに修正を求めていくことが肝要であると考えている。監視ネットの皆さんと一緒に民営化を押し返えす取り組みを続けていきたい。

 

(報告 稲垣 豊)

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