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Headline 2011

2ネット方式の見直しのご都合主義   (10.27)
結局はさらなる効率化を目的とした無理筋の見直し論

旧くは新集配システム、2006年からは本格実施された2ネット方式。その本格実施前の05年11月に発出された具体的実施計画という文書を見てみよう。
  対面配達は「原則本務者とし、高品質な配達、効率的な集荷・営業を行う」。受け箱配達は「一定の条件下で転力化を行う」、ようするに非正規社員に行わせる。
  本務者には営業要員としての役割の重要性を担わせることが一点。「受け箱配達こ従事する本務者の配達割合を通集配の4割」とし残りを非正規社員とすることで労働力の効率化を進める、と。

実態はどうだったか。
  2ネット完全施行支店に見られるようになった状況は、熟練労働者の放逐である。いや実際には熟練労働を非正規社員が担い、本務者が補助的な労働に従事するような逆転現象が起こってしまったといっても過言ではない。
  集配の現場は、日々毎日一通一通地域にくまなく配達に出かけることで地域の状況を詳細に把握できるようになる。地域は、特に都市部においては日々状況が変化している。転入居情報等に限らず細かい地域の情報は日々そこに接していないと分からなくなる。
  たまに通配に入る本務者などは配達資料に頼りっきりとなり仕事の能率は著しく低下してしまう。
  さらに、どこも常態的な人手不足に悩み、実体的には2ネットが機能していない支店も少なくなかった。書留も速達も場合によっては小包も、本務者同様に配達してもらわなければ職場は回らない。管理者も実質的にそれを容認していた所も少なくないのだ。

期間雇用社員にとっては、場合によっては本務者よりも仕事に精通し、本務者と何ら変わらない仕事を担いながらも、その待遇の格差はあまりにも大きいといわざるを得ない。しかも営業尻叩きは本務者と変わりはない。雇用不安から本務者以上に営業に精を出す期間雇用社員も少なくない。スキル評価に締め付けられて、本務者以上に働き、休みもろくに取れない。
  そのような期間雇用社員が職場の6割を占めるようになっているのだ。

10月26日提示文書。これはある支社管内で発出された文書で、題名は「2ネットの見直し」。その中の「2ネット方式の見直しの基本的な考え方等」を、めんどくさい、以下全文紹介しよう。

2ネット方式の見直しの基本的な考え方等

1.2ネット方式の見直しの主旨

  1. 事業財政が厳しい中、損益改善の取組みのーつとして、集配体制については、二輪の高い機動力を最大限活用することを基本とし、生産性の高いオペレーションに改善する必要があります。
  2. 2ネット方式については、期間雇用社員の活用分野を受箱配達に限定し、正社員を対面配達に配置することとして実施しましたが、実施時には、多くの支店で期間雇用社員の確保難・定着難といった課題があり、現状においても、2ネット方式の体制とするため、期間雇用社員を募集・訓練している支店もあり、正社員の負担ともなっています。
  3. 一方、期間雇用社員については正社員への登用という選択肢もあり、期間雇用社員のモチベーションを向上させるために期間雇用社員の活用分野については、受箱配達に限定することなく、スキルアップを図っていく必要があります。
  4. これらのことから、2ネット方式については、2ネットのしばり(「対面配達」と「受箱配達」のダブルネットワーク)にとらわれず、効率性等を考慮し、各支店の地域事情・要員事情等に合った見直しを行うこととします。

2.見直しの方法等

(1) 実施方法.
  支店の要員事情、地域事情、業務運行状況、コスト削減(実効果)を総合的に判断して、全てを一度に見直すのではなく段階的に実施しても構いません。

(2) 集配区聞のあり方
  対面配達を通集配区(受箱配達区)で行うことにより、通集配区の業務量が増加しますが、一方、郵便物数が減少していることを考慮し、業務量に見合った集配区画となるように、必要な見直しを実施します。
  なお、増区ありきの見直しではありません。
  また、対面(混合)配置は、想定物数に基づいた減配置を検討してください。

(3) 期間雇用社員の訓練(対面配達)
  対面配達を行っていない期問題用社員が新たに対面配達を行う揚合は、接遇・対面配達の基本勤作・携帯端末機の操作方法等の訓練を、次を参考に支店の実情に合った方法で実施します。

ア.ゆうパック(小物・薄物)の通集配による巻き取りの推進に併せ、携帯端末操作、基本動作、接遇等のスキルを習得させます。

イ.配達物数が少ない日等を利用して事前訓練を実施します。

ウ.段階的にスキルに応じた訓練を実施します。
  (例:まずは「特定記録と簡易書留」に限定して訓練→段階的に「現金書留や特別送達」の訓練を実施。)

なお、全種類のスキルを習得するまでの間は、対面配達要員の一都を配置して応援させ、段階的に対面配達要員配置を解消します。

(4) 車両の有効活用
  上記(2)による混合区の減配置等により、車両の余剰が発生する場合は、自支店の借上解消、又は、他支活への管理換えによる当該支店の借上解消を行い、費用削減を図ります。

3. 見直し実施時期
  準備でき次第実施してください。

4.要員配置の見直しによる措置
  要員配置の見直しにより要員に余剰が発生する場合には、過職不補充や他支店への雇用替えを行うなど、雇用の確保にも配慮して雇用調整を実施します。

5.区分機に関する諸注意

(1) 可能な限り、現行のシステム通配区の調整により対応することとし、1パスプロックの列数が変わらない範囲で、区画調整を実施してください。
 ※ 1パス列数が変更となる場合は、区分指定面の変更(有償)及び1パス保管棚(平常用・年賀用〉の調整が必要となります。

(2) 新規にシステム通配区を追加する場合は、保守業者による区分機の設定変更が必要となりますが、区分機の設定変更については、原則として保守業者による定期保守に併せて行うこととします。
  なお、区分機の設定変更については、支社から保守業者に対して発注を行う必要がありますので、実施までに余裕をもって(遅くとも1か月以上前に)オペレーション部まで連絡願います。

(3) 区分織に関する不明な点については、オペレーション部まで照会願います。

6.2ネット方式見直しイメージ図
  別紙3のとおり

7.その他注意点
(1) 2ネット方式の見直しに当たっては、見直し後に要員の持出がないことを原則とします。
(2) 2ネット方式の見直しに当たっては、通集配の小物、薄物ゆうパックの巻き取りを必ず行うこととして検討してください。

以上。
  2ネットの見直しは効率化が最大の目的だというわけだから、これまでの2ネット施策は非効率であったと正式に認めたものだと思うが、もちろん官僚の文章にごめんなさいなどという言葉は並ばない。
  期間雇用社員には正社員登用の道があるのだから正社員並みに働いてもらうというが、去年11月の正社員登用率は、応募率で見ると25%だが、全体ではわずか4%に過ぎない。正社員と同じ仕事をしたからといって自動的に正社員への道が開けるわけではない。

2ネット見直しに関しては雇用調整もあり得るとしている。常態的な人手不足にもかかわらずさらに人員を絞り込めというのだ。

2ネットは実体的に破産していた施策だ。本来ならもっと早期に見直すべき施策だったろう。
  官僚は見直すにしてもただでは見直さない。さらなる効率化を目的とした無理筋の見直しをまた今回も提示してきたにすぎない。職場はまた困難を抱えることになるだろう。
  職場から、現場から、雇用調整などという結局は期間雇用社員など弱い立場の労働者にしわ寄せがいかないよう、きちんとした労働組合の対策が求めらる。
  JP労組にそれが望めないなら、違う選択肢もあるということを。

(多田野 Dave)