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Headline 2011

【寄稿】東北大震災の衝撃   (11.01)
長く関わり、継続することの大切さ

東北大震災の発生した3月11日(金)の午後2時46分、私は兵庫灘支店で夜勤勤務の不慣れな窓口業務に追われていました。夕方近く「東北で大きな地震があったらしい」「東京のビルが崩壊したらしい」という情報を仲間から聞き、休憩時間のテレビで東京の電車がストップして乗客が混乱しているというようなことを知りました。
  東北の惨状を目にしたのは翌日から放送されたテレビの映像からでした。地震による揺れだけでなく、その後に襲ってきたすべてを呑み込む大津波、福島第一原発の爆発事故による放射能の飛散という人災に大きな衝撃を受けました。
  私も16年前に阪神淡路大震災を経験していますが、その時とは比べものにならないほどの事態だと直感しました。

被災地を訪問して

機会あって5月18日から21日の3日間、東北の被災地を訪問し、福島県のいわき市、宮城県の仙台市、名取市、石巻市、山形県の米沢市の働く仲間たちとの交流をすることができました。
  被災地神戸だからこそできること、しなければならなことがあるはずとの思いで、「被災地メーデー」の参加者や各職場で書いていただいた花びらへのメッセージとともに支援カンパを届けることができました。
  案内していただいた被災地はテレビの映像で見る以上に衝撃でした。そこには空気が流れ、匂いがあり、それを肌で直接感じることができるからです。

見渡す限り破壊された家屋、車や漁船、ガレキが覆いつくし、津波の威力を思い知らされました。
  道路上の瓦礫が撤去されて何とか車が走れる状況でしたが、遺体捜査のためにあちこちが通行止めとなっており、復旧・復興にいったいどれほどの時間がかかるのかという思いが強まりました。
  被災地の地区労など労働組合は震災に伴う労働問題や放射能汚染問題、各種の相談活動に取り組み、家も工場も失った労働者への支援、便乗解雇で会社側と交渉し、撤回させたことなどを知ることができました。
  この交流がきっかけになって、6月に神戸からも参加しての被災地での労働相談、7月には交流でお世話になった宮城の仲間を神戸に迎えて現地報告とこれからの課題などについて交流をすることができました。
  神戸と東北、遠く離れてはいますが地域で働く者の交流と連帯の輪を拡げていくことが必要だと思います。

支援活動の継続を

被災地への支援ボランティア活動なども時間の経過とともに減少していることが時々報道されています。だんだんと意識の中から関心が薄れてきているのでしょうか。職場でも支援カンパ・物資の取り組みが行われ、ボランティアも取り組んできましたが「地元支部から要請がない」などの理由で中止になることも起きています。
  同じ組織(組合・会社)の仲間への支援にとどまらず、組織を越えた被災地支援ができないのかと思います。東北の惨状を目の当たりにして「何かをしたい」と思っている仲間は決して少なくありません。
  また、ボランティアに行けなくとも、多くのカンパができなくとも被災地東北を見続けていく、関心を持ち続けていくことが大事だと思います。そして、遠慮や風評などに惑わされることなく機会があればぜひ東北の地に足を運んで現状を見てほしいと思います。

阪神大震災の経験から

私たちは阪神大震災のなかで、神戸地区労を中心として労働相談活動を行い、非正規労働者の解雇や工場閉鎖問題、仮設住宅の調査にも取り組んできました。また、被災者を支援する公的援助法の制定を求める運動を進め、不十分ながらも実現させることができました。
  そして、震災から1年目の1996年5月1日、働くものと地域住民・被災者との交流・連帯をめざした「被災地メーデー」が誕生しました。
  組織労働者だけのメーデーから被災地域の住民のみなさんや未組織の非正規労働者などと交流し連帯していく手作りのメーデーです。

メーデー会場の地元自治会、商店街の協力も得ながら被害の最も大きかった長田区の会場を中心にして3部構成(1部:連帯の広場=地域からのメッセージ、働く者の闘いの小劇など。2部:熱唱&熱笑=歌、踊り、演奏、落語、講談など。3部:お楽しみ抽選会=参加団体・個人からカンパされた賞品の抽選会)そして、メーデー川柳や屋台村(模擬店)の運営など地域ぐるみで楽しめる内容となっています。
第16回被災地メーデー  この間には「被災地メーデーの名称を続けることはどうか」などの議論もありましたが、「被災地」にこだわりたいという思いでその名称のまま16年目を迎えています。毎年、1000人を越える参加者で賑わっています。職場では組合組織の統合によって支部組織で参加することはできなくなりましたが、地域との交流・連帯を大切に思う仲間がJP労組、ユニオンなど組織を越えた取り組みとして拡がっています。
  東北の地でも震災を通じて働くものと地域住民・被災者が交流・連帯できる取り組みが拡がっていけばと思います。

(日本郵便灘支店 芝 英機)