トップへ
Headline 2011

日本郵便、超勤命令簿の不正な処理を認める   (12.22)
超勤命令簿の不適正な取り扱いの根絶に関する緊急指示を発出

事の始まりは12月5日付で参議院に提出された「高年齢の期間雇用社員の雇止めと要員不足対策に関する質問主意書」。提出者は社民党又市征治参議院議員。

それには、そもそも非正規高齢者の雇用の推進・確保を図るのは政府の方針であるにもかかわらず、これに真っ向から反するかのようにこの9月末に高齢者の大量雇い止めを行ってきた日本郵政グループの姿勢を厳しく糺し、それに対する政府の見解を問い質している。
  さらに、熟練労働者の大量解雇による現場の要因不足と混乱状況を具体的に支店名を列挙しつつ政府としてきちんとした調査に入るよう要請していた。
  名前の挙がった支店は千葉船橋支店と埼玉越谷支店。

12月13日、この質問主意書に対する回答が政府から出された。(上記参議院質問主意書情報HP参照
  政府、厚労省としても高年齢者の継続雇用や新規採用の促進を図っているところ。
  今回の郵政グループによる65歳雇い止めについては、政府調査に対する郵政グループからの回答として、各支社ごとの解雇人数の具体的な数字を挙げている。

さらに、名前の挙がった船橋、越谷両支店について36協定を上回る時間外労働の実態が一部明らかになったとして、日本郵便はその詳細について現在調査中とのこと。

緊急指示そしてその調査の結果出てきたのが、12月16日付け「超勤命令簿の不適正な取り扱いの根絶に関する指示」。緊急指示とある。
  それによると、「某支店において、36協定違反の発生とそれを隠ぺいするための超勤命令簿の不適正な取扱いを行っていたことが発覚しました」と、越谷支店の超勤命令簿の不正な処理を認める文書となっている。
  事実と発生の経緯、問題点、再発防止のために等の社員周知及び同種事案の根絶に向けた対応が記されている。

別紙「超勤命令簿の不適正な取扱いについて」を詳しく紹介しよう。

2. 発生の経緯
(1)ゆうパックの配達対応等のため超勤を行い、36協定違反を発生させた。
(2)課長代理は、超勤命令簿を改ざんして、36協定違反をした日の超勤を別の日に付け替えていた。
(3)管理社員は、上記(2)の事案を黙認し、支庖長等への報告も怠った。

3.今回の事例の問題点
(1)超勤命令簿の改ざんは、重大なコンプライアンス違反であることを認識せず、36協定違反を回避するため、安易に超勤命令簿を改ざんした。
(2)課長代理は、36協定違反及び手当の不払はコンプライアンス違反と認識していたが、超勤時間の付け替えはコンプライアンス違反には該当しないとの誤った認識であった。
12月19日、船橋支店へ抗議の朝ビラ(3)36協定違反の事実を知りながら、支店長等へ報告しなかった。

4.再発防止のために
(1)管理社員及び勤務時間管理員は、超勤命令簿の改ざんにより36協定違反の隠ぺいをすることは、「刑事罰の対象となる場合があること」、「会社に対しても損害を与える場合があること」から絶対に行わないでください。
(2)管理社員及び勤務時間管理員は、定期的に以下の書類の突合及び確認を行うことによって、36協定違反や書類の改ざんの有無を確認してください。
 ・「超勤命令簿」に記載された勤務命令時間
 ・「鍵の授受簿」、「点呼記録簿」及び「精算調書」に記載された時間
(3)社員は、超勤命令簿に押印する際に、上記(2)に記載された時間をよく確認し、実際に超勤した時間と異なる時間が記載されている場合等は、速やかに管理社員文は勤務時間管理員に申し出てください。

指摘された超勤命令簿の改ざんは越谷支店の事例。郵政ユニオンによる地道な調査によって指摘し続けていたもの。
  会社が、事実を事実として認めたことは評価しよう。しかしそれも今回のように又市議員による国会追及があったからと考えると手放しの評価はできない。

12月22日、越谷支店へ抗議の朝ビラ再発防止のために。いぜんとして対処療法でしかない。これまでの会社の対応と何ら変わりない。問題はその不正を誘発した原因なのだ。相変わらずの個人責任のせいにしてお茶を濁そうとしているに過ぎない。
  越谷支店では管理者に対する処分が検討されているようだが、交通事故を起こした職員に対するそれのように、朝礼時に管理者をお立ち台立たせて大声で謝罪文を読み上げさせるつもりか。それが会社のこれまでの「再発防止」策だったのではないのか?

  原因は会社の施策にこそある。誰の目にも明らかだろう。熟練労働者の首を切ったのは誰なのだ!再三事前に職場混乱をもたらすと具体的に警告を行ってきたにもかかわらず、聞く耳一切持たず一方的に大量雇い止めを強行してきたのは、なんという名前の会社だ!
  職場混乱は未だ続いている。それどころか混乱を放置しての年賀営業合戦まで続いているという。郵政ユニオンは具体的に名前の挙がった船橋・越谷両支店に抗議の朝ビラを行いさらに追及を続けている。

(多田野 Dave)