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年賀繁忙点描―営業と経費削減一辺倒に追われた日々  (01.10)
劣化する職場管理能力と相変わらずの精神主義

年賀繁忙突入直後とも言える国会追及が全国に波紋を投げた。参議院又市議員による質問主意書が暴いた職場の混乱と超勤簿改ざんの事実が、本社・支社の管理者を走らせた。

12月27日、くだんの千葉船橋支店にはなんと鍋倉社長及びその取り巻き連中が突然お忍びで視察に現れたという。この支店はタウンメールの破棄問題も抱えており、本社も座視できなかったということだろう。その後31日にも抜き打ちで5名の関東支社職員が1日中張り付いていたとのこと。この支店は支社・本社が慌てている最中にも、ファイバーに溜まった残留郵便の山を前に年賀営業の尻叩きを行っていた。現場管理者の職場能力を誰もが疑っていた。昨9月末、期間雇用社員の2割にもなる80名もの高齢者をリストラした支店である。混乱するのは誰の目にも明らかだった。現場では日本一のブラック企業だと揶揄しあっていると。

越谷支店の超勤簿の改ざん問題では12月16日に会社をして緊急指令を発出させた。「超勤命令簿の不適正な取り扱いの根絶に関する指示」には、コンプライアンスを守れとの指示が出されているが、これも現場の管理者の責任を問うばかりで、会社の構造的な問題には何も言及されていない。そんな管理者を育成指導してきた会社のこれまでの体質そのものが招いた事態であるにもかかわらず、事が起きればすべて現場の個人責任にして経営責任など一切不問に付す体質は、そう、最近似たような事例を身近に見てきたような。原発事故によって暴かれたこの国の大企業、官僚、マスコミの無責任体質と同一のものだ。同じ穴の何とやらという訳だ。

ただ、現場からは八つ当たり的な悲鳴も聞こえてきた。「ユニオンが余計なことをしやがったから超勤も付かずかえってきつくなった」と。
  残念ながらその意見には与しない。気持ちは分からないでもないが、その事なかれ主義が途方もない事態を引き起こしてきたのだと言えないか?この国の無責任体質が現場の隅々にまで染み渡っていた結果、目の前で、人類が今まで経験したこともない参事をも引き起こしてしまったのだと。
  原発事故に比べれば郵政の職場混乱など些細な事かも知れない。しかしその些細なことを見逃してきたツケは小さくなかったということだ。

にもかかわらず組合潰しが横行する

年賀営業。12月2日付の「年賀状、売れない人は、お立ち台」という記事で浜松東支店の例を取り上げたが、似たような事例は全国でも少なくなかったようだ。
  その中でも悪質な例を一つ紹介したい。
  毎朝、営業実績の上がらない社員を正規・非正規を問わず一人ずつ立たせて反省と決意を表明させる。ここまでは先の事例と同様だが、それを率先して指導していた課長がふと一言漏らしたという。「徹底的にプレッシャーを与えて潰すんだ」と。
  しつこく、何度も何度もお立ち台に立たされていた女性の期間雇用社員。この方はユニオンの組合員でもあった。あまりのしつこさにとうとう気持ちが壊れてしまったと。ある日10万円を手にお立ち台に立ち「これで2000枚買いますからここに今すぐ年賀状を持ってきてください。いや、この場でそれを投げ捨ててもかまいません。この10万円でもうお立ち台に立たなくてもいいでしょう」とみんなの前で叫んだと。

管理者は「それはコンプライアンスに反する。あなたはいいかもしれないが処分を受けるのは私だ」と言い放つ。
  しかしこの件以降彼女に対する問責もお立ち台も尻すぼみになっていったという。「プレッシャーを与えて潰せ」と言ったということが職場でも広まり始めたということもあるようだ。
  つまり、この管理者にとって年賀営業とはその実績そのものよりも、それをダシに使った労務対策こそが一番だと思っていた訳だ。
  現場の荒廃が事業基盤そのものを浸食していってるという現実を、会社が育成・指導した管理者が顧みることはない。会社の育成・指導とはただ一つ、単純な原理だ。上意下達。
  民営化されて何が変わった?現場のチェック機能を果たすべき大労組そのものが巨大な官僚機構として水ぶくれしている現状とも合わせて、職場の困難はますますのっぴきならないものになるばかりだ。

今年、私たちはまた同じような困難を一方的に背負わせられるのだろうか。
  依然として私たち自身が問われている。ユニオンや伝送便そのものが処方箋を有しているわけではないということ。
  私たちの運動の拡がり以外に、その運動の中以外に、手がかりは見えてこないだろうと。

(多田野 Dave)