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郵政非正規「スキル裁判」経過報告と支援のお願い  (02.21)
「スキル裁判を支える会」会報2月18日号より転載

大阪地裁で闘われている「スキル裁判」。今回その支える会会員向けの会報が発行された。会員向けの会報だが、会代表の了解を得た上でご紹介したい。

「スキル裁判」へのご支援・ご協力のお礼と裁判経過

支える会会報「スキル裁判を支える会」に加入していただき、物心両面ににおける裁判闘争へのご支援・御協力に感謝申し上げます。

既にご存じのとおり、「スキル裁判」に起ち上がった原告らの想いは、そもそもその評価の目的・規準がまったく異なり、別評価であるべき「基礎評価」と「スキル評価」を「連動」させ、「起訴評価10項目」のうち、一つでも「△(できていない)」と評価されると、スキルAランクの評価項目にある「他の時給制契約社員等に対して、指示・指導ができる」を「正確かつ迅速にできるまでに至っていない」として、「習熟有」を「習熟無」にすることによって、大幅な賃金ダウンとすることは、そのダウンされる金額の大きさを含め、あまりにも理不尽で納得できるものではないということです。

会社の賃金評価に対する考え方においても、「起訴評価」とは「社員としての基本的事項についての評価」とし、「スキル評価」については「職務の広さとその習熟度についての評価」とされており、会社の評価の位置づけにおいても全くの別評価であることは明らかです。
  今回の訴訟の原因となった「遅刻」や「交通事故」ついて、そのことをもってスキル評価の目的とされる「職務の広さとその習熟度」として評価されるものでは決してありません。

会社もそのことは十分承知していると考えられます。
  今回の賃金ダウンにつながった「起訴評価」と「スキル評価」の「連動」は、2010年10月契約更新時から突如として実施されたものであり、それ以前においては、「遅刻」や「交通事故」で「習熟無」とされることはなく、「A習熟有」は継続されてきていました。
  この突如としての評価変更に、今回の強引なまでの「連動」の大きな問題点があるといえます。

西川前社長が強引に推し進めた宅配事業統合の失敗により、大きな「赤字」を作り出した経営蓄の責任をまったくとろうともせず、労働者にその「赤字」の責任を押しつけようとする「経費節減施策」の一環として「連動」が強行実施されたということができます。
  私たちは、このようなまったく何の根拠もなく、会社の一方的・恣意的判断で期間雇用社員の賃金が決定され、しかも「赤字」のツケ支払いとして生活が脅かされることを許すことはできません。

今後「会報」において、裁判における双方の生張点等について、報告をさせていただきます。
  さらなる会員加入の呼びかけをお願いするとともに、より一層の御支援・御協力をよろしくお願いいたします。

 【裁判経過】
 

2011年
5月22日  「スキル裁判を支える会」結成総会
6月22日  宝塚支店Aさん裁判提訴
8月 9日  大阪城東支店山本さん・黒田さん提訴
8月15日  大阪豊中支店石澤さん提訴
8月25日  宝塚第1回裁判
9月22日  大阪城東支店第1回裁判
9月22日  大阪豊中支店第1回裁判
10月20日  大阪城東支店第2回裁判
10月27
日  大阪豊中支店第2回裁判
11月24日  大阪城東支店第3回裁判
  2012年
1月19日  大阪城東支店第4回裁判
1月19日  大阪豊中支店第3回裁判
【宝塚裁判(非公開・準備手続きとして進行)】
11月9日、12月20日、2月2日
次回、準備手続き 3月8日 (非公開)

  次回口頭弁論期日

3月1日(木) 大阪地裁裁判所

大阪城東支店 10時30分 708号法定
  大阪豊中支店 11時10分 608号法定

 

兵庫・宝塚支店のAさんが、スキルアップシートの変更等による不利益な労働条件変更に関して、大阪で活動を続けておられる「アルバイト・派遣・パート関西労働組合」に根談され、その問題点を団体交渉等を通じて追及されてきました。
  その後、「遅刻」による大幅なスキルダウンにつても「アルバイト・派遺・パート関西労働組合」に相談されるとともに、郵政労働者ユニオン北部支部にも不利益撤回の取り組みを要請される中で、「アルバイト・派遣・パート関西労働組合」の大橋さんには、「スキル裁判を支える会」の事務局にも参加していただき、裁判を共に闘っていただいております。
  その大橋さんより、団体交渉等を通して見えてきた郵便事業会社の官僚的な体質を含めた問題点を報告していただきました。

外から見た郵便事業(株)の閉塞感

最初にAさんから相談を受けたのは、2010年1月のことだった。
  Aさんはこれまで「窓口」業務に従事してきた。そして、実際に従事している業務にマッチしたスキルアップシートの適用を受け、「A・習熟度有り」との評価を受けてきた。
  ところが、会社はそれまで使用してきたスキルアップシートが聞違っていたとして、全国墓準モデルの「窓口」のスキルアップシートを適用すると一方的に通告してきた。
  この全国基準モデルのスキルアップシ―トの評価項目は、Aさんが実際に従事している業務とかけ離れたものになっており、このスキルアップシートで評価した場合、Aさんの評価は「C・習熱度無し」となる恐れが高いということであった。

相談を受けてしばらく、Aさんが何を言っているのか理解に苦しんだのを記憶している。そして、その後団交を重cutねる内に、郵便事業(株)では奇妙な世界が広がっていることに気付かされた。

常識的に言えば、Aさんがどのような仕事に従事するかは会社が指示する。そして、Aさんはその指示に従って働き、会社はそれを査定する。それだけのことである。
  ところが、会社はAさんが従事してもいない仕事について査定するという。
  団交でそのおかしさについていくら主張しても、「会社で決まっていることですから」という回答が返ってくるだけで全くかみ合わない。

しかも、全国基準モデルのスキルアップシ―トを適用するために、現に支障をきたしているわけでもない業務体制を見直し、そのために研修までやるという。何もかもが本末転倒している。
  その上、会社側の担当者として団交に参加している業務企画室長が、その馬鹿馬鹿しさと奇妙さに気付いていないようなのである。

率直な感想を言えば、この会社は質の悪い官僚制に骨の髄まで侵されている。
  郵便事業(株)の中だけでしか通用しない奇怪な論理がまかり通り、管理者がそれを疑問にも思わない。管理者は自ら思考することを停止し、問題を解決する意思も能力も無く、ただ本社なり支社なりの指示をオウム返しに繰り返すだけ。

ネジの外れた機械を相手にしているような味気ない団交を重ねているうちに、ずっと以前に読んだカフカの「審判」を思い出した。
  ストーリ―は、主人公が何の罪を犯したかも分からないまま、訳の分からない裁判に引き出され、最後は処刑されるというもの。かなり退屈しながらようやく読み終えたのを覚えている。
  どうしようもない閉塞感が共通しているのだ。
  どこかで風穴を開けたいものである。

アルバイト・派遣・パート関西労働組合大橋


原告から裁判提訴の決意と支援のお願い

兵庫県・宝塚支店 A

はじめに「スキル裁判を支える会」にご理解とご支援を賜り大変ありがとうございます。
  私は、兵庫県の郵便事業会社宝塚支店の窓口で、時給制契約社員として勤務しております。
  平成22年6月23日、シフトを見間違い1時間遅刻をしてしまいました。この1回の遅刻によって、処分を受け、さらに、基礎評価給の項目4「無届の遅刻・早退・欠勤はなかった」を「△」と評価され、そのことによりAランクの評価項目「他の時給制契約社員への指示・指導ができる」も「△」になると結びつけられ、「習熱度無し」と評価されました。
  そのうえ、「資格給」の支給区分も「窓口」から「その他」へと変更され、時給にして「100円」、月額で「12,000円」の大幅な賃下げとなる不利益をこうむりました。
  最高のランクでも1,000円にみたない低賃金で働く私たちにとって、この時給のカットは即生活に響いてくる切実な問題です。

このように墓礎評価に「△」があれば、全く関係のないスキル評価と結びつけ「習熱度無し」とする根拠はなく、また、正社員と比べて極めて不利益が生じる評価制度には問題があるといわざるを得ません。
  私は、この理不尽な評価制度を裁判に訴えることを決意しました。
  会員の皆さん、どうぞ最後まで、3つの「スキル裁判」にご支援いただきますよう、お願い申し上げます。

大阪城東支店 山本一馬

期間内にたった一度の遅刻で、基礎評価を△にされて、その上Aランクの「他の期間雇用社員に指示できる」の所を△と連勤させてこられて、210円も時給が下がるとは思ってもいませんでした。
  私は、以前にも遅刻をしてしまったことがあるのですが、その時は「基礎評価給」が「△」とされ、10円がつかなかっただけで、スキルは「A習熱有り」のままでしたので、なぜ今回は習熟が無しにされるのかと驚きました。
  苦情処理制度を利用しようとしましたが受け付けられませんでした。
  正社員であればここまでの処分にはならないだろうし、仕事内容は、まったく変わらないのにここまで待遇に差があるのだと初めて実感した気がします。

私だけでなく他の人達にも同じような事があると聞きました。このような事を許せば評価者の思うがままになってしまい何も言えない職場になってしまうと思い裁判を決意しました。
  正社員との格差を無くし均等待遇の第一歩として、頑張っていきますのでご支援をよろしくおねがいします。

大阪城東支店 黒田慕司

平成22年4月から9月末までのスキル評価で、A有りからA無しに落とされました。理由は期間中の1回の遅刻(20分)です。
  正社員なら「すみまぜんでした」で終わりだと思います。1回の遅刻で賃金を下げられることはありまぜん。
  だけど、期間社員は所詮アルバイト、どうでもいい、どうなってもいいという思いが会社にあるのではないでしょうか。
  スキルを落とされた評価期間より以前は、遅刻があっても基礎評価10円は落とされましたが、スキルの項目まで落とされることはありませんでした。
  当時の課長から、「遅刻をしたから他の期間社員に指示指導はできない」と言われ、時給で210円も減らされました。あまりにも正社員と期間社員の差がありすぎると思います。

納得がいかず、組合から苦情会議を支店、支社にお願いしたのですが会社から拒否をされ裁判を決意しました。
  cut210円を減らされたのは私と山本さんだけではありません。その方たちのためにも裁判を決意しました。
  この裁判で正社員との差がなくなることを望みます。

大阪豊中支店 石澤浩

日頃より皆様のご支援ご協力ありがとうございます。
  “戒告処分無効確認等講求事件”で提訴し、被告側よりも準備書面(反論)の提出もあり、いよいよ双方の弁論が開始される状況となってきました。
  今回は下記の2項目を中心に提訴しております。
  軽微な事故であり“戒告処分”は違法で、不当で無効、“基礎評価△”に伴う“A習熱無”の評価は違法、不当(評価の連動)。
  10月20日、被告側よりの準備書面では上記2項目全ての訴えに対して、被告側の正当性を主張してきており、戦いを挑んできております。
  その反論内容は予測された内容で私自身ますます闘志が沸いてきております。

私の今回の社内処分“戒告”は処分を受けるのはやむをえないが、その処分内容に疑問と法的に問題ありと思い苦情申告、提訴へと行動をしてきました。
  “基礎評価△”に伴う”A習熟無”の評価は違法・不当(評価の連動)。時給総減額が30、000円/月以上となり、労働基準法91条の趣旨義務違反(当事者としては減給処分を超える処分)。毎回の契約更新は事務的であり、継続雇用と変わらない(書面上のみ解雇、新規契約)。処分の対象となった車輌破損事故については同程度の破損車両は豊中支店内では数多く保有運行されており、同様な処分がその都度くだされていないはずである(処分の不公平牲がある)。

私は勤続4年8ヶ月ですが、入社以来、郵便事業会社の人事評価制度に疑問をもっております。
  人を評価するするシステムとしては不適切である。マイナス評価のみでプラス評価の考えがない(表彰制度はあるが)。表面は公正さを打ち出しているが、評価自体公正な状況でされていない。
  人材は企業の宝であり、業績向上への原動力であり、“全人間的な評価”のできる制度にすべきである。そこで組織人の“やる気”を起こさす風土を構築していくべきである。現在はただ人件費抑制のみの機能しかない欠陥評価システムである。

今回の訴訟行動で人事評価制度の改革へ導くことができればと思い今後の行動をしていきたいと考えております。
  引き続きご支援をよろしくお願いします。


「スキル裁判を支える会」会員加入をお願いいたします

● 会費(年会費 4月1日~3月31日)
・個人会費(一口)1,000円
・団体会費(一口)2,000円

● 郵 便 振 替 口 座
・口座名 「スキル裁判を支える会」
・口座   00980-2-328113

「スキル裁判を支える会」
【連絡先】
NPO法人 ゆうせい非正規労働センター
mail: mail*usay-npo.org (*を@に換えて)
「スキル裁判を支える会」代表:稲岡 次郎