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【投稿】 橋下退治は夜行バスに乗って    (03.30)
おおさかユニオンネットワーク春闘総決起大会参加の記

3月16日、大坂総行動が行われた。今回の行動は、大阪総行動としての各争議先会社への抗議行動の中に、大阪市への共同要請行動が組み込まれている。

郵政ユニオン近畿地本からの熱烈参加要請メールを読んで、「行こう!」と思った。しかし、大阪は遠い。解雇(65才解雇)の身、徒歩・ヒッチハイクで行く方法が頭の中を駆け巡るが、結局、夜行バスという結論に落ち着く。
  夜行バスは初体験。日にちが迫っているせいか、席が空いていない。楽そうな「3列席」を捜すが売り切れ。仕方なく「4列席」で検索、往復は別な会社で、やっと席を確保できた。

乗車日は、夕方からの「国労闘争は終わらない」の事務局会議を終えて、そのまま、乗車地の新宿へ。ほとんど眠れないまま、朝7時半前に大阪駅に到着。
  はじめの抗議先「テルウェル西日本」(電通合同)のある森ノ宮駅に向かう。下車して地図を見ながら捜していると、曲がり角にユニオン近畿地本の山下書記長が待っていて下さった。ここで、65歳裁判について発言させていただき、ビラも撒かせていただく。

二つ目の抗議先、クボタ(全港湾大阪支部)を経て、日通大阪支店(天六ユニオン)へ。隔離や仕事を与えないなどの社員いじめの案件。
  ここでの行動がすごかった。日通は、若手男性社員を入り口前に、壁のように配置していたが、会社が申し入れ拒否とわかるや、それをかいくぐって大勢が社内に突入。大きな組合旗も一緒になだれ込む。私も続いて社内に。屋内にもかかわらず、組合は、「団交拒否は許さない」とマイクで叫び、実況中継する。
  私もそばに立っている若手社員に向かい、「団体交渉は労働者の権利、団交拒否はコンプライアンス違反だ」と言った。しかし、若手社員は無表情のまま。
 「あなたは『会社に従っていれば、社員としての地位は安泰』と思っているかもしれないが、そんな保障はどこにもないのよ。会社は、利益のためなら何だってしてくる。よく考えて」と、心の中で語りかける。
  こういう行動を見聞きすることによって、少しでも、企業のしていることや労働者のおかれている立場に目を向けるようになってほしいと切望する。
  組合側は、組合旗で社内の監視カメラを覆って撮影阻止。そうこうするうちに、警察官登場。組合は、警察官を説得?し、会社との交渉にあたらせる。うーん、さすが大阪、熱い抗議行動だった。

ここで、近畿地本の皆さんと一緒に昼食。何カ月振りかに卵かけご飯を食べた。震災以後、あまり卵を食べなかったので、おいしい。関西に来ると、食べ物にあまり気を使わなくてもよいので、肩の力が抜ける。呼吸も楽にできる気がする。呼吸や食事も普通にはできないような日本になぜなってしまったのか。してしまったのか。原発は、必ずや、日本からなくさなければならない!

昼食後、大坂市役所に向かう。
  大阪市役所には約300名が集結。マスコミのカメラもいくつも見える。
大阪教育合同労組スト決起  この日は、大阪市職員基本条例が市議会議員運営委員会に提出される日だ。この行動は、全大阪労働組合総連合(大阪労連)、全国労働組合連絡協議会大阪府協議会(大阪全労協)、全日本港湾労働組合関西地方本部、国鉄労働組合近畿地方本部、全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部、関西マスコミ文化情報労組会議、おおさかユニオンネットワークの7労組が共同で、橋下大阪市長の教育基本条例、職員基本条例に代表される人権侵害・労組破壊に関して、大阪市に対し共同の要請行動に取り組むというものである。
  大阪のみならず、全国から駆けつけた様々な立場の方が、組織の壁を乗り越えて、橋下市長の言動に対する怒りと不満をぶつけた。

その後、非正規社員の大争議、松下PDP(守口市)での行動を経て、最後の抗議先、「櫻宮化学」(全日建関西生コン支部)に向かう。
  工場の門は、住宅街のせまい道に面している。社長は、組合設立からずっと団交を拒否しているらしい。シュプレヒコールでは、「社長は団交に応じろ」「団交拒否を許さないぞ」等の定番の中に、突然「社長は、ハト、ネコに餌をやるな」というのが出てきて、参加者からは「?」という戸惑いと笑いが起きる。
  これを聞いて、2階のベランダから様子を見ていた近くの住宅の女性も笑っていた。この女性も、続くコールの「隣近所も迷惑しているぞ」の被害者なのだろうか。ここでは、コールが何回も繰り返された。その度に、「そろそろ、ハト、ネコになるぞ」と期待してしまう私だった。

その後、「大阪―全国参加者交流集会『橋下攻撃の実態』」参加のため、エルおおさかに向かう。多くの参会者から、橋下市長の言動に対する批判と危機感が表明された。
  橋下の、例の「アンケート」は驚くべきものである。
 〈大阪市職員アンケート〉 http://www.asaho.com/jpn/2012data/osaka-enquete20120220.pdf

まるで、戦前・戦中の言論統制だ。これは、単に、組合差別というにとどまらず、人権侵害そのものだ。このようなアンケートが、白昼堂々と行われることが信じられない。
  市職員の話によれば、このアンケートには、PC上で回答するが、質問をスキップすることはできず、戻ることもできないそうだ。また、PCが一人一台ない職場では、上司がそばについて、回答させられるという。
  同アンケートは、現在、「凍結」されているだけで、廃棄されたわけではない。廃棄されなければ、回答拒否の職員への処分の危機はなくならない。

  その後、懇親会に参加した。お一人に、65歳裁判を支える会に入会していただく。感謝。
  終会後、山下書記長に大阪駅まで送っていただき、無事、夜行バスの乗客となった。この日の総歩数1万6,742歩!疲れたせいで、帰りは、少し眠れた。

17日朝7時半、新宿に到着。雨。まだ帰宅できない。この日は、午後から、明治大学で開かれる「有期労働契約法制と『有期』という働き方を考える」という集会に参加。
  この集会では、主に、厚労省の労働政策審議会が2011年12月に行った「有期労働契約の在り方について」という建議(案)についての話し合いがなされた。
  集会でははじめに弁護士さんから、「有期労働契約の法規制―有期労働契約に関する労働契約法改正について」と題するお話があった。現行法制や、法制をめぐる経過、諸外国の実情など、非常に分かり易いお話だった。
  次に、全労働省労働組合の方から、建議(案)を踏まえての報告があり、「この契約の何が問題なのか」の提起がなされた。その後、参加者を含めての討論が行われた。
  参加者は、学者や労働組合関係者、大学生、非正規労働者等々である。労働者からは、現場での実感に基づき、この案に疑問が呈された。私も、郵政非正規の労働実態を話した。

結局、弁護士さんは「5年を超えれば、『期間の定めのない契約』への変更が可能になるのだから、今よりは一歩前進」という立場から、この建議案を支持。話し合いに入ると「それでは、この改正がなされない方がよいのか」と迫ってきた。
  それに対し、参加者は、「前進を否定するわけではないが」としながらも、この法制化不支持、少なくとも、疑問を呈する意見が多かった。私は、2年前のJPEX設立の際、「賃金1/2、又は1/3への削減を了解するか、退職するか」の二者択一を迫られた経験を挙げ、「会社は、そんなに甘くない。5年上限とされれば、必ず、その前に手を打ってくる」と発言した。

首都圏青年ユニオンのKさんは、現場労働者の実態を見聞きする立場から、「労働組合として、この法制では闘えない」と発言。机上論でなく、労働者一人ひとりの顔を見ている方の意見だと実感する。
  私も、「5年」という契約期間が、「6か月のクーリング期間」を経れば反復可能とされることは、結局、非正規労働を容認・促進することではないかとの疑問があり、Kさんの発言を支持、あくまで「入口規制」導入に努力すべきと訴えた。
  一旦、非正規に組み込まれてしまえば、非正規労働を繰り返さざるを得なくなる現状がある。そこから正規に転換するのは、かなり狭き道だ。だからこそ、入口規制導入が必要だと思う。

今回の行動に参加して感じたことは、3・11以降の新しい風だ。それは、今回の市役所への共同行動に、象徴的に表れている。また、脱原発デモや経産省前テントなど、多くの市民の自発的な行動にも見られる。この動きが、余りにも劣悪な状況に置かれている非正規労働者をはじめとする労働者へも広がってほしいと思う。
大阪のファシストは?ハシモトだぁ!  現在の状況を変えるには、労働者の団結が必要だ。例えば偽装請負で闘っている者など、一部の労働者は本当にがんばっているが、それを大きな動きにできないことが問題だ。近く参議院を通ってしまうかもしれない改正労働者派遣法や有期労働法制改正案などを成立させない、または、内容を改善させるためには、大同団結しての大きな運動が必要だ。

おおさか総行動を含む週は、8日間、全日、活動予定が入っていた。何だか、解雇前より忙しくなったような気がする。今日はこれから、ストのため、前泊地に向かわなければならない。
  終わったら仕事を探さなければと思いつつ、千葉に向かった。

(丹羽良子)