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机上の合理化、現場の非効率    (06.02)
―新携帯端末機システムの導入顛末記―

郵便屋さんピッ、ピッ、ピッ・・・と職場のあちらこちらでうるさく携帯端末の音がなっています。最近の職場は、働いている労働者の生の声は聞こえてきませんが、携帯端末機や配備されている事務パソコン、区分機の機械音だけが騒がしく事務室内を流れています。まさに郵便工場となっているのが現状ではないでしょうか。

 IT合理化の非効率

昨年10月以降、各職場で導入された新携帯端末機システムにより仕事内容がゴロリと変わってしまいました。
2月より、私が働いている加古川東支店(兵庫県)においても郵便課段階において授受簿のIT化として導入されました。3月には窓口関係の不在システムとして書留関係ではすべて導入されました。

携帯端末本社はこの携帯端末機システムの導入により、物数集計の自動化及び点検事務の簡素化が図られ、支店内の内務・外務担当者間の書留郵便物に係る授受簿を電子的に作成されるといいます。
  そのことにより紙による授受簿が廃止されコストダウンが図られ、押印作業が軽減され、各段階での動きが把握できることにより事故、犯罪が抑止されると言っています。
  でも、実際の職場で作業しているものにとっては疑問が多いところです。

その一つが、作業がより繁雑になったことです。書留が一つ動く毎に端末入力(登録)が必要になっています。
端末登録回数  例えば、書留が支店に到着して一回不在留置になって配達されるまでを例にとると、右の図のように23回も入力(登録)作業が必要となります。基本的には書留一通毎に入力していく作業となっています。
  特に授受票には書留番号が数字では表示されていないため、通数が違えばどの書留が入力漏れをしているかが分かりません。作成した授受票を破棄して、再度作成し直さなければなりません。

 あちら立てればこちら立たず

授受簿が廃止されたため、今まであれば、授受簿を一見すれば、どの区が帰っているかどうかについてはすぐに分かったものが、そのたび毎に配備されている内務事務パソコンにアクセスして情報を取り出さなくてはいけなくなりました。
  確かに、紙の授受簿や授受票は廃止されました。しかし、一方で、各段階での授受については授受票や返納票と呼ばれる二次元バーコードを読み取らなければならないため、携帯プリンタから発行される紙は膨大な数になっています。
  このプリンタの紙はシール式になっていて特注品です。決して安いものではないと思います。何が、コストダウンと言えるのでしょうか。

また、書留を配達もしくは窓口にて交付した場合に、この携帯端末から出てくる配達証に押印もしくは署名していただくことになっています。
携帯プリンタ  この配達証の紙質が、文字を印字する必要があるからなのか押印には向いていない。特にシャチハタ等での押印はすぐににじんでしまい名前など分からなくなってしまいます。
  もし、受取人から受領確認の要請がきても、はっきりと答えることができないところです。犯罪にでもなり、裁判所から証明を求められても回答することはできないでしょう。
  以前の書留配達証作成機によるものだと、現物を写し取ったもので実際の郵便物を特定できましたが、今の携帯端末機では書留番号のみが印字されているので、本当にその書留なのかどうかがはっきりしなくなっています。
  不着等で訴訟を起こされても、会社として配達を証明することはできないでしょう。

今も、職場のあちらこちらでピッ、ピッ、ピッと携帯端末機が鳴っています。職場の主人公が労働者から携帯端末機に移ってしまったかのようです。

(兵庫 濱口)