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監視カメラ付きゆうパック    (09.03)
日本郵便の社員はみな犯罪者予備軍です?

 交渉情報変な情報が入った。ゆうパックに小型のビデオカメラをくっつくけて、社員の配達状況を監視しようとしている、と。
  そんなことまでやるのか、いや、そんなことできるのか?
  いろいろツテを頼って情報を探ってみて、ようやくJP労組のある地本の交渉情報が手に入った。

それには確かに「小型カメラ内蔵ゆうパックの運用について」という件名が記され、「ゆうパックの紛失防止対策の取り組みとして、『小型カメラ内蔵ゆうパック』を作成し、送達途上のゆうパック取り扱い状況を録画し、不適正な取扱いが判明した場合は早期に是正を図ることを目的とする」とある。
  やるんだ、ホントに。しかしどうやって?

8月6日付のその文書に記された運用方法によると、
 撮影ルート1.支社からA支店管理者あて送付
 2.A支店管理者が自支店へ差出し
 3.A支店からB統括支店を経由してC支店へ輪送
 4.C支店管理者が受け取り
 5.C支店管理者から支社へ返送 

とのこと。
  支店間の配達のみで一般のお客さんの目に触れるようなことはないようだけど、一応配達経路のはじめから最後までバッチリビデオに収めますよということらしい。
  で、このビデオ、当然のことながら音声もバッチリ録音されるらしい。
  どこにビデオをくっつけるの?と、この文書に添付された資料にははっきりとその形状までは記されていない。
撮影用穴  小包の中にビデオを内蔵させて、箱の一部に穴を開けて外部を撮影する、というものらしい。

実はこの施策、6月にも一度一部のJP労組地本宛施策実施の提示があったらしいが、そこまで監視するのか、ということでいろいろ揉めたあげく、今回のような形で再度提示があったらしい。
  たぶんそこで変わったのが、ビデオカメラが回ってますよという表示がそのゆうパックに貼り付けられるようになったことではないか。 
  カメラが入ってますよということが分かるから、うかうかと乱暴な扱いはできないと注意することはできるだろう。
  にしても、ビデオで音声まで含めて丸々配達経路の全課程を監視されるということには違いない。

会社は、「撮影・録音については、目的以外の扱いは行わない。『取扱厳重注意』としていく」と。
  「目的以外の扱いは行わない」とはどういうことだ?防犯用ということだからようするに社員が不正を働いてないか監視するということだろう?それ以外に何か目的があるのか?自分の会社の社員は信用できないということだ。あまり気持ちのいいものではない、いや全然気持ち悪い。

JP労組の交渉文書にはさらに以下のような下りがある。
  「紛失が多い支店に対しては『地域内便』での対応となる」
  徹底的に社員を信用しない、と但し書きを添えているようなものだ。

にもかかわらずこの地本の判断としては、「会社としてゆうパックの紛失・一部紛失を未然に防ぐための施策であることから、会社の責任で行うことについて受け止めることとします」とこれを了承している。労組も組合員の仕事を信用していませんから、と会社に同調したに等しくないか?
周知文書  会社が用意した社員向け周知文書の最後には以下のような下りも、「お客様からお預かりした大切なゆうパックです。適正な取り扱いを励行すると共に、もし不適正な取り扱いを見かけたら、周囲の社員に声をかけるなど、みんなで紛失事故防止に努めましょう」。
  余計なお世話だ。言われなくも分かっていることだ。というか、いちいちビデオで監視するまでもなく、気を付けようと一言社員に周知すればことたりることではないか。
  社員をハナから犯罪者予備軍として遇するような施策を会社はいつまで続けるつもりだ。そんなことだから会社がなにを言っても社員も一切信用しなくなってしまったのだろう。正常な労使関係など永遠にこの会社には絵空事でしかないということが今回の施策でもはっきりと示されたわけだ。 
  と、信用できない会社の施策のやることなすことどうしても気になるのは、やっぱり費用のこと。

普段から事業赤字がどうのこうのと営業ノルマの締め付けやら残業制限などと効率化を叫んでいるからこそ、だから今回の施策にはいったいいくらの金をかけてるんだい、と皮肉の一つでも言ってやるものだろう、現場では。
  いや、本来なら労働組合の交渉の場で、それこそ対費用効果についても厳しく追及してしかるべきではなかったのか。いやいやそもそもこんな人権侵害施策などハナから拒絶するのが労働組合としての当然の姿勢ではないのか。

で、この施策、どうも全国的な施策ではないらしい。
  文書によるとすでに8月27日からこのカメラ付き小包が配達にかかっているようだが、どうも一部の支社管内だけの施策らしいのだ。それこそ「紛失が多い支店」を多く抱える支社管内を対象にしたものなのだろうか?
  いやいや、多分そうではないだろう。こんな施策をすんなりとどこもああそうですかと受け入れるところが全国的にあろうとはちょっと考えにくいとは言えないか?すでにこの文書が周知された地本の現場ではこれは人権侵害ではないかとの声も上がっているという。現場の声はなかなか上には伝わらないが。そう、現場の声が上に伝わらないようなところを選んでの施行実施ということではないのか。

この施策のことは記憶しておこう。会社は現場の社員のことを一切信用していないのだということを長く広く言い伝えよう
  現場でもしこの小包を見つけたら大声でこう話しかけてみてはどうだろう。「こんなもんに金をかけるぐらいならオイラの給料上げてくれ」「現場の社員を監視する前に無駄飯食ってる支社・本社の管理者を監視せよ」とか、この際日頃の鬱憤晴らしにでも。

(伝送便9月号掲載の文章に一部修正・加筆の上掲載しました)

(多田野 Dave)