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「人殺し」と連呼する副局長    (02.01)
交通事故による死亡事故、過失責任をすべて個人に押しつける

12月11日13時30分過ぎの事である。二階集配課のマイクのスイッチが入り副局長の話があると伝えられた。私は午後一の配達を行い13時を回って帰局したので休憩中だったが、休憩室で聞いていると、どうも管内で死亡事故が起こったとの事。簡単な経過が伝えられる。車から下車した女性を、配達中の期間社員が急ブレーキをかけて転倒した状態で跳ねたとの事。結果、死亡させたと。
  その期間社員を「人殺し」と何度か繰り返した。

残念な事である。不慮の死など御免被りたいのは当たり前である。加害者にも被害者にもなりたくない。誰も望まない事故であろう。しかし、事故当事者に対する発言が問題である。加害者とはいえ「人殺し」との呼び方は人権侵害である。
  被害者遺族が「人殺し」と叫ぶなら人権侵害とまではいわないが、副局長という立場の者が、業務上過失致死と殺人を混同しているのだろうか。不幸な事ではあるが、会社側に過失はなかったのかと考えるべき立場の者である。
  自社の社員に対して「人殺し」をしたと。社員に対して「人殺し」にならないようにとマイクを持って繰り返すのは、明らかに行き過ぎである。

事故検証というものは、科学的に行われるべきであって、失敗したからといって、失敗者を罵倒したり罵声を浴びせても何にもならない。
  これまでにも書いてきたが人は失敗をする生き物である。失敗が消しゴムで消せる内容であれば直ぐさま解決できるが、時に今回のように人命に関わる失敗もあろう。繰り返される事のないように科学的検証及び、周知、予測行動に反映させる等々、対策できる事は多々考えられる。
  会社としても、バイクの整備、点検はどうだったのか、荷物は過積載ではなかったか、新型の110ccの場合、タイヤや、ブレーキに問題ありと訴えてきたが、ラジアルタイヤであれば転倒したのか、ディスクブレーキの場合なら停車できたのでは等々、会社としての責任は多々考えられるが、検証は行ったのか?

また、事故責任は個人にのみ発生するものではなく、会社側の責任を逃れるための責任転嫁を考えた発言なら許せない。同等に責任を持ち、会社としても償うべきである。会社も加害者である。社員の加害行為については、会社側も責任を取らなければいけないことぐらい周知の事実であろう。
  ことさら期間社員と繰り返していたが、今回のような「人殺し」発言では必要以上に人を追い込み、新たな被害者を出しかねないと訴えたい。

 その後の詳細な経過報告

死亡事故の詳細な報告を聞く機会があったので簡単に意見を加え報告させて頂く。

事故を起こしたのは吹田千里局の期間社員Aさん(37才)。Aさんの班では、退職等があって人が全く足りていない状況の中、連日2~3時間の超勤が続いていた。どの職場でも同様の状況に追い込まれている。全国的にいえぱ、配転や退職者の後補充をせず、21万人いた期間雇用社員がこの2年程で19万人と減らされている。Aさんも当然にして繁忙期を前に疲れ切った状況の中にあったと聞く。

12月10日午後7時前、日勤での通常配達が終了し、最後の入力郵便一通で配達終了との状況時、横断歩道上を渡ろうとしていた女性を跳ねたとの事。女性は翌日午前3時頃死亡。
 その後、Aさんも仕事を続ける気持ちにならないと退職を決意し職場をはなれた。

11日には、垂水局でも緊急事態報告と職場内放送が行われた。期間雇用社員を「人殺し」と言い、「人殺し」にならないようにと副局長が繰り返した。当然「人殺し」発言は人権侵害であって許されない。

今回の事故は、亡くなった女性に次いでAさんも被害者である。郵便局の過酷な労働の中、数ある危険因子の中で働く事を余儀なくされ、事故に繋がった。人が足りない状況。連日10~12時間拘束による労働。
  その後の事故調査では「スピードの出しすぎ」「運転に集中していなかった」「自己中心的な走り方」「車道のセンターライン寄りを走行していた」等々が当局側の出した事故原因の結論のようだが、長時間労働の疲れから見落としや、動作遅れがあったため等、業務量の過重状況は原因には含まれていないようだ。

我々は会社の個人責任への転嫁を許さない。長時間労働を強いた会社には大きな責任がある。事故を起こした個人にだけ責任を押しつける会社のやり方に怒りすら沸いてくる。

 事故を無くすため、会社責任を追求しよう!

職場では連日SKYT等で、危険予知練習を反復し、交通事故を起こさないように各種取り組みが行われているが、この会社にもっとも足りないのが事故後の検証である。
  仕事の中に危険因子はなかったかの検証はされる事が殆どない。
  勤務時間は、勤務内容は、連続した運転はしていなかったか、疲れの蓄積状況は等々。また、バイクの整備・点検はどうだったのか、タイヤや、ブレーキに問題ありと訴えてきたが、ラジアルタイヤであれば、ディスクブレーキの場合なら停車できたのでは。
  今回の吹田千里のAさんのケースでは、事故現場が暗い時間と聞いたが、ライトを明るいものに変えていたら気付いていたかもしれない等々、会社としてのバイク整備・管理に対する責任も多々考えられるが、前方不注意、わき見運転、スピードの出しすぎ等と、全て個人的なミスの問題とされている。

また、各局では事故当事者に対して、過度なペナルティーを科せている。自転車配達の指示や、重処分が発令されたり、解雇での幕引き等、個人への責任転嫁では事故は無くならないどころか繰り返される。

何度でも訴える。事故検証というものは、科学的に行われるべきである。これまでにも書いてきたが、人は失敗をする生き物である。失敗が消しゴムで消せる内容であれば直ぐさま解決できるが、時に今回のように人命に関わる失敗が繰り返される事のないように、会社は人がミスをする前提で、各種機械的な部分の検証、加えて、業務内容にミスを誘う要因はなかったか、更にメンタル面での取り組みも行うべきである。

そして、事故の責任は全て会社側にある事を訴えたい。
  郵便物の配達をバイクでしなさいというのが指示である以上、バイク乗務以外の選択肢がない状況下で、前方が見えにくいライトであったり、自分の乗るスクーターより止まらないブレーキであったり、積載量も法定内かどうかといった状況に置かれていて、更に長時間労働等が重なるのである。

個人だけが悪いと言い続ける会社にこそ事故が繰り返される原因があり我々に責任はない!

(郵政産業ユニオン垂水分会ニュース7、8各号より抜粋)