トップへ
Headline13

ポイント制度、その不都合な真実    (02.05)

ポイントカードならいっぱい持ってるよ、なんて方は少なくないはず。家電量販店などのカードならばポイントが付く度になんかうれしくなるけれど、新人事・給与制度のそれはあんまりうれしくない。ポイントは加算されるのではなくて引かれることもあるからだ。それどころか普通に仕事をこなしても給料が減る?。

まずはともあれそのポイント制度の具体的な中身から見ていこう。
ポイント管理のイメージ  郵便屋さん外務の場合、毎日ごとの完配状況に応じてポイントが付いていく。曜日ごとの「基準物数」が決まっていて、それに応じてポイントも増減する。超勤でもしようものならなかなかポイントが溜まらない。基準物数内での超勤などは一律ポイントゼロだ。
  基準物数て誰が決めるの?今でもそれはあるけれど実態とまるで違うじゃないか。というのは日常会話の範囲内。誰が決めようが実態とかけ離れた数字であろうが、それがこれまでの職場「実態」なので、多分ポイントもそれに応じて付けられることになるに違いない。

加減算集配ポイント

実態なんかに目をつぶりせっせとポイントを溜めていってもいきなり足を掬われることもある。誤配でもした日には15ポイントも引かれる。交通事故でも起こした日には60ポイントも引かれる。相手に責任があった場合は?これまでの事例通り、事故を起こせばほぼ個人責任にされてきたではありませんか。
  でも営業をすれば取り返せるかも知れない。同業他社からの奪還営業だと一挙に80ポイントもの大サービスだ。クロネコさんがポイントに見えてくる?年賀ハガキはどうかって?5千円に付き1ポイント。100枚売ってようやく1ポイント。誤配時の15ポイントマイナスを埋め合わせるには1500枚は自爆を覚悟しなければならない?
  自分のポイントの持ち分を毎日のように気にしながら配達していれば、また事故が増えはしないか?はい、15ポイントマイナス!

*なお、各項目ごとのポイントについてはその後若干変わっている。詳細は下の郵便事業総本部編による最新資料を参照ください。全文アップしてあります。チト重いm(._.)m。

資料「業績手当について」業績手当という名の分断策

このポイント制度というのは今制度「改革」提案の中の業績手当という項目の中に出てくるもの。これこそが会社とJP労組も口を揃えて言う「頑張った人が報われる」という制度の中核になるもの。
  聞き慣れない言葉が出てくる。ファンドイーブン。
  全体の原資は変わらない。社員の給料は支店ごとに原資として配分されるのだけど、これが営業成績とともに先のポイントの成績によっても変わってきますよ、と。
  つまり営業成績がふるわなかったりポイントが少ない局には少なく、優秀な局にはその成績不良な局分の原資が上乗せされて多く配分されますよと。同じパイを局通しで分捕り合戦してよね、ということ。

実は話しはそれだけに止まらない。
  分捕った原資は局内では課ごと班ごとにその成績によって配分される。つまり課ごと、班ごとに配分される原資が変わってくるということ。成績のいい班と悪い班で給与の原資に格差が出てくるということだ。
  どういうことになるか。
  例えば、昼飯もそこそこに配達も営業も頑張り、三誤もなければ交通事故もない。順調にポイントを溜めてきた。にも関わらず給料はずっと頭打ち。何故か。班員に一人ダメな奴がいるからだ。

JP労組の交渉は前進?

JP労組新聞1月14日号。これは号外として2月14日から15日にかけて行われる第11回中央委員会へ向けた議案書となっている。
JP労組新聞  中央委員会は普通春闘へ向けた闘争方針を議論する場だが、今回はそこに「人事・給与制度改革への対応」という項目も付け加えられている。その中の「業績手当の制度設計」から少し引用したい。
 「1.営業原資の配分において、営業実績と要員数の配分割合を7:3から6:4とし、地域性や市場性に考慮、2.標準偏差を用いることにより最大最少差の緩和策、3.システム化による班長の負担軽減策、4.三誤等が発生した場合に減点する方法から、発生しなかった場合に加点する方法で再設計、5.郵便局の努力が及ばない要素での変動への対応策、など、要求を真摯に受け止めた回答が示され、制度設計に関する交渉は大幅に前進していると判断しています。」

つまり制度全体の構造については手を加える必要はないという判断である。特に4番の三誤等が発生しなかった場合の加点する方法で再検討とあるが、去年8月10日付けJP労組交渉情報では「応援など、他者やチームに貢献することにより加点する仕組みによりモチベーション向上に努める」という会社回答に止まり、実はこれまでの提案の中身とそう変わるものではない。

なお、このポイント制度については別に退職手当についてもそれが導入される。勤続ポイント、役割等級ポイントなどがあるが、何よりも5段階評価の人事評価如何による増減が大きい。これも高評価を続けた場合と低評価を続けた場合の格差は最大300万円近くなることもありうる。

誰のための職場か

ここまで書いて、期間雇用社員からは「ざまぁみろ」といった声が聞こえてくるようだ。確かにそれはまるでこれまで非正規問題を自分たちのものとして闘ってこなかった正社員への罰のようなものだ、と思われても、私には返す言葉がない。
  ただし会社は、期間雇用社員への適用は現在別立てで検討中としている。すでに営業成績については業績評価される予定。現在のスキル評価に止まることは、ないだろう。

この制度が導入されればさらに職場は荒廃するだろう。そんな職場でどんな立場であれ、共に働きたいと思えるだろうか。

(多田野)

*伝送便2月号に掲載されたものに一部修正加筆の上再掲しました。

新人事給与制度学習会

伝送便カレッジ特別講座 「新人事・給与制度」学習会
日 時:2月20日(水) 18:30~
場 所:神田公園区民館 5F洋室B