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かもめ~る営業はつらいよ    (06.10)
日本郵便は法を守ったまともな営業を指導せよ

郵政産業ユニオン呉支部機関紙6月4日号意思に反するかもめ  防ぐ手段は?

今年も5月30日から「かもめ~る」が発売開始となりました。集配部における販売目標は、正社員が800枚、期間雇用社員が400枚ということです。
  販売方法の詳しい指示といえば、「声かけ」くらいしか聞いていませんが、声かけの余裕すらない現状で、さらに事故や誤配を招くことは明白です。
  一応、日本郵便株式会社という立派な名前の民間会社(正確には違いますが)ですので、利益を上げる、若しくは赤字にしない為に何かしら手段を講じなければならないのは分かります。
  しかし、闇雲に目標値だけ提示して、「売れ」と言われても、「手段」を示してもいないのですから無理でしょう。

「声かけ」って本当に時間がかかるんですよ!知ってますか?
以前ロープレでやっていた、対面配達ついでの声かけは、違法性があることを  以前の記事でみなさんご存知だと思います。
具体例を上げると、

 ピンポーン(玄関チャイム)
客) どちらさん?
〒) 呉郵便局のAです。書留郵便の配達に伺いました。
客) わかりました。すぐ出ます。
 ガチャ(ドアの開く音)
〒) こんにちは。呉郵便局のAです。呉市○○町1-2のB田C子様宛の書留ですが、間違いございませんでしょうか?
客) ええ、間違いないわよ。
〒) 受領印かサインを頂きたいのですが?
客) じゃ、サインします。
〒) ありがとうございます。ところで、ムフかもめ~る販売中なのですが、はがきをご利用になることはございませんか?
客) はがきは出さないねー。年賀状は出すけどね。
〒) それでは年加貝はがきのご購入は是非私Aからお願いします。
客) 考えとくわ。
〒) それではよろしくお願いします。どうもありがとうございました。失礼します。
 ガチャ(ドアの閉まる音)

と、こんな感じです。
 これのどこに違法性があるのか分かりますか?
 答えは、「ところで、いまかもめ~る販売中なのですが、…」のところです。ここが、「少しお時間よろしいでしょうか?」と付けても違法性に変わりはありません。

 特商法だけではない

特定商取引に関する法律によると、

第三条 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その勧誘に先立って、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品若しくは権利又は役務の種類を明らかにしなければならない。

とあります。
  たしかに、勧誘に先立って目的を告げているようにも見えますが、問題は「場所」にあるのです。
  配達員が住居に入った理由はあくまで「書留の配達」です。
  その住居の居住者は、書留を受け取りたいから、配達員を住居内に入れたのです。別の目的で住居に侵入しておいて販売に切り替える手法は、悪徳業者の常套手段です。
  悪徳訪問販売のふとん屋が以前横行していましたが(今も?)、その手法が、「安くクリーニングをするので、ふとんの状態を見せてほしい」と言って侵入し、「状態が悪いので買い替えた方が良い」と別の目的にすり替えるのです。
  はっきり言って、営業に関してはど素人の私たちと比べると、悪徳業者は遥かにセールストークがうまいと思います。それに騙されて、高額な商品を買わされる客も多いそうですが、断るのが苦手な日本人の特性を見越して、「これだけ払えば帰ってくれる」という丁度よい値段設定で挑む業者もいるようです。

ここまでくるとわかると思いますが、かもめ~るの声かけに似ているのです。

 帰って欲しい

かもめ~る1枚50円10枚で500円、安いです。
  なんか、郵便配達に来た人が途中から「はがき買って」と言ってきた。「いらない」って言いたいけど言えない。でも、めんどくさいから早く帰って欲しい。そうだ、50円出して帰ってくれるなら買っちゃおう!でも、1枚ちょうだいとは恥ずかしくて言えない。「じやあ、10枚ちょうだい」あっ!言っちゃた。ま、500円ならいっか。使うかもしれないし。でも結局使わず、引き出しの肥しに。
  という友人がいました。
  『それなら俺から買ってくれよ!』と心の中で思いましたけど友人を失いたくなかったので我慢しました。
  これに似たケースを配達先で何度か耳にしました。
  日本人独特なもので、断るのが恥ずかしいみたいです。

 日本人の盾

話が逸れてしまいましたが、その気弱…失礼、優しい日本人を守るための盾になるのが、特商法であったり住居侵入罪なのです。
  どうも会社は住居侵入罪を甘く見ているようですが、過去に会社は建造物侵入罪で組合を訴えている過去があります。(下枠内参照)

【全逓大槌郵便局事件】
(最二小判昭五八・四・八労働判例四〇六号)

一九七三年の春闘時に、全逓岩手地区本部釜石支部書記長、同支部青年部長の二人が、他の組合員三人と四月一八日午後九時半ころ局舎に立ち入り、窓ガラスや机等に「スト権奪還」などと書いたビラ一○○○枚を貼り、建造物侵入罪に当たるとして起訴された事件である。
  一審の盛岡地裁は、「本件立ち入り行為は、平穏を害するほどのものではなかった」として無罪とし、二審仙台高裁は、「管理者の意思に反して入ったかどうかで判断すべき」ものとし、「ビラ貼りは局舎の管理権を侵害、正当な組合活動を超えた疑いがあるが、局長は入口に立入り禁止の貼り紙をするなど十分な措置をとらず、その意思を外部に分るようにしていなかった」という理由で同じく無罪の判決をしていた。組合員によるビラ貼りについては、最高裁は最近、国労札幌駅事件(昭五四・一〇・三〇)において許可なしに定められた場所以外に貼ることを違法とし、全電通東北地本事件(昭五七・三・一八)決定でも「建物の美観と威容を著しく傷つけるビラはりは建造物損壊罪に当たる」との判断を示していた。本事件において最高裁は、原審の無罪判決を破棄、建造物侵入罪の成立を認め、組合側に一段ときびしい姿勢を示した。
 (日本労働年鑑 第54集 84年版より)


  一審判決の「平穏を害する」は、平穏侵害説からきていて、住居の平穏を害する立入りが「侵入」であるとする立場をとっています。一方二審の「管理者の意思に反して」は、意思侵害説からきていて、住居権者・管理者の意思に反する立入りを「侵入」であるとする立場をとっています。
  しかし判例では、住居権者等の意思に反する立入りをもって「侵入」と解しています。
  このことからも、前述の販売方法は特商法違反のみならず、住居侵入罪にも抵触してきます。
  意思に反する立入りを会社は盾にしたのに、お客さまには関係なしですか?
  優しい日本人の為の強力な盾を無視する愚行は恥です。

 心も体も病みます

ついでに言えば、クーリングオフの説明や、訪問の仕方等研修がないのはどういうことでしょう。法律無視ですか?
  そして一番肝心なのは訪問販売をするのであれば、そのための時間を作れる区に調整すること。
  慣れた人でも断られるのはつらいものです。訪問する時間だけでなく、随時心を休める休息が取れるよう余裕も必要なのです。最初に言った声かけは時間がかかるというのはこういうことです。

6月1日からDOSSも始まり、時間的精神的な余裕が益々なくなってきました。
  JR福知山脱線事故の教訓は日本郵便には活かされないのでしょうか?あの事故以降、過密ダイヤはなくなり「ゆとり」ができたことをみんな知っています。

郵政産業ユニオン呉支部機関紙6月11日号法の根を掻い潜る招かざる客

前回、「かもめ~る」の営業手段に言及してみましたが、今回は更に深くまで考えてみたいと思います。

 声かけについて

特商法対策として、書留配達時に「声かけ」を行う際の話法が、
  「日本郵便呉郵便局のAです。書留郵便の配達と、かもめ~るの紹介と販売の為に伺いました。」
  だそうです。
  前回の記事でも紹介しましたが、日本人は非常に断るのが苦手な人種です。
  「書留は受け取りますが、かもめ~るはいりません。どうぞお入りください。」
  と言えるお客さまって、いらっしゃるのでしょうか?
  ところでこの話法、実際に指示を出した管理者は、お客さまに対して使ってみたのでしょうか?非常に違和感があるのは私だけではないと思います。

この話法には大きく分けて2種類の問題点があります。
  一つは、違う目的が二つあること。書留を受け取りたくない人はほとんどいないと思いますが、かもめ~るが必要ない人はかなり多いです。
  「受け取りたい」「いらない」をいっぺんに言われた人は、咄嵯に何と答えたらよいか分からないのではないでしょうか?
  すぐに完売してしまう人気のゲームと、まったく売れず、長い間商品棚に陳列されていた不人気のゲームを、抱き合わせて販売している悪徳店の販売方法に似ています。
  この方法だと、お客さまは、「買わされる」という意識が強くなり、かもめの印象が悪くなるだけでなく、郵便配達員事態にも警戒心を持つようになります。
  とりあえず言われるがまま、筆者もこの話法を使ってみましたが、今まではなかったお客さまの眉間に「しわ」が寄り、不審な顔で書留を受け取られました。
  顔なじみのお客さまは、
 「こんなものまで販売せんにゃいけんよーになったんねー。大変じゃねー。でもいらんよ」「1枚くらい買うてーやー」「いらんいらん。しつこいと年賀状も買ってあげんよ!」 むむっ!ケチ!とちょっと思いました。

この話法での販売で、例え数字が上がったとしても、得るものより失うものの方が多いような気がします。
かもめ買ってちょーだい  実際数字はあがらないでしょうが…

問題点のもう一つは、長さです。
  訪問時にお客さまが聞きたい情報は、「誰が何の目的で訪問しているか」なのです。名乗った時点や『書留』と聞こえた時点で、「自分には必要なもの」という意識が先に立ち、それ以降の話をほとんど聞いていないのだそうです。
  長くしゃべって目的を曖昧にするのは、悪徳訪問販売の常套手段。もしそれを分かった上で指示を出しているとすれば、かなり悪質だと言えます。

 結局は自爆

「ゼロはいけない」「声をかけていれば売れる筈」最近の朝礼で良く聞く言葉です。
  交通事故や誤配が多発している現状で、「声かけ」を重視している姿を、事故の被害者や誤配にあったお客さまがみたらどう思うでしょう?
  時間内にできることは限られています。なのに、やることを増やせば、何かを省くしか方法がないでしょう。それが「確認」だったり大きく「コンプラ」だったりします。
  だから、事故や誤配がなくならないのではないですか?

話は戻りますが、結局時間がないのに売れ売れと言われ、「ゼロはダメ」と言われれば自爆しかないでしょ!
  現に、金券シヨップでは大量に持ち込まれた「かもめ~る」を、格安で販売しています。販売開始日から金券ショップで販売しているんですよ!関係者以外に誰が持ち込みますか?
  昨年末、どこぞの業務室担当課長が、年賀を盗んで金券ショップに持ち込もうとしたところ逮捕されていた事件がありましたが、窃盗でもない限り、今の段階で金券ショップに大量にかもめがあることはかなり不自然です。

「自爆は確認できない」とコメントしていた本社のお偉いさんがいらっしゃいましたけど、「確認する気がない」と訂正しなければ、世の大半の人から、嘘つきの会社というレッテルを貼られますよ!

 数か満足か

かもめの話しばかりしてきましたが、実は「プラスワンコイン営業」というのも、ずっと前から続いています。
  携行販売で、かもめと切手(50円、80円)とタウンプラス・ライトを毎日持ち出しています。
  かもめと切手は結構丈夫なケースに入れてあるので、曲がったり擦り切れたり汚損の恐れが少ないのですが、レターパックはとても大きく、バイクのファイバーの蓋を閉めると、ケース越しですが擦れています。実際いくつかの携行販売用のレターパックは端の方が擦れていて、例え売れても恥ずかしくて渡せない状態のものもあります。それも結構前から。
  兎にも角にも販売すること、数を上げることに必死になり、「満足を提供する」ことを忘れているとしか思えません。
  ある社員は配達先の会社で、「レターパック持ってるんだってね。ちょうだい」と言われ、携行していた擦れたレターパックを差し出し、販売したそうです。
  それ以降も買ってくれると思っていたら、レターパックは使っているよう(時々持って帰っている)なのに、まったく買ってくれませんでした。どうしてなのか思いきって聞いたところ、「汚れたレターパックを取引先に送れるわけないでしょ!」とのこと。
  ズキューーーーーーンとお客さまの声が突き刺さったそうです。

私たちの会社の商品は、買ったらおしまいではないんです。所有欲を満たす商品じゃないので当たり前ですけど…。
  使って初めて満足感が得られる商品ですので、買った人だけの問題ではないのです。買った人(差出人)が商品を利用し、受取人に無事到着し、「受取人が満足」して初めて買った人が満足するのです。
  数ばかり追っていると大事なことを見失い、結局数もあがらなくなるのです。
  顧客志向はどこにいったんですか?権力志向としか思えないのですが。みなさんはどう考えますか?

 上司の腕

まともな会社であれば、上司は結果がでない社員に対し、自らの経験と手法を共有して育成します。
  まず、管理者の目標値と実績、販売先、販売方法を開示するべきでしょう。自爆でなければ出来る筈ですそして、手法を朝礼や業研で明らかにし、その為に必要な時間を議論しなければいけません。それが果たして配達途上で可能なのかそもそも確認をしっかりできない範囲になっている区を調整するよう、上に言えるのか。
  あらゆる意味で、上司の腕にかかっています。
  運転に必要な確認の為の時間。配達に必要な確認の為の時間。声かけに必要な時間。DOSSに必要な時間。身体的疲労・精神的疲労の度合いとその回復時間それぞれどれだけ時間が必要か、把握されていますか?まさか、大してかからないと思っているのではないですか!

社員が快適に仕事が出来る会社が業績を上げている昨今。安い給料で、これだけ社員を理不尽に酷使している会社も、珍しいのではないでしょうか。
  社員無視、顧客無視。そんな会社を積極的に利用しようというお客さまはいらっしゃらないでしよう。
  「上を向いて歩こう」ではなく、下を向いて地面をしっかり見て、ゴミ(ムダ)や石(ムラ)や崖(ムリ)がないか確認して、道を切り開く立派な上司・尊敬できる上司に早く出会いたいです

(郵政産業ユニオン呉支部機関紙6月4日、11日号より抜粋)