トップへ
Headline13

ぶっつぶせ!新人事制度    (08.24)
JP労組大会会場前情宣ビラ「奔流」第1号より転載

熱い長野で現場の声を叩きつけよう!

JP労組全国大会に参加されたみなさん!
奔流8月20日号  この全国大会の開催を本来より一カ月以上遅らせてまでして全力を投じたはずの参議院選挙において、JP労組が推す「さだみつ克之」候補は無惨にも落選しました。僅か12万782票しか獲れずに。23万5,977人(今年4月24日現在)いる組合員の約半分という数字です。
  3年前の前回参議院選挙では難波候補が当選したものの苦戦し、「得票数は14万4,782票にとどまり、JP労組組合員数を約8万8,000票も下回る、JP労組の組織力を十分に発揮したとは言えない選挙結果になった」(本大会提出『5年総括』案)とショックを受けたのに、今回はその時よりさらに2万数千票も減らしての敗北でした。JP労組本部の意気消沈、思うにあまりあります。

さだみつ惨敗は組合員の良心だ

けれども、これは残念な結果でしょうか?このあいだまで「さだみつ選挙」一色だったJP労組新聞のどこを読んでも、同候補が当選したとして働く者のためにプラスになるという確信を得ることはできませんでした。
  沖縄への非道なオスプレイ配備にも原発再稼働の動きにも黙したまま。 毎日新聞7月7日付「アンケート」によれば、彼は改憲には「賛成」、首相などの靖国参拝は「問題なし」、原発輸出も「賛成」と答えています。付け加えると本大会議案「提案にあたって」にはこんな文言があります。「九六条の先行改正には与野党の慎重な議論と国民への徹底した情報開示が重要となります」(2ページ)」まるで条件さえ整えれば九六条改正=改憲も可であるかのようです。

JP労組の中には、この間の脱原発行動に参加してきた人が少なくないし、若い組合員を沖縄に派遣して平和の大事さを学ぶといった取り組みをやってきた支部もあります。さだみつ候補が出馬した全国比例区には、日米軍事同盟の負担に苦しむ沖縄から平和と安全な生活を求めた候補も、福島第一原発の事故による放射能汚染で故郷を追われた人たちの声を背に避難地から立候補した人もいたのです。
  こうした人たちへの票をむしりとるようにして、何故さだみつ候補に入れなければならないか。同候補の票が伸びなかったのは当然ではないでしょうか。敗北はむしろ少なからぬJP労組員の良心の証しです。彼がもし当選していたら、JP労組の組合員というのは結局、自分たちの既得権を守ることだけに脇目をふらず汲々としている連中だと思われるところでした。

国内最大の民間単一労組であるJP労組が組織総力を挙げて取り組んだ「さだみつ選挙」の敗北について、本部はその総括を徹底して行い責任をとるべきです。そして「政治基盤の強化」の名の下に組合員に対し加入促進を行ってきた「みらい研」(郵政未来研究会)についても抜本的に総括するとともに、民主党支持についても真剣に論議すべき時期に来ているでしょう。

さいたま新都心局での自死事件

その一方で、職場ではどのような事態が進んでいるでしょうか。
  『選択』という雑誌の今年7月号に「日本郵便でまた『不祥事』」と題する記事が載りました。副題は「『トヨタ方式』導入で相次ぐ自殺者」となっていて、さいたま新都心郵便局で2010年12月に起きた自殺を追っています。
  局のビルから飛び降りて胸を強打し命を絶ったAさんは享年51歳。岩槻郵便局から06年に新都心局集配課に異動してきました。
  日本郵便関東支社と同居する同局は集配のモデル局。管理者たちは常々「ミスるな・事故るな・残業するな」と繰り返し職場は重く暗い雰囲気だったといいます。そうした中、Aさんは「うつ」を患い二度の休職を余儀なくされますが、二度目の休職から復帰した09年暮れ、身に覚えのないミス(後日、無関係と判明)で支店長室に呼びつけられ、のみならず「年賀状は何枚売ったんだ」と詰問されます。そのあと夜間勤務も命じられました。同じ道でも夜と昼では違って見えます。

これらが「うつ」から復帰して間もない人に許される仕打ちでしょうか。新都心局では、交通事故やミス、営業ノルマ未達の社員を朝礼で台に立たせ「悪うございました、迷惑をかけました」などと謝罪させていたとのこと。
  Aさんは10年4月、とうとう三度目の休職(二ヵ月)に追い込まれました。そしてその年の暮れ、自ら命を絶ったのです。ご遺族(お連れ合い)は新都心局の責任を明らかにする決意を固め、「さいたま新都心郵便局過労自死事件の責任を追及する会」が今年6月に結成されるに至っています。

これは同局だけの特殊なケースでしょうか? 「新人事制度」で新設されるポイント制の下、業績手当は課ごと班ごとに配分されます。郵便物が多くて残業すれば「仕事のできない班」ということにされて手当に響く。どこの職場でも個人へのプレッシャーはこれまで以上に強まるでしょう。

増える一方の労働災害

関東支社における交通事故件数は対前年比135パーセント増加しており、これは全社内でもとりわけ際だった数字です。しかし、関東支社は交通事故増加は労働者の責任と言わんばかりに「事故事例研究会」での吊し上げの謝罪強要や、SKYT唱和の強化だけで、増員・増区といった抜本的な施策を行おうとしていません。
  また、新東京郵便局における安全衛生委員会七月の議事録によれば、今年度の労働災害発生件数はすでに17件と、前年度7月末までの12件をはるかに上回るペースです。その前年度は骨折事故も二件あり、地元労働基準監督署から要注意の事業場として立ち入り検査も受けているのです。
  にもかかわらず労災は増える一方です。新東京局は深夜勤に従事する人が多いこと、非正規雇用の率が高いことで際立っています。深夜労働による疲労の蓄積や、非正規労働者は使い捨てればいいとばかり充分な訓練もないまま錯綜した職場に投入する働かせ方は、労災の異常な多さと無関係なはずがありません。
  改憲賛成・原発推進候補の選挙運動に駆けずり回るより、こうした職場実態とこそ労組は向き合い、改善のため闘わなくてはならないのではないでしょうか。

労働組合として脱原発を掲げよ!

脱原発が言えない労働組合とは

3.11から二年半が経とうとしていますが、いまだ震災復興への途は遠く、福島では原発汚染水の流出が危機的な状況になっています。そんな中でも安倍政権は原発再稼働に向けて突き進み、原発の海外輸出を積極的に行おうとしているのです。こうした動きに対し、先の参院選に見られるように多くの国民が原発ノーを突きつけ、各地で再稼働反対の運動が高まっています。しかし、情けないことにわがJP労組はこの原発問題から一貫して逃げているのです。

昨年、郵便事業会社は「集配バイクを利用した放射線量のデータ測定」を福島県の原町支店管内と田村市三春郵便局管内の二か所で実施しました。自治体からの要請にもとづき、集配用バイクに放射線量測定機器を搭載しデータを取得するというもので、説明を受けたJP労組本部は、「集配区ごとに面としての測定ができ、より細かな情報が得られること、また社会貢献の一環であること」「組合員の安心にも繋がることから積極的に協力する」こととしました。
  測定は、5月に原町支店、9月~11月に田村市内の集配センターで実施され、その結果が公表されましたが、全52地点での最高値は0.646マイクロシーベルト、最低値は0.16マイクロシーベルトというものでした。この結果について会社は、「政府が示す基準(年間被ばく量最大値20ミリシーベルト)に対して全地域が下回っている」としました。会社は年間20ミリシーベルトを一時間あたりで置き換えると2.28マイクロシーベルトであり「下回っている」根拠にしたのでした。

赤バイクのモルモット

しかし環境省では、除染基準として「被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になることを目標」として「毎時0.23マイクロシーベルト」を打ち出し、これに基づき各自治体は除染作業を行っています。
  将来の低線量被ばくのリスクをできるだけ少なくするため、より低い基準をめざすのは当然のことです。しかし郵便事業会社は一昨年の政府基準を持出し、「安全」を強調するのです。
  会社は今回の測定値が年間20ミリシーベルトを下回っていると言いますが、その計算で単純に1ミリシーベルトに置き換えると、毎時0.14マイクロシーベルトとなり今回の52地点の最低値神俣地区の0.16でさえ基準を上回ることとなるのです。
  JP労組は「組合員の安心にも繋がる」と今回のバイク測定に積極的に協力することとしましたが、出てきた数字は人間モルモットとして高線量下を走る外務員の実態を白日のもとに曝け出す結果となったのです。

JP労組は福島の外務員の被ばく実態を直視し、喫緊に安全対策を講じることが求められます。そして全国各地で原発が再稼働され、再び事故が起きたらならば外務員は同じように被ばく労働に晒される危険があることを認識すべきです。もはや原発黙認は労働組合として許されません。

ブラック企業 日本郵政

41℃の史上最高温度を記録した今夏、それでも外務員は汗だくになりながら炎天下走り回っている。「熱中症にはじゅうぶん気をつけ水分補給をするように」と管理者は朝礼で言うが、すべて自己責任、自腹だ。その一方、欠員補充はせず、「残業ゼロ」「営業目標必達」を声高に叫び、誤配、事故には厳罰主義をエスカレート、6月から全国実施された集配DOSSシステムでは未入力者に顛末書の提出を強要するありさま。
  すでに一千億円余の巨費を投じたという郵便次世代システムは、結局郵政グループに群がるIT企業を潤すだけの巨大なムダ・ムリ施策であることが明らかとなっている。「風通しの良い企業風土を」と言ったのは何代目の社長だったか、現実は会社の主人公である労働者はますます疎んじられ、「人間よりIT」「会社は株主のもの」という株式上場を至上命題とする風土になりつつあるよう。すでに全国各地の郵便局で訴訟が頻発している日本郵政にブラック企業の烙印が押されるのは時間の問題か。

JP労組大会会場前情宣紙「奔流」(Usay-net発行)8月20日号より転載