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ベア要求するか、明言避ける本部    (01.10)
JP労組「春闘討論集会」(12月6日東京品川)報告

{本部報告} 組織数は大幅減

10月24日現在の組織状況は23万6,656人で対前月比-1605人と大幅に組織数が減少している。正規社員が1,138人減、時給制契約社員が360人減、短時間95名減となっている。大きくは日本郵便の9月末勧奨退職、期間雇用社員・短時間社員の65歳雇用更新止めが要因である。
  4月新規採用社員1,702名、正社員登用の組織化の遅れが1,600人を超える組織減を招いた大きな要因である。
  民営化以降新規採用正社員の未加入者の増が組織率低下を招いている。新規採用者の早期組織拡大が重要課題である。接触機会が増大する年繁期の組織拡大行動を要請する。
  30万人組織建設は、再来年全国大会で当面の目標である25万人組織を確実に達成させ、30万人組織への道筋をつける重要な2年間となる。2014年第7回全国大会を24万1千人で迎えることとする。
  本日は2014春闘の討論集会だが、組織拡大行動を2014春闘の重要な闘いの柱と位置づけ、地方・支部・全職場で奮闘されるよう強く訴える。

10月16日に開催した日本郵政グループ経営協議会において、(1)フィードバックが形骸化されている等、多くの不安要素が出された「新たな人事・給与制度」等への対応、(2)日本郵便の職場における労働力不足や非正規社員の確保難から超過勤務の増加、休暇取得に大きな影響を与えている現状、(3)労使関係軽視の事例が報告された職場の労使関係について、率直に意見申し上げてきた。
  特に、労働力不足に伴う超過勤務等の実態を放置することは許されず、10月1日に必要労働力の早期確保と安定化に向けた緊急要求書を提出し、会社から一定の方向性を引き出し11月11日に大綱整理してきた。

中期経営計画で「成長戦略を描く」

グループ中期経営計画の見直しについては、(1)中長期的な成長戦略の土台となる設備投資について精査をし、必要なものを可能な限り上場前に実施すること、(2)お客様満足・向上に資する投資、社員のモチベーション向上に資する投資についても積極的に検討すること、(3)安定的な損益構造を構築することを新たな収益向上策、さらなる生産性向上策を前向きに検討すること、(4)現在準備を進めている上場、新たな事業展開についても検討していることが示され、12月上旬に骨格を策定し来年(2014年)の2月末頃の交渉を目指すとしている。
  この中期経営計画は、2014年度から2016年度の3ヶ年計画となるが、株式上場を目指す企業としてどのような成長戦略を描き会社の成長発展をしていくのか、極めて重要なことと考えている。
  また、株式上場については、2015年春の上場準備・完了を目指す方針に、財務省をはじめとする関係機関との調整、上場審査の対応等に万全を期していく、という考えが会社から示されている。

連合ベア要求決定も、JP労組は「慎重に検討」

株式上場を果たすことは、経営の自由度を高め、企業価値を向上させ、日本郵政グループの持続的な発展を実現するためにも、株式上場に関わる課題がJP労組の最重要課題として対応することとする。
  連合は、10月3日に開催された第66回中央委員会において2014春季生活向上方針を決定した。賃上げ要求については、景気回復と物価上昇の局面を踏まえ、生活向上と所得向上を同時に推し進めなければ悪いインフレとなり社会が混乱するとして、全ての構成組織が月例賃金にこだわる闘いを進め、あげることを確認した。
  JP労組としては、一時金水準の早期回復を最優先課題と位置づけ取り組むとともに、連合構成組織として連合方針に基づいた闘いの展開が重要であると考えている。郵政グループ各社の中間決算の数値や、通期見通し及び中期経営計画の投資規模による損益見通しを踏まえ、今後慎重に検討していくこととする。

社会的役割と企業経営状況の観点からの方針組み立ての必要性。930億の設備投資を毎年実施しており設備の改修には数千億円が想定される。シェア拡大を目指せば設備投資の拡大となる。人への投資を求める組合の主張と会社の主張とが春闘交渉の鍵となる。

特別手当は、年賀における収益に大きく影響される。上ぶれ分全てを特別手当化する姿勢で臨んでいるが、0.7ヶ月は厳しい状況でもある。会社業績を踏まえた上での要求策定を前提と考えている。引き続き署名を要請、その他、職場集会・朝ビラを検討している。
  本部は、株式上場に対して前向きに臨んでいる。事業発展には必要であり、上場企業にふさわしい労働条件獲得したい。組合員の協力なしには、上場はなしえない。

{質疑応答} スト権確立の意見も

「特別手当0.7確実に獲得を。パートナー職員にも何らかのものを。14春闘4.3月以上、非正規処遇改善を。ベースアップ1%の要求を。本部は労働組合として必死に闘う姿を見せろ。労働組合らしさを」 

「全力交渉を全国に示せ。期間雇用社員の処遇改善は前提条件。一時金4.0ヶ月は最低限、時給制は時給単価アップを。ベア前提の交渉を」

「今春闘に期待している。組織再生の大きな要素となる春闘。株式上場を理由に厳しい状況が想定されるが負けない闘いを。責任を取らない経営者。希望の持てない会社でよいのか。社員にだけ負担を押しつけていないか。非正規の賃下げ、雇用時間削減がされている。非正規を雇用調整便と会社は捉えていないか。渉外職場は、費用対効果を考えた営業になっているのか」

「一時金4.0ヶ月以上を。新一般職賃金と月給制の逆転解消をせよ。組合員が参画できる取り組み提起を。組合の強い姿勢を示すことが重要スト権確立等、組合の強い姿勢を示す事が重要」

「春闘方針昨年とどう違うのか。本部の強い姿勢、決意を示せ。一時金4.0ヶ月以上の要求を。特別手当化許すな。強い労働組合になり、求心力回復を。結果にこだわる闘いをせよ」

「不退転の決意で交渉に臨め。共通スリム化されているのか。特別手当0.7ヶ月獲得を。一時金は、4.0ヶ月以上一括妥結を求めろ。ベアは、3%以上の要求を」

本部答弁

この集会は決議機関ではなく、方針を決定する場ではない。いただいた意見を含めて精査をし、要求への反映をしていきたい。

JPグループの春闘交渉の特徴として、24単黒(24年度単年度黒字必達)を確実に実現しないと債務超過になるということから、次年度の事業計画に基づいて春闘をせざるを得なかった。見込みの中で春闘をやってきたということになる。
  経過の中でいえば、事業計画を上回る実績を残してきたということを含めて、しっかりと組合員に還元させるということから特別手当を今回の春闘で選択した。それで今、皆さんの頑張りで事業計画が上ぶれしているので、そのことについてまず理解してほしい。債務超過を回避するためのものであり、やむを得なかったことである。ロストはしていないということを理解してほしい。

0.7ヶ月を求める声が多く出された。本部としても受け止めて交渉に臨みたい。
  状況については今のところ上期で郵便セグメントでいうと140億円のうわぶれだ。0.1ヶ月で40億円必要としたときに、0.7の時にはどれだけ必要なのかといった時に、まさに年末年始含めての業務運行等がどうなるかによって予断を許さない状況だということになる。その部分しっかりと受け止めた上で交渉していきたいと思っている。

期間雇用社員の支給のあり方については、本部としても年明けの状況等を見極めて、原資を確定した上で判断していきたい。

春闘の方針決定プロセスの中で、スケジュールについて中期経営計画がでた時点での見直しについての意見、妥結の段階で別途会議を開いて意識あわせすべきとの意見について、まずは社会的な役割春闘の大きなうねりを
つくっていくということを踏まえれば、連合の一員としてそのスケジュールに沿って闘いを展開していきたい。

今回の方針についても、中期経営計画の数字自体は明らかになっていないが、中期経営計画ができてくること大きな数字となることを踏まえて提起している。労働組合としてJP労組としても、しっかりとしたスタンスを決めた上で、中期経営計画協議に臨んでいきたい。
  要求項目の精度を上げていくために会社とも水面下で中期経営計画の数字についてもやり取りをしている。それを踏まえた要求組立をしていきたい。

要求の柱について、まずは正社員の一時金の回復、特別手当によらない一括妥結、本部としても同様の認識である。特別手当については現状では事業計画の中で見込みの中で交渉をしている状況だ。
  上場企業となれば決算で上ぶれした部分、儲かった部分は基本的には次年度の株主総会で株主にどれだけ配当していくのか、それで社員にどれだけ還元するのか、内部留保=会社としてどれだけ取るのか、決算の数値に基づいてやっていくのだと思っている。
  郵政グループが上場したとしても、株主がこれだけ上ぶれしているではないかと、特別手当で返してしまったということにはならない。
  早い段階で年間妥結でしっかり社員の一時金を確保していくことが姿だと思うので、しっかり対応していく。

要求の水準については、ベア要求のあり方含めて全体としての水準をどのくらいに求めていくのかということについて検討した上で決めていきたい。中央委員会で議論した上で方針決定していきたい。
  日本郵便でいくと一時金は1ヶ月分だと840億円かかるとか、時給制契約社員の時給10円引き上げると郵便セグメントでいくと20億円、郵便局セグメントでは6億で、合計26億円、定昇は実施当然だが、定昇には日本郵便では200億円くらいの原資がかかると、これは事業計画に盛り込まさせているので確保できるが、それだけ原資がかかっているということだ。

スト権確立は「想定せず」

スト権確立についてもは、民間企業としてスト権を持っているということについて当然だが、本部は今春闘でのスト権確立について想定していない。スト権確立については規約で定めているとおり全組合員での一票投票が必要となる。強い闘いを展開するためには、圧倒的高い支持率で投票を終えなければならない。これまで2012春闘でのはがき行動、2013春闘での署名行動への参加率を見た時に、組織の状況を見た判断が必要ではないかと。今後総括議論を踏まえた運動の再生はかった上でスト権確立ができる組織づくりに向けて取り組んでいきたい。
  時給制契約社員単価アップについて、生活がかかっている上で会社の経営があるからといって理解せよでは済まされないのではないか。

{再質問}

「私の職場の期間雇用社員は、総じて年収200万円以下のいわゆるワーキングプアである。内務期間雇用社員の単価アップを別立てで要求してほしい。正社員登用の充実を図れ」

「春闘の基本は、どこに依拠するのかということ。生活実態について報告する。最低5%以上の賃上げがなければ生活は低下する。要員状態も改善してほしい。平準化されない中での新人事給与スタートに懸念する」

「一時金4.3ヶ月以上も取る決意を示せ」

{本部答弁} 期間雇用社員の業績手当は

新一般職の登用者については、元々会社が想定していた数字を、4,000だったものを5,000にさせたということを含めて、約1万人の月給制社員がいる中で半数を今回登用していくと、次年度以降もこうした取り組みを進めていく。

業績手当関係について、10月試行しそれぞれこの体系を把握するため対応してきた業績手当の改善課題についてである。先般周知したが、営業関係でミスがあり再度のアンケートの取り直しを全国の職場でお願いをしているところである。そのため会社側の集計作業は遅れているが、組合側のそれぞれの意見について今精査をしている。要求化するものと職場で運用上明確になっていない課題があるようなので、解明や質問などで対応し4月1日開始までにしっかりと対応する。中央委員会に報告できるよう対応する。

期間雇用社員に対する業績手当制度の創設の意見について、「新たな人事・給与制度」のいわゆる業績手当の導入の際も明らかにしているが、正社員分については郵便関係手当をスクラップしあるいは調整額を少し入れて原資を生み出している。
  期間雇用社員については業績手当導入の方向性について主張しているものの、原資の問題でなかなか前進していないということについて理解してほしい。会社側が原資を生み出すためにスクラップをするひとつの考え方がある。私たちは、会社側が原資を持ち出さなければ可能性が低い・できないという議論を進めている最中であるので、もう少し時間がかかると認識している。例えば新年度以降には新一般職の中途採用等も必要なのではないか、ということも視野に入れながら検討していくので理解願う。

5年経過している期間雇用社員についてはすぐ無期化しろと2本立てで要求してきた。
  ただ、法律としては有期を無期に変えるだけで、労働条件は変えなくて良いとなっている時に、それで良いのかということを含めて、どういう労働条件で無期化するのかというところをどのように詰めていくのか、もう少し議論が必要だということで引き続き今春闘での重要な要求項目として掲げ詰めていきたいと思う。

{再質問} 新一般職に応募しない理由

「新一般職採用について応募しなかった組合員に対話したところ、月々の手取りが5万も3万も下がるために断念したと聞いた。会社の資料では基本給のみの記載で手当が記されていない。ここにひとつ問題があるのではないか。しっかりと会社に説明するよう求めるべき。分かりやすいシミュレーションが必要である。
  特別手当、上場前に一時金の制度を確立せよ。夏冬で4.0ヶ月の上に、年度末に業績に基づいた手当を。
  株式上場、その前に超過勤務、自爆営業、メンタルヘルスによる休職者の拡大等、各種問題を取り除いてからのことではないか」

「非正規社員処遇改善について、Bスキルの緩和もせよ。新たなスキル選考基準の策定必要。経験年数を考慮した処遇を。住宅手当など創設を。組合員と未加入者との処遇に格差を。委託制度限界ではないか。福島では原発事故が要員不足に影響している」

本部答弁

期間雇用社員の処遇改善についても様々意見をいただいた。
  救済措置についてA有りから無しになった時の救済になったとした点について、A有りと無しの差が200円あって落ちると月給にして3万円を超える削減になってしまうと、生活できないではないかと、そういう制度で良いのかと会社に提起をした上でこういう救済をしたことである。Bレベルでの救済が必要なのか、処遇改善全般の中で精査作り込みをしていきたい。その他、スキル認定のあり方についても精査をした上で必要があれば要求交渉していきたいと考えている。

交渉経過の情報報告について、ぜひ分かっていただきたいが、当初は要求に基づいてこうこうこうなんで要求しますよというのは表向き、まさに理屈の世界である。情報としては出すことができる。準トップ交渉になると2013春闘では、会社側は日本郵政坂副社長・鍋倉社長と小俣書記長と増田書記次長の2:2の準トップ交渉を積みあげてきた。ガチンコ勝負だ。書けるようなものではない。罵り知り合いではないけれども、そういったことを含めて交渉をしている。そういうことだけは理解いただきたい。理屈の世界じゃないと、親分同士の準トップ交渉ですから、そういったことを含めての要求交渉を積み上げていると、進展無しということはとてもではないけれども書けないようなやり取りをしていることも理解してほしい。
  グループ一体性については、金融2社から不満が出ていることについて、本部は素案の中のとおり現状では一時金で差をつけていくというのは難しいであろうと思っている。

総括答弁 窪田書記長

33名の皆様が、職場実体の話、特に要員不足・新人事給与制度の話、非正規社員の課題等など様々な実体について意見をいただいた。これについては、本部より現時点で示せる見解を示し、受け止めて改善すべきは改善すると提案させていただいた。
  また、春闘に臨む本部の姿勢は、プロセス、また今春闘の討論集会のあり方、特にバックアップ体制等についても意見をいただいた。特に特徴的には、職場でどのように春闘に臨む運動をつくっていくかとの提起もされた。参議院選挙総括、5年総括等をつうじてJP労組として運動の再生に向けて努力をしていくということは既に明らかにしているとおりである。本部の役員も地方担当制をもって支部の近いところまで入っていき、皆さんとの意識の乖離を埋めていくという活動も、実際やっていかなければならないと思う。

また、要求の柱に向けて様々意見をいただいた。特に一時金については、最低で4.0ということや、4.3に向けて回復の道筋をという話もあった。企画部長のとおり、現段階で決定するという会議ではないので、意見を受け今後の様々な状況を勘案しながら決定していく。
  要求の柱として掲げている、例えばグループ一体性の重要性を踏まえた統一要求を構築するといったようなことについては、一定の理解をいただいたと思う。賃金カーブの維持としての定期昇給の確保については共通認識であると考えている。

やはり一番最重要課題は、一時金水準をどうするかまた連合方針=ベアをどうしていくのか、こういったところをどのように今後組み立てていくかいうことだが、今会社の現状を皆さんに理解いただき、共通認識を得た上でぜひ今後職場討議を進め、中央本部としては1月下旬から2月に向けて数値を入れた中央委員会の付属議案としての要求項目を示すので、その段階でも職場討議願う。

今日様々な原資の問題や、上場の経営自由度の問題や、企画局長から申したとおりであるが、聞いていると「こういう現状であるからこれで我慢してくれ」というように聞いてしまう方もいるかも知れない。我々の述べていることは、そういうことではなくこういう状況にあるということを皆さんと共に共通認識として皆さんと共に論議し、そして最終的に中央委員会で皆さんと納得づくの要求項目を掲げていきたい、こういった意図で説明した。
  交渉経過の話についてちょっとブッチャケ過ぎの面もあったかも知れないが、ああいったところもぜひ皆さんの心の中にとどめていただき、そういった意味では皆さんとの共通認識は今日は全体的にははかれたのではないかと確認し、今後本部としてしっかりとした方針をつくって参りたいと思っている。今後も協力を願う。
  今日はどうもありがとうございました。

(文責:編集部)