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世間に知れ渡った営業最優先    (01.21)
郵政産業ユニオン呉支部機関紙1月21日号より転載

遅配より営業

先日の朝日新聞に取り上げられていました、遅配問題。年始のバタバタで見逃した方も多いと思いますので、紹介したいと思います。
  全国の一部の郵便局で、配達すべき期限を過ぎた郵便物が局内に留め置かれ、配達の遅れが常態化していることがわかった。消印を押さない「料金別納郵便」が対象で、郵便物の量に対する配達員の人手不足が主な理由。配達員が年賀はがきなどの営業に力を入れるよう求められていることも影響しているという。
  日本郵便は取材に対し、「郵便物の遅配や紛失につながり、あってはならないことだ」として、近く全国の郵便局に注意喚起する方針だ。
  朝日新聞の調べでは、関東や中部、東北など少なくとも全国6カ所の郵便局で、こうした実態が確認された。いずれも職員が数十人程度の中小規模の郵便局で、郵便物の量に対して配達員の数が少ない傾向があるという。6局の郵便局員らは「人手が少ない郵便局では、どこも似たような実態だ」と口をそろえる。

日本郵便によると、料金別納郵便の利用は通信販売会社など企業から個人へのカタログやダイレクトメールなどが多い。割引率に応じて、郵便局が引き受けてから配達するまでの「猶予期間」が7日ほどあるものと3日ほどあるもの、基本的に即日配達すべきものの3種類がある。しかし、郵便局員らによると、即日配達すべきものや猶予期間を過ぎたものを後回しにすることが常態化しているという。料金別納郵便は消印が押されないため、引き受けた日が届け先にはわからないからだ。

この記事を見て感じている人も多いと思いますが、どこも人手不足だということと、捌ききれない仕事量のどこに重点を置くかによって、局ごとの特色が出ているように感じます。

誤配や事故も後回し

ある局は営業、ある局は時間内に配り切ること、ある局は正確な配達、ある局は安全最優先と様々です。
  毎日のように上がる誤配、管内トップクラスの交通事故発生数、年賀はがき販売目標達成率管内最低クラス。
このことから見ても、呉局では「配り切る」ことが最優先であるように感じます。

本社が、「○○を優先しなさい」と言っている訳ではないでしょうが、やはり一番大事なのは「いのち」です。あらゆることに優先するのが「安全」ではないでしょうか?
  会社は、配達・安全運転・営業は一括りで考えているようですが、報道から見てもわかるように、全国的に時間が足りていないのが現状です。
  配達のスピード・正確さ、交通違反のない安全運転、営業活動。これらを全てこなす為には時間が必要です。
時間を増やすには人員を増やすしかありません。

マスコミに大人気

自爆営業の報道が昨年末かなりありました。年賀はがきやお歳暮ゆうパック等、営業専門員でもない社員に対して目標(逐一何パーセント達成したか張り出すのは明らかにノルマ)を課すのはおかしいという意見も、多数寄せられていたそうです。
  実はこの「自爆営業」、海外でも紹介されていて、外国人からも「おかしい」という意見が出ているとのこと。海外でも波紋を広げつつあるようです。

ある弁護士は、「従業員に対して物品販売の営業ノルマを課すこと自体に、原則として、法的な問題点はありません」と解説。ただし、「販売目標が誰から見ても明らかに過大で、遂行が不可能あるいは客観的に不相当であると認められるような場合には、例外的に違法となる余地はあるでしょう」と説明しています。

今回の呉局集配部での年賀はがき販売目標は正社員1万枚、非正規社員7千枚でした。自爆営業の報道が多数あったことから、知人やお客さまから「ノルマ何枚」と耳にタコが出来る位聞かれました。1万枚だったことを伝えると100%「多すぎるね!」という同じ答えが返って来ました。
  これは弁護士の言う「明らかに過大な目標」ではないのでしょうか?

もっと具体的に言及すると、例えば一件で50枚販売したとします。それが200件あったら1万枚達成します。その200件の販売の為の時間、どれだけかかると思いますか?
  準備・販売・精算全て併せて大まかに1件あたり10分とします。200件で2000分、約33時間かかります。
  大口を持っていなくて、一件一件本当に声掛けをして販売した人なら分かると思いますが、1件あたり10分というのは少ないと思うでしょう。予約の時と販売の時、お客さまとの会話はかなり長くなることもよくあります。平均したら10分以上はかかっているでしょうが、わかりやすくするため敢えて10分にしています。
  それなのに、33時間もかかるのです。配達以外にどこにそんな時間があるのでしょうか?
  事故に遭うこと、そして誤配を恐れず、必死になつて配達する時間しか与えられていないのに、この営業目標は「過大」以外の何ものでもない、と思います。

菅義偉官房長官が昨年自爆営業について「無理なく正常、適切な営業が行われるよう総務省にも注視させたい」と述べましたが、梨の礫。本社にはマネジメントの意識はないのでしょうか?

ある営業コンサルタントの話では、「自爆営業」は私たちの業務全般をマネジメントするリーダーたちの問題だと言っています。目標を達成する為に創意工夫してマネジメントしなければならないのに、根性論だけで現場を把握できていない。こういったマネジメント意識が欠落し、無計画でいると最終的に「自爆営業」に追い詰められてしまうのです。
  成熟した企業であれば問題点も少ないのかもしれませんが、日本郵便は非常に問題が多いです。
  組合は所属することに意義があるのではなく、問題を解決する「武器」にしてこそ意義があります。
  間違いを正す正義の為、生活の為、仲間の為に、今年も共に頑張りましょう!

(郵政産業ユニオン呉支部機関紙1月21日号より転載)