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限定正社員への登用はメリットがない    (01.21)
JP労組春闘討論集会「定期昇給には二百億円も原資がかかる」はウソ

年末繁忙が終わった先週、正社員試験があったが、長中の受験有資格者の10人ほどのうち、1名しか受験しなかったそうだ。
  これはどうしたことか。有期の契約社員(非正規)の希望は正社員化のはずだが。
  受験しなかった人に聞けば、「給料が減るし・・・」という。なりたい正社員がなりたくない正社員なのだ。これは厳しい現実で、こんな会社は許し難い。

その一番は、4月から始まる限定正社員の新一般職だ。
  これは言うところの「名ばかり正社員」である。賃金が正社員の6割で、先の夢も薄い。そのうえに、営業、異動など、いろいろ負荷が多い。これでは「ならない」方がいいとみんな思う。

人はみな個人では悪人ではないはずだ。性善説でないと人に希望はないし、社会や組織の秩序もない。
  しかし、それが集団となると違ってくる。人が平気で人を踏みつけ、苦しめる。会社という組織での、モノの考え方は、人間の常識を持たない。

月収20万円で半年雇用の契約社員は雇用も不安定で、結婚も、子供も、将来に家を建てるという夢も厳しい。そういう雇用を効率化で正当化する会社とは、まさに非人間的な組織だ。
  会社の利益至上主義という考え方が、なににもまして最優先され、人はコストとして計算され、人間らしく生きるという目的や、文化的な生活をおくるだけの賃金すら否定する。会社はいったい誰の働きで、成り立っているのだ。

こんな会社組織の社会は、結局、人を否定する異様な社会となる。その組織の中で役職から「利益を」との命令一下、働く人は死ぬほど走りまわされる。さらに、少しでも仕事にミスがあると、賃金カットや処分を受けて、組織の妨害者として、全人格まで否定される。

人は生きるために働くが、働きのために死を招いたり、精神が病んだり、肉体に障害が出たりすることは、本末転倒ではないか。目的と働きと結果とが異なる矛盾した仕組みと社会だ。

契約社員はそうした地獄から抜け出るために正社員化を夢見てきた。しかし会社や多数労組は、多数の正社員化はコストが高く、赤字が出るとして、6万人の正社員化に反対し、会社自身が語った採用システムを反故にした。
  ウソつき会社と、それと協調する多数労組に、将来の期待は持てない。
  その証拠を一つ示そう。

JP労組は、12月に開いた春闘討論集会で、賃上げもストライキも明言しなかった。それどころか、「定期昇給には二百億円も原資がかかる」と委員長が発言した。社長すら言えない言葉だ。なぜなら定期昇給は新たな財源を必要としない。
  年度が替わるとき、一番上位の人が退職、あるいは昇給ストップになり、次の年代の人がそこへ昇給するだけで、かかる費用は今年も翌年も同じだからだ。
  委員長の発言はウソつきの典型だ。(表を参照)。

ましてやいまの郵政は、バブル期に大量採用された団塊の世代が一斉に退職期し、それを埋める新規採用は制限し(これが人不足の原因)、採用は非正規雇用で、賃金格差は二倍だから会社はぼろもうけ。そのうえに定期昇給で新たな財源がいるという論理は、事実に反する。
  こんな二枚舌に騙されてJP労組の現場労働者は、怒らないのか。そもそもこの集会の事実すら現場に知らされない組織が不幸なのだが・・・。

(郵政産業ユニオン長崎中郵支部機関紙「未来」1月21日号より転載)