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詰める管理者―かんぽ生命職場から    (05.07)
かんぽ生命保険職場のパワハラの実態

今から5年前、株式会社かんぽ生命保険は全国で営業職を50名も中途採用しました。その中で一年もしないうちにその一割が退職するという状況は誰が聞いても異常な状況です。採用後、本社での研修は充実していました。しかしながら現場の状況はそれとはまったく異なるものです。
  この記事は一部の問題ある管理者の為に人生を壊された方々の代弁です。

私が見た光景は事実です。
  ある管理者は懇親会の席で、特定の社員の頭にアイスペールに入っていた氷をかけて喜ぶとか、卵焼きの口移しを強要するなど常軌を逸した行為を行なっています。もちろん、他の社員もその管理者の行為には驚きを隠せませんでした。
  また、その社員が断ると空気の読めない奴ということで、その後、仕事中パワハラを執拗に繰り返しました。

日常的に特定の社員に対し公開叱責、人格否定、罵倒、恫喝、他の社員との切り離し、その社員の家族への侮辱、退職強要などパワハラのオンパレードでした。
  管理者はその社員に「お前には営業の資質がないので営業はさせない」と言い、本来の法人営業から外しました。ところが、「営業をするな」と言いつつ営業ノルマができていないという理不尽な要求をしました。これが到底不可能な要求であることは、誰でも理解できることです。
  またその社員に他の社員の営業車を洗車することや、ゴミの片付けなど本来の仕事とはかけ離れた内容の作業を命じました。

ひとつひとつ挙げていけば、厚生労働省が2012年に提示したパワハラガイドラインのすべての項目を満たすという悪質なものでした。
  問題の管理者から特定の社員への退職強要や恫喝は日常茶飯事、私を含め周囲の社員は同情しましたが、誰もが「助けてあげられない、今度は自分がターゲットになるから」と四面楚歌状態でした。そんななか、その社員は精神疾患を発症してしまいました。

パワハラの会社への影響

入社当初はあれだけ元気だった方が、人格が変わったように病んでいく姿を見て本当にいたたまれない気持ちでいっぱいでした。
  その社員は思いやりのある課長の勧めで半年間ほど病気休職しました。しかし、復帰後は、問題の管理者は他の社員と異なった条件で実質仕事を教えることもないまま、到底不可能なノルマを強要しました。なんて酷い事をするのだろうと何度思ったことかしれません。
  また、その社員が39度の高熱を発症し、顔や手に発疹ができても、「仕事に出てこい」と恫喝しています。「健康管理も仕事のうち」と言われますが高熱が出てお客様に心のこもったサービスができるでしょうか?
  「そんなこともできないのなら仕事を辞めろ」など退職強要が続く中その社員は精神疾患が悪化しました。問題の管理者はそうした事情を知りながら社員や医師の意見に耳を傾けることなく退職強要を続けてきました。

パニックになったその社員は客先でミスを起こしてしまいました。問題の管理者とその取り巻き連中はこれ幸いとばかりにミスを責め、どう責任を取るのかと詰め寄りました。明らかに退職強要でした。この会社では社員は使い捨てなのだと思いました。
  その社員は精神疾患が再発し止む無く休職に至り、約2年間休職をされました。

パワハラを受け休職した社員の分のノルマも他の社員がカバーすることになります。
  そのこと自体はごく当たり前のことですが休職するまで追い詰めなければその様な事態にはならなかったのではないでしょうか?
  その管理者は本社に目標設定の減額を申し出ていました。もちろん本社は認めません。自業自得とはこの事です。

パワハラはその人の人生を壊すだけでなくその人の家族やひいては会社の貴重な人材を損なう行為です。同年代である私もその社員と同じように家族があり家庭があります。同じ思いで入社した私達もその管理者は許すことができません。
  その後関係した管理者は当エリアから離れた支店へ広域配転されました。残った私達社員が喜んだのは言うまでもありません。

ユニオンの助けで職場復帰

その社員は今から半年前に復帰されました。郵政産業労働者ユニオンに入り直されて現在も時間短縮勤務の中、職務を遂行されています。しかしながら、後任の管理者から以前にも増して、罵倒、叱責が幾度となくあります。

週5日勤務の中ほぼ毎日、管理者や他の上司から一時間近くの対話という名の個室での罵倒、叱責が続いています。隣室にも聞こえるような怒号が聞こえます。そして、些細なことで注意指導書を書かせるという、某鉄道会社の日勤教育に近いものが現在も行われています。

朝の挨拶が遅れただけ、上司に提出する文書の文字のセンタリングができていないなど、ほんの些細な理由で注意指導書を書かせたり、他の社員は自動車での営業なのにバイクはおろか自転車での営業をその社員にさせているのです。
  他の社員にはその様な処罰はされていないのであまりにも見え透いたパワハラではないでしょうか。
  また、その社員をあからさまに無視する社員もいます。辞めてほしいと思っていると罵倒する社員もいます。大半の社員はこれらの事がハラスメントであると認識できていません。もちろん、管理者クラスからして先ほど述べたような有様ですから、仕方がないのかもしれません。

郵政はブラック企業か?

郵政は一部ではブラック企業と言われています。
  郵政の職場は根本的な体質が変わらなければ何も解決しません。
  企業文化がいい方向に作用すればいいのですが、社員同士が疑心暗鬼で信頼できない、何より社員を育てようという風土が感じられません。社員が愛することができない組織が、お客様から愛されるでしょうか?
  郵政の職場は退職、休職される方が本当に多いです。また、病気や事故で在職中にお亡くなりになられる社員の方も多いです。本当に異常な職場です。そして、20年近く勤務された事務職の方や新卒で入社したばかりの方も多く辞められています。
  郵政の職場は本当に入れ替わりの激しい職場であり、まさに社員は「使い捨て」ではないでしょうか?

上場を控えて

株式上場を控えて、管理者の意に反する社員は益々ハラスメントを受けるでしょう。
  朝礼で管理者は部下にこの様に言われました。
  「会社は社員を解雇することはできない。仕事をできない社員は詰める(対話)から」。
  このように、罵倒叱責を繰り返し、社員を病気にさせて退職させるということを公言しています。
  もちろん、尊敬できる管理者や社員の方も多くいます。だからこそ社員を人間扱いしない一部の管理者を許せません。私が大好きな郵便局をそのような管理者の為に憎しみを抱えたまま仕事をするわけにはいきません。
  上場する前に社員全員が幸せを感じられる職場にするのが管理者の役割ではないでしょうか?
  このことはかんぽ生命の経営理念である「社員への約束 明るく働き甲斐のある職場環境を作ります。社員一人一人を尊重し、等しくチャンスを提供します」に反しているのではないでしょうか?

(広島通信員)