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東本不当降職処分裁判勝利    (12.27)
郵政人事評価制度が破綻

【東本裁判とは】
  2011年8月1日、豊中南郵便局で34年間変わることなく真面目に仕事を続けてきた東本栄次郎さんは、日本郵便株式会社からの恣意的な人事評価によって、「勤務成績不良」を理由にして「主任」から「当務者」への降職処分を受けました。このことにより毎月の賃金は3万円近く減額となり、退職金や生涯の年金支給額も減少することになったのです。
  問題は東本さんが急に「勤務成績が不良」となったのではなく、会社の職場における労働者へのパワハラや、コンプライアンス違反の「自爆営業」などの施策に反対してきたことへの報復としておこなわれたことにあります。東本さんは2013年5月22日、大阪地方裁判所に対して、降職処分の取り消しと金銭的損失分の回復をもとめて提訴を行いました。それから11月5日まで、10回の裁判が開かれてきました。

完全勝利的和解

11月28日、東本さんと日本郵便は大阪地裁において和解協議をおこない、協議は成立しました。これは和解とはいえ、内容的には東本さんの完全勝利、日本郵便の完全敗北と言えるものです。
  その内容は、1.日本郵便は2014年12月1日付で東本さんを主任とする人事を発令する。2.目本郵便は東本さんにたいし、解決金を12月末日までに支払う。主要にはこのような内容で、特筆すべきことは、和解内容について第三者への守秘義務が付されていないことでした。

郵政人事評価制度の根幹が崩壊

日本郵便は裁判のなかで、東本さんがなにゆえ「勤務成績不良」と評価されるのか、その評価基準を具体的に提示するように裁判所から求められたにもかかわらず、最後まで一般論に終始し、証拠を提出することができませんでした。何故か。それが正当な根拠に基づかない恣意的評価だったからです。

しかしこれは東本さんだけにかかわる問題ではありません。人事評価シートで◎をつけるか、○をつけるか、△をつけるかは、すべて出来の悪い管理者の恣意であり、これが郵政労務管理の根幹であったのです。
  これによって、なにゆえ郵便局の労働者が損を承知で年賀状を金券ショップに持ち込むのか、パワハラが蔓延し、自死者が続出する職場になっているかを理解することができます。
  だれもが負けるだろうと思っていた東本裁判の勝利は、わたしたち自身が正しいことを正しいと言うことへの自信を取り戻すものでした。
  闘えぱ勝てる。蟻も巨象を倒すだろう。

(「東本さんの降職処分を共に闘う会」機関紙より転載)

東本裁判・急転勝利和解!! 緊急報告集会開催!!
(郵政ユニオン近畿地本機関紙12月24日号より転載)

11年8月に降任降格処分を受け、主任から当務者に降任された豊中南局の東本さんが、この処分の無効と損害賠償を求め、'13年5月に訴えを起こした東本裁判の和解が成立しました。これまで、弁論は10回におよび、東本さんの訴えに共感する仲間が「共に闘う会」を結成、そのつど近畿支社前で抗議集会を決行してきました。

ところが11月28日急転直下この裁判は和解。内容は、代理人の森弁護士によれば勝利判決を上回る内容で、長い弁護士生活のなかでこの様な和解を勝ち得たのは初めてと言うものです。
  12月17日エル大阪において報告集会がもたれました。
  和解までの経緯は、第10回弁論の前に裁判所から和解案が提示されていましたが、11月5日の口頭弁論でこの和解案を原告側が拒否したところ、裁判長が別室に双方を呼び出し、原告側が新たに和解案を提示。被告側がこれを受け入れ和解が成立したものです。
  今回の和解は被告側から口外禁止の条件が付いていません。ちなみに、原告側が訴えで求めていた損害賠償の額は62万1945円でしたが、和解内容は日本郵政側が東本さんに60万円支払うと言うものです。
  12月1日には東本さんに再び主任発令をされました。

裁判を通じて、被告側は「パタパタ方式」(注1)が全国的に指導されているのか、また、軽微な交通事故に対する人事評価の適法性などに対して全く答弁が出来ませんでした。 人事評価そのものが恣意的に運用されていると言う事がこの裁判を通じて明らかになりました。

(注1)機械で戸別組み立てした郵便物に手区分の郵便物を組み込む作業方法。機械処理に完全な正確さが無いため、信頼性があまりない。会社側見解は不明。

森弁護士はこの裁判の勝利の大きな原動力となったのは、労働組合の力に負うところが大きいとこの裁判闘争の総括をしてくれました。

東本さんは満面の笑みで支援のお礼を述べ、主任発令を何度も「処分発令」と失言し笑いを誘っていました。主任発令のあと、作業中に局長が東本さんの後ろを、捨て台詞(せりふ)をのこして立ち去って行ったなどというエピソードも曝露。
  報告集会終了後は、近所の中華料理屋さんで祝賀会がもたれましたが、スピーチに立つ仲間から、「本日はおめでとうございます」という挨拶がつづき、なにやら結婚披露宴の様な雰囲気がただよっていました。


さらに、東本裁判和解報告
(報告集会で配布された文書より)

今日はこれ位で勘弁しといたらぁ!

11月28日、大阪地裁において東本裁判の和解協議を行い、以下の通りの内容で和解が成立しましたのでお知らせします。

(1)本年12月1日付をもって東本を主任発令する
  私達の主張は「降任を撤回せよ」なので、降任時に朔って降任そのものを取り消させるのが本来です。しかし入事権がらみのいわゆる「スジモノ」を金銭解決ではなく新たに任命するという形とはいえ主任に実質上「復帰」させる事ができたのは大きな成果だと思っています。
  和解協議で、会社側は主任に戻すにあたって「氏名札着用」「パタパタ方式に応ずる」「スリッパ履きバンダナ着用を改める」「SKYTに参加する」等の条件を付してくる可能性が大だろうと予想していました(その場合は和解決裂、判決を求める覚悟で臨んでいました)。これについても全く無条件という事で私達の主張は通ったと考えています。ただし主任復帰以降、会社側が主任として当然の事として上記の事を求めてくる可能性はあります。

(2)本年12月末日をもって解決金60万円を東本に支払う
  この60万円という数字は、東本降任以降から裁判開始までの期間の金銭的損失分を請求したものです。つまり、この金額には裁判開始から和解にいたるまでの期問の損失は含まれてないので東本の被った金銭的損失はもっと大きいのですが、裁判官の心証に訴えなければならないという裁判上の限界からして妥当な請求額だろうと判断していたので、請求額に対しては満額回答となる訳でやむを得ないと割り切りました。
  結果的にみれば、もっとふっかけてやっても良かったのではとも思いますが、裁判を始めた時点では「ほとんど勝てる見込みのない」裁判だった状況を勘案するならば金銭的な多寡はほとんど問題にならなかったというのが正直なところです。

(3)和解内容に対する守秘義務は課せられていない
  つまり、この和解内容について掲示板・ニュースで公開しても差し支えないという事です。もちろん私達は守秘条項については認めない立場をとっていたのですが、これまでは必ず守秘条項を付し和解内容を明らかにさせないため血道をあげてきた会社側が、ここまで譲歩したというのははっきり言って理解に苦しむ点です。まあ、ここは私達「共に斗う会」の運動が会社側を追い込んだと善意に解釈し、この和解内容を成果として広く訴えていく所存です。

以上、簡単ではありますが和解内容について述べました。「和解ではなく判決を求めるべき」という意見も二,三ありましたが、いくら労働者側に有利な判決を多く出している中垣内裁判長といえども本和解以上の判決を期待するのは難しい事、判決がどちらにころんだとしても高裁の控訴審まで進んで勝てるがどうかわからない事を考えるならば、そこまで東本にギャンブルを強いるのは酷だと判断しました。むしろ来年三月の退職までの短い期間ではありますが、東本が現役中に胸を張って「庵は主任に戻った」と豊中南局の労働者に元気な姿を見せる方が波及効果は大きいのではないでしょうか。

いずれにしても、本裁判斗争をここまで押し上げたのは「共に斗う会」の仲間の多くの結集のカがあったからこその成果として率直に喜びを分かち含いたいと思います。
  また、有利な証拠も少なく難しい裁判を、粘り強く会社側の矛盾を突きながら東本の正当性を主張してくれた森弁護士にも感謝の意を捧げます。
  これで東本裁判は終了しましたが、格差やパワハラが横行するそれぞれの職場の状態が変わった訳ではありません。「狭山の集い」として新たに生み出された反差別の運動を基軸として更に大きなうねりを創り出し、不当な労務政策を続ける会社に突き付けてやろうではありませんか。「今日はこれ位で勘弁しといたらぁ。明日はこのツケ
は倍返しで払って貰うからな!」と・・・。

東本裁判勝利へのお礼

皆さんの期待に反して勝ってしまいました。
  そもそも、私が、裁判を決意したのは、職場の奴隷状態を何とかしたいと思ったからです。些細なミスで管理者から怒鳴られ、過重なノルマら逃れる為自爆せざる得ない職場、人員不足から来るサービス残業、最近では重大交通事故が極端に増えています。
  不可能な事を二重にも三重にも課せられ、心が壊れていく社員、最悪自死に至るケースもあります。この様な職場は、人間の働く職場ではないと私は考えています。

裁判をする決心がなかなか付かないでいると、職場の仲間から背中を押され昨年5月22日提訴に踏み切りました。約1年6ヶ月長い様であっという間の出来事の様に思います。近郵前の抗議集会や公判のたびに、支援者は増え続け皆さんから元気をもらいました。私の後ろに皆がいるというだけで勇気をもらい、何でも出来ると思いました。本当に、有り難う御座いました。

先月11月28日、和解協議が行われ、12月1日主任に戻す事が決まりましたが、本当かなと思いました。午後からの仕事が始まってすぐ、主任発令がなされました。この時点で、会社の人事評価は破綻したと言っても過言ではありません。
  でも、私は、こんな事で満足はしていません。支援者の皆さんにもらった勇気と元気は、これからの運動で返したいと思います。
  ともに闘いましょう。そして、有り難う御座いました。

東本栄次郎