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2015年年賀の総括―惨敗    (01.16)
株式上場に向けた、これがその会社の現状だ

今年の年繁も終わった。
  本社の発表では、元旦の配達総数は全国で18.1億通。対前年比99%に終わった。2012年に20億通の大台を割り込んで以来、今年も回復することが出来なかった。
  本社の発表では、11月20日時点で、目標の50%を超える15億枚を販売し、この数年続いた減少傾向にストップがかけられそうな雰囲気だったがそうはならなかった。
  若者の年賀離れを食い止めようと、「年賀ドットJP」「スマホで年賀」「年賀印刷」などの新サービスにカをいれ、料額印面の「ひつじさんのマフラー」がネット上で話題になるなど、それなりの効果もあったようだが、実績には結びつかなかった、というところか。

ところで発行枚数は33億枚なので、大量の年賀が売れ残ったという事になる。毎年売れ残っているのだから、発行を押さえれば良いものを、途中で追加発行までして、売れ残りを増やす有様。これでも誰も責任をとったという話を聞かない。
  毎年2%程度減少を続けている。明らかに年賀状による新年の挨拶という風習が廃れてきつつある。
  会社はこれに歯止めをかけようとしているのだが、成功していない。何より郵政グループに働く労働者自身が仕事に誇りを持てない。
  まだ残暑の時期から年賀の予約だ、お知らせ活動だ、と騒ぎが始まる。局ごとに目標が設定され、達成度合いごとにランク付けがされる。とっくに旧事業会社と局会社は統合されているのに、年賀の目標と達成度合いは未だに旧会社別に行われている。
  このバカバカしさ。

旧会社ごとに局のランク付けを行い、局幹部はその変動に一喜一憂する。
  かつて支社1位になって優勝カップを貰ってうれしそうに記念写真を撮って職場に飾らせたドンキホーテの様な局長がいたが、「郵便収入の増」は建前でしかなく、営業は局幹部の自己顕示欲を満たす手段でしかない事を社員は既に見抜いている。

管理能力

福山局では、12月に入って年賀のチラシ全戸配布を行った。3度目のチラシ配布なのだが、これは正当な業務だろうか.
  郵便については、差し出し(引受)から配達まで行うことが、郵便法と郵便約款によって会社は義務付けられている。管理者が社員に業務を命じる根拠もここにある。ところが、チラシ配布の根拠は何処にもない。
  しかも昨年末のように、元々の繁忙に加えて選挙郵便があり、天候が悪くて寒い中をあえてチラシ配布を命じる相当の理由があるかというと、見当たらない。
  同局の年賀販売の推進率が悪かったのだろうが、その程度の理由でチラシを配らされる労働者はたまったものではない。

それは、呉局にも当てはまる。元旦準備の最終盤になって市内の特定局長の挨拶チラシを年賀に組み込むように言われた。
  会社としての年始の挨拶文は社長の物を組込んでおりそれで十分だろう。特定局長がそんなに偉いのか。何故、最も忙しい時期に不要な業務を増やすのか。

年賀繁忙は、休みがないのに加え連日の超勤で、過酷労働の日々である。
  それでも大晦日の夕方に翌日の準備を終えた時間、元旦に年賀配達を終えた時間の集配の職場には、ある種の達成感・満足感が漂っていた。
  いま、このような感慨が集配労働者にあるだろうか。事務的に淡々と年賀作業をこなして、繁忙は無事に終了した。しかし、それだけでそれ以上の高揚感は無い。
  かつて、年賀と言えば業務繁忙を指していたが、今や年賀と言えば、営業の代名詞になっている。
  会社の施策が労働者の職業観・使命感を粉砕してしまったのだ。

年賀状という風習が廃れてきつつあるように、職場でも年賀繁忙の伝統が廃れてきつつ・・・否、すでに廃れてしまっている。
  会社は、大きな大事なものを失いつつある。その事に幹部が気づいていない点に会社にとっても労働者にとっても最大の不幸があるのだ。

今年の郵政の最大のイヴエントは何といっても「株式の上場であろう。これによって、郵政各社は本格的に民営会社になる。上場の時期は「今年後半」としか発表されておらず、日本郵政(株)と同時に「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の金融2社も同時に上場するという。
  07年の民営化以降、常に金融2社は黒字で日本郵便は赤字である。この矛盾はこれまでは表面化してこなかったが、上場によって表面化する危険性を持っている。
  2社株主は、郵政Gからの離脱を主張するだろう。

日本郵便は3月末の決算を260億円の赤字と見込んでいる。いつまでも、金融2社の応援を当てにするわけにも行かず、恐らく会社はまた、郵便営業の強化による収入増と人件費を中心とした経費削減を言い出すだろう。
  そうなると郵便事業は縮小再生産に向かい、ユニバーサルサービスの崩壊の危機を迎える。そうなると郵便は社会から見放される。
  日本郵便は重大な岐路に立っている。

(郵政ユニオン呉支部機関紙1月13日号より転載)