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マイナンバー配達から見える日本郵便の矛盾    (11.11)
システムが生む不義

マイナンバーの配達が一部地域で始まった。
 マイナンバーとは、国内で住民票を持つ全ての人に12桁の番号を割り当て、国や自治体が税や社会保障などに関する個人情報を管理する制度。かつてない量の書留配達ということで、引受前からあらゆる問題を指摘していたが、起こるべくして不正配達が起こってしまった。

石川県珠洲市にある珠洲郵便局の男性社員が、一部の配達先で、書留の配達証に自分でサインをし、そのまま郵便受け等に入れたのだという。その男性社員は「焦りがあった」「早く配達を終わらせたかった」と言ったと報道されていたが、なぜ焦っていたのか、なぜ早く終わらせたかったのかまでは言及していなかった。
 珠洲局や北陸支社が隠蔽しているのか、マスコミの取材力に問題があるのかわからないが、「焦り」の背景に何があるのか、「早い配達」にはどういった利点があるのかを明らかにしなければ、お偉いさんが頭を下げただけでは国民は納得しないだろう。

「速さ」最優先

集配の社員であれば当然知っているDOSS。細かい内容までは紙面の都合上割愛させていただくが、要はその日の担務や作業に掛かった時間、物数等を携帯端末に入力するといったもの。そのデータを基に、物量に応じて早く終わらせれば高ポイント獲得、遅ければ低ポイントとなり、業績手当に反映される。

珠洲局の社員が手当のことを気にして早く終わらせたかったのか、班内や部内に「早く終わらせろ!」といったプレッシャーがあったのか、はたまた勤務終了後にプライベートな予定があったのかまでは私の知る限り報道されていない。
 「速さ」に重点を置くと、ミスが発生しやすくなることはどの業界でも周知の事実。リスク管理の面で、ミスがあっても良い業種と絶対にあってはいけない業種とがある。
配達業務というのは後者でなければいけないはずであるが、この会社にその意識は薄いのであろう。

個人から会社責任へ

ある報道では、マイナンバーの配達・交付のミスや不正が、7日現在140件以上発生しているのだという。ここまで来ると流石に国民も、個人の責任ではないことに気づき始めている。
 これらの不祥事に対し高市総務大臣は、「マイナンバー制度そのものに対し、不安を引き起こしかねないものであり、そもそも、とても大切な郵便を送るという書留郵便そのものに対する信頼性も損なうものだ」との懸念を示した。そして、再発防止に向けた対策を徹底するよう、日本郵便に求めていく考えを示したそうだ。

現場の処理能力が飽和状態であることを認識できていない会社の管理能力不足にこそ、マスコミがメスを入れるべき「ネタ」ではないだろうか。

(郵政ユニオン呉支部11月10日号より転載)