只今争議中


	強制配転反対！
	高度成長期、都市部では労働力が不足し、地方からその分を補ってきた。郵便局もその例外に漏れず、大量に地方から職員を募集した。　「３年たったら戻れるから」、と判で押したように甘い言葉をかけられ、都市部の郵政採用試験を受ける。しかし、３年たって郷里に戻れるのはまれであった。そのような郵政省のやり方を自嘲気味に、「人買い」などと言っていた。　当時、ある公判の席上、郵政当局はこう言っていた。「（仕事は）熟練を要する業務であるので、配転は困難である」と。　　郷里に帰れた者もいる。組合を脱退したもの、郷里に代議士等の強いコネがあった者等・・・。官僚による人事は常に恣意的で不透明である。特に郵政のそれは、労働組合対策の色合いを濃く反映していた。そのような人事を私たちはいわゆる「マル生人事」と呼んでいたのである。　労働組合を解体するための介入の手段とあらゆる手だてについて今ここで述べるつもりはない。とりあえずそれは功を奏し職場はほぼ一元的に当局管理下に置かれるようになった。　当局の誤算は、にもかかわらず業務がうまく回らない。官僚が次々と打ち出す施策はどれも現場を無視したものばかりであるので、業務が回らないのも当たり前であるが、官僚はそうは考えない。長年配転もなく職場に居座り続ける職員間のなれ合いが効率を阻害しているのだと。　かくて、かつての熟練云々のことなどすべて反故にし、毎年10%の職員を配転するという施策を唐突に実行してきた。　かつて当局が認めたように、集配課の仕事などは熟練を要する。いくら機械化が進もうと実際に配達するのは人間で、配達先の地域環境を把握するまでにはかなり苦労する。配転されると、またゼロから覚えなければならない。本人の希望と何らかの事情があるならともかく、いっさいを無視して一方的に１０%と言う数字を適用してきた。　人間をまるでモノのように扱う、これが郵政官僚のやり方である。　当然職場は混乱をきたす。ただでさえ郵便番号七桁化にともなう合理化によって業務が混乱しているところに、毎年１０％もの熟練労働者がいなくなり、10%の業務に精通していない者が増えるのである。　突然の強制配転。人権を無視し、事業を破壊するかのような郵政官僚によるこのような暴挙を、広く暴露するために、労働組合の垣根を越え、反撃は既に始まっている。強制配転の不当性を訴える人事院公平審への取り組みを始め、伝送便でも毎月のように各地の状況を伝えている。
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	胸章　ネームプレート　名札　裁判
	胸章、ネームプレート、名札。郵政省内でも地域によっていろいろ呼び名が変わる。にもかかわらず処分だけは一斉に同じように発令してくる。着用拒否者は容赦なく給与がカットされる。　たかが胸章、されど胸章。ようするに胸に付ける名札のことだけど、ただの名札と言うなかれ、この小さなプレートにもいろいろな悲喜劇が込められているのだ。　今ではどこの職場でも普通に見られる名札だが、実はそれが普通になったのは70年代も後期になってからなのである。それまでは銀行の窓口の行員でさえ名札などしていなかったのだ。　財界によって組織された「日本社会経済生産性本部」。ここが音頭を取った生産性向上運動。(いわゆる「マル生運動」)良く知られるようにそれは労働組合対策ための彼らの側からする運動であった。　職員の意識改革と称してなぜか最初に持ち出されてきたのがこの、名札。この小さなプレート一つをもって、職員の組織への忠誠度を測ろうとしたのである。　労働組合の取り込み対策の象徴として、ごく当たり前の労働運動を取り組んでいたところは当然これに反発し、対企業、対当局との攻防が展開された。　我が郵政の職場でも、転勤、昇格、配置転換等、様々な場面でこの名札が踏み絵として利用された。　当局の介入によって組合が分裂させられてからは、その名札を付けているかいないかによって、所属組合がはっきりと分かるようになった。　反マル生運動の結末は、報復的な現場組合員の首切りと、国鉄労働運動の大弾圧として、最後的にこの国の労働組合運動を暴圧したことは記憶に新しい。　そして、今まで黙殺していた名札非着用者に対して、突然処分を乱発し、給与をカットしだしたのが、我が郵政官僚なのである。　たかが名札、されど名札。この小さな名札にはこの国の歴史が刻まれていると言ったらちと大げさになるかも知れない。でも、あぁそうですかと素直に着用できない訳もあるのである。　年間数十回にも及ぶ処分の乱発に対する精神的苦痛、毎年カットされる給与の分に対する損害賠償を求め、全国各地の郵政局管内で裁判闘争が闘われている。
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	氏名札原告団のどたばた本人訴訟始まりました
	(04/3.24)

	私達は、現在１０人の小所帯となった首都圏胸章裁判原告団である。　この間いろいろな経過があって、ついに我々は本人訴訟の世界に突入せざるを得なくなったのだった。　私達には自負がある。だって、弁当屋しか来ないような事務室で、一日付けて見せればその後一ヶ月付けなくても気付かれない、以前の課のままの物でも大丈夫、顔半分割れてなくなっていてもぶら下がっていればいい。「そんなんで、何もムキになって付けさせる事ないでしょ」負けてたまるか、というのが私達の気持ちだ。　君が代だってそうだ。歌なんて「歌え、歌え」と言われて歌えるようなものではない。鳴かないカナリアは殺してしまえというのか、ほんと、信じられない。　最近東京、関東両支社で、予算の不正流用があり新聞で取り上げられた。命令と服従の組織に芽生える腐敗である。これは虐待と同じ理屈で、親などからの虐待も続くと次第に逃げられなくなる。命令に背くと制裁を受けるようなシステムも、次第に制裁を受ける前に従うようになるのである。従って、公費の決済権限を持った上部の不正も、不正として正されないまま温存されてしまう。君が代も、胸章と同様に歌わないという不作為が処分の対象となっているのではなく、歌えという「職務命令」に服従しないことを問題視している。となると、愛国心の有無もさることながら、特定業者との癒着や天下りなど、利権の温存も背景にあると見るべきではないか。　本人訴訟の件に戻って、原告団には幸いなことに人事院の集中審理でならしたセミ・プロ級のＴ氏がいるのだが、ここは無知を武器におんぶに抱っこで裁判所書記官に教えを請いながらやって行こう、という事になっている。しかしやはり人事院で筆者が後輩の訴えを審理してもらった際に、調査官には至極同情的に優しく接してもらえたが、結果は全然負けだったので、別に期待は出来ないというものだ。　まあ、筆者は最高裁まで行ったっていいような問題は多々あると思う。　例えば一事不再理。一度刑が確定したらその罪はもう裁けない。禁固３年の事件であれば次に同様の事件を起こしたとしても、法定刑の上限が３年なら３年以内でなければ、一度償った筈の罪が再度審理されたことになってしまい、許されない。同様に、訓告一回は実損のない軽微なものとしながら、３回以上累積して戒告相当の制裁を与えるのは、過去の訓告処分を再度斟酌するということであり、明らかに一事不再理に反するのである。　次に法の不遡及原則。新たな規則が作られる以前の行為についてはその規則に拘束されない。入国管理法施行以前に強制収容しておいて後に施行されたから収容は正しかった、とはならないだろう。就業規則になかったものを強制し、数年後に訴訟に耐えるよう変更し、「就業規則にも入っているぞ」などと業務命令を正当化するのは法の不遡及原則に違反するではないか。　さりとて、原告団も年をとった。若かったねえ、あの頃は、という過ぎ去りし歳月だが、近頃はライフワークに、などと言う人もいる。さて名札など付けなくて良くなってまで闘い続けようということになるかどうか。それより海外旅行通の原告もいるようだから、各国の郵便局を尋ね、局員と記念写真でも撮って名札がなくても立派にポストマンとして通用している証拠を作ってきてもらえないだろうか、と思う今現在である。（報告　Ｙ）
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	第３次（本人訴訟による）胸章裁判始まる！
	(06/01.11)

	今月（０６年１月）の３１日に、胸章裁判（逸失賃金返還請求事件）、すなわち胸章不着用による処分－賃金カットの不当性を訴え、カットされた賃金の返還を求めている裁判の「本人訴訟」の第一回公判が行われます。原告は東京支社１０名、関東支社２名の各郵便局と東京貯金事務センター勤務および退職者の人たちです。　第１回公判の当日は、原告の本人尋問、それに対する郵政公社の反対尋問、そして２人の原告による陳述が、約１時間の予定で行われます。　胸章は、近年あらゆる企業や組織で個人的に着けることが当然のようになってきています。当初は名前のみであったものが最近では外国のＩＴ産業界を模倣したものか、猫も杓子もひも付きのＩＤカード様の物が普及し、そしてまさに胸章は職員証というＩＤカードになりました。　しかし、不安定雇用はおろか、失業率の増加、ニートと呼ばれる若者の増加など、このようなＩＤカードとは無縁な人たちを前にしたとき、郵政公社で胸章着用の理由とされている責任感、連帯感、防犯が組織に所属する者だけの特典であり、防犯に至っては、着けていない者を「部外者＝犯罪者」と見るきわめて排他的、差別的な側面すら痛感します。胸章裁判の特徴と今日的な問題　この胸章裁判の特徴は、通常の処分と違い「命令拒否が組織の秩序を乱す」ことが罪とされ、着けないことによる「実質的な害が無くても処分ができること」、そして「訓告」や「訓戒」そのものは処分性はなく原告には実質的な制裁はないとしながらもすでに終わった過去の「訓戒」を再度カウントして年に３回以上を定昇カットしていること、これは「一事不再理の原則」として刑事事件では否定されており、就業規則の解説でも強く戒めています。　また、課長を介した局長および所長名による処分であるにもかかわらず、裁判の審理にはこれら管理者は参加せず、法務省や郵政の支社や本社に処分後の紛争の「丸投げ」をしているのです。　また、独立行政法人である郵政公社の末端管理者の命令処分は国の命令処分とみなされて、法務省が支社、本社の職員と弁護体制を組んで管理者を守るなかで、その権威を重視した裁判官も、被告公社が絶対的勝利を前提に途中で「胸章着用」を就業規則に入れるなどしてルールを自在に変更、被処分者－原告が大変な苦労でもって「権力」と闘わなければならなくても、こんな仕組みがおかしいと思わないのです。　裁判所も納税者である私達が維持しているのですから、このように上司に異議を唱えた職員が圧倒的に苦戦を強いられる裁判の仕組みが公費の無駄遣いを許し、挙げ句の果てには増税、年金減額という地獄への道が待っていると思うと怒りがこみあげます。　民営化を目前にして、権限もない者に責任だけを課し、末端管理機構の意向でしかないものを命令として強制していく手法が今以上まかり通ればいずれ公社が迷走するのは目に見えています。　胸章問題は現在裁判をとうしてのみ争われている状況ですが、「個人情報保護」の観点からも胸章は重大な意味を持っているのです。　是非傍聴をお願いします。　２００６年１月３１日東京地裁７１０号法廷１４時より
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	公社化前夜の日逓現場　　　　　　　　　　　　(02/9.7) 労働条件激変に怒りの提訴
	昨年の４月以来、「新規業者の参入」を口実にした、郵政事業庁の運賃の一方的削減とこれに対応した日逓企業の「収支改善策」が労働者の生活に重大な打撃を与えてきました。　簡単に説明すると、一昨年１０月に「丸運」という業者が、従来の運賃よりも３０％やすい運賃で郵便輸送に参入したことから、郵政事業庁は、各輸送業者に対して、「運賃を丸運と同等にせよ。そうしないと従来の業者とは契約しない」と通告してきたことにはじまるのです。　この動きは、小泉内閣成立後急速に進み始めた、「規制緩和・郵政の民営化」を先取りしたものとなりました。　その結果、郵便輸送から撤退する業者もあらわれました。日逓企業は、この解決策を労働条件の一方的不利益変更、労働者の賃金・手当の削減で対応したのです。　大幅な年収の減少　具体的には、休憩時間が１時間から３時間に拡大されたことで、その分手すき時間がなくなり、残業（超勤）がなくなりました。この金額は具体的には、毎月２万円～４万円です。　つぎに型別運行手当の削減です。これは乗務する車両の大きさによって、手当がつけられていましたが、これが３年から５年にかけて消滅します。　さらに年間労働日の７日増加。病気で休んでも基準賃金を保証していた、病気休暇の廃止（病気で休めば欠勤扱いとなり、賃金カット）などが強行されたのです。　この結果、年収は大幅ダウンとなりました。裁判を準備する過程で、どれだけ利益を損失したかを計算したわけですが、超勤カット、病気休暇廃止、型別運行手当の削減などでおよそ８５万円～１１０万円、労働者が損をしています。　逆に言えば企業はそれだけ儲かっていると言うことです。　不誠実な企業の態度　当初、今回の裁判を準備するまでに、有志が大阪労働局へ「労働条件の一方的不利益変更に関する異議申し立て」や「個別紛争解決処理」の申し立てを行いました。　しかしながら日逓企業の態度は不誠実そのもの。労働局へは出頭しますが、資料も持ってこず、「労働組合と話がついているからいちいち個別の反論はとりあげない」というものでした。　もちろん労働局は今回の事態が「労働条件の一方的不利益変更」であり、申請者に対しては時間をかけて話をするようにとの助言までしているのに、日逓企業は「法的な拘束力がない」ということで無視しています。　労働組合の議決機関の会議（支部大会、支部委員会）にもこの問題が提起されましたが、具体的なアフターフォローが何一つ提案されないままです。　いよいよ原告団結成、提訴へ　職場のなかでは、多くの労働者が、「こんだけ仕事がきついのに休憩時間が３時間になっただけで超勤がゼロ」「だれも休憩を３時間にしてくれとは頼んでいない」「労使ともに血をながすといっても血を流しているのは現場の労働者だけ」という不満がうっ積していました。　こういうときに、「裁判で決着をつけるで。原告になろうや」と話を進めるとほとんどの人が賛成してくれました。またすぐに原告になれなくても「支持する」「ボーナスでカンパする」という労働者が多数います。最近でも１万円、５千円という単位でカンパをくれる労働者がいます。　この裁判闘争の動きはいち早く、インターネットの掲示板や「まともな労働運動をきずく日逓労働者の会」などによって全国にながされ、おおきな反響を呼んでいます。もちろん、企業側も指をくわえて見ているわけではありません。一部の人を使って「裁判をやれば労組から除名」「支持したやつも除名」とおどかしをかけてきましたが、柔軟な戦術ではね返しました。　裁判自体は勝つか負けるかわかりませんが「企業の理不尽な支配はゆるさない」「小泉改革の化けの皮をはぐ」闘いです。楽しく、いきいきとすすめていきたいと思います。　【日逓裁判闘争への支援の訴え】　一方的賃下げは許さない！服務編成基準見直しは休憩時間（３時問）の乱用だ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊　２００１年４月、日本郵便逓送（株）は『収支改善施策』なる、労働条件の一方的不利益変更を実施しました。導入後は（私で）年間１００万円強の減収になり、住宅ローンや教育費と多額の出費を抱える我々の家計を直撃しています。この一方的賃下げに対し近畿の仲間２６名が２００２年６月近畿統括支店を訴え大阪地裁に提訴しました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊　思い返せば去年の４月から私たちはやり場のない口惜しさと怒りをもって日々働いてきました。なぜなら、これまでと同じ労働内容なのに服務線表に「休憩時問３時間」を入れるだけで超勤手当を支給しないペテン的手法はじめ年間休日の７日減、型別運行手当の廃止、深夜加算時間の廃止、超勤手当の割増率５％カットなど生活給としてなくてはならない貴重な手当を根こそぎ奪うものだったからです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊　しかも、労働協約変更に際し民主的決議機関の全国代表者会議を経ずに仝国支部会議で強行に決定しています。これでは個々の労働者の同意を得たとはお世辞にも言えません。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊　他方、日逓企業の収支状況は毎年順調で安定した経常利益を上げ、資産増はじめ１０％の株式配当、天下り役員等の賞与支給も続けています。利潤確保のために「外圧論」や「事業危機論」を前面に出し賃下げを強行しているわけです。また、今後「勤務形態手当」や「開カン手当等」残っている手当の仝面廃止も準備されています。　一刻も早くこのような流れを止めなければ我々の生活は根底から崩されてしまいます。この裁判闘争が端緒になることを願ってやみません。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊　原告団メンバーは、大津支店はじめ京都支店、大阪支店、運行管理センター、摂津（営）和歌山支店と近畿一円に広がっています。　これらを見てもこの運動が日逓に働くものに共通していることが分かります。また、社会で言われなきリストラで苦しんでる全労働者のためにも原告団が先頭に立ち闘ってまいりたいと思います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊　しかしながら、裁判闘争は時間も費用もかかるのも現実です。つきましては、長期の闘争体制を維持するために『支える会』に入会していただき共に闘う体制を構築したいと思います。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　記　　　　　　　　　　　　　　　　　　郵便振替口座名　『日逓裁判闘争を支える会』　　　口座番号　　　　00900-7-161630 　　一口１０００円、出来ましたら複数日お願いします。　　住所・氏名を明記してくださると闘争ニュースをお送りします。　　その他、匿名でも結構です。　　　　　　（近畿・旦遊労働者）
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